次男の七五三のお祝いで実家から上京していた母親を東京駅まで送った後、丸の内OAZOの丸善書店の入り口に平積みになっていた「LIFE SHIFT:100年時代の人生戦略」。リンダ・グラットン(著者)の前作、ベストセラー「WORK SHIFT」は、僕にとっては、おもしろくも何ともなく、前半で断念し、自宅の引っ越しの際に処分してしまっていたこともあり躊躇したのだが、100年時代の人生戦略という副題が気になり、購入した。
この本によると、1840年以降、10年に2-3年ずつ寿命が延びている。2007年生まれの日本の子供の50%は、107歳まで生きる見込みがあるという。衝撃的だった。
100年ライフで何が変わるのか?(著作より抜粋)
・70代、80代まで働く。
・新しい職種とスキルが登場する。
・おカネの問題がすべてではない。
・人生はマルチステージ化する。
・変化が当たり前になる。
・人生の新しいステージが現れる。
・レクリエーションから、リ・クリエーションへ。
・一斉行進が終わる。
・選択肢を持っておくことの価値が増す。
彼女たちが主張するのは、簡単に言えば、100年時代の人生は、今までのような「教育を受ける時期(大学・大学院卒業まで)、社会人として働く時期、引退後」という3つのステージではなく、4ー6つのステージになる、ということだ。
僕が客員教授を務めている法政大学MBAで学んでいる人たちは、それまでの仕事を辞めて学生生活を送っており、リンダ・グラットン達が主張するような人生を送っている人は既に存在するし、ドラッカーが言っていたように、ある産業の寿命よりも、自分の職業人生の方が長くなる時代に既になっており、生涯教育が益々重要になっていくことは間違いない。
そして、これからは、自分自身のコアスキルなり専門分野を「何度も変える」ことが当たり前になる、ということだ。
そういう意味では、僕は、何度も自分の専門分野を変えてきた。というか、変えざるを得なかった。
20代はコンサルティング会社等で、マーケティングのコンサルティングの仕事。28歳で起業し、30代前半は、DTP(Desktop Publishing)。30代半ばからインターネット関連の仕事し、ネットベンチャーを創業。40代半ばからMBAで教えるようになり、また、ベンチャー企業への投資の仕事を始めた。その間、大失敗もし、拙著「挫折のすすめ」にも書いたが、一年以上、晴耕雨読ならぬ、晴「読」雨読の生活をしていた時期もある。
問題は、専門分野を変えるためには、その移行期間、それまでと同じレベルの収入を得ることは難しいということだ。
また、現役時代最後の年収の半分レベルの生活を維持しようとした場合、引退後の人生が何年になるかにもよるが、殆どの人が「必要資金」を確保できないらしい。となると、70代、80代まで、仕事をして、収入を得る必要がある、ということだ。
また、いかにして自分の資産を運用するか?が今までに以上に重要になる。
僕は、70代、80代、どんな仕事をして行くのか?
その時になって考えても間に合わない。大きな命題である。