これが最後のアメブロ・・・。

新聞の折込チラシで見つけた今の住まい。僕たちは今から11年3ヶ月前、今のマンションに移り住んだ。それまでは、中目黒の賃貸マンションに住んでいたが、創業メンバーとして立ち上げに参加したウェブクルーの上場に伴い、恵比寿にマンションが買えるおカネが舞い込んだ。

貧乏生活なら負けないという苦節13年が報われた瞬間だった・・・。

その思い入れがあり、愛着があり、家族全員とても気に入っている恵比寿のマンションに、あと2日でサヨナラする・・・。

後ろ髪を引かれないと言ったら嘘になる。本当は明日に備えて寝ようと思ったのだが、寝る前に白ワインを飲み、10cc の I’m not in love. を聞いていたら、どうしても今の気持ちを文字に残しておきたくなった。

世の中には戦争で亡くなったり、テロに巻き込まれたり、病に倒れたりして、不幸にして早くに亡くなってしまう人たちがたくさんいる。

そういう人たちのことを考えたら、僕は本当に恵まれている。

「挫折のすすめ」に書いたとおり、1年半で夫婦で外食したのは、たったの1回。それも吉祥寺で「もんじゃ焼き」を食べて、生ビールを一杯ずつ飲み、2人で3,500円のお会計をしたその瞬間、こんな贅沢をしてバチが当たらないだろうか・・・と思ったほど、貧乏な時期があったが、それでも、こうして、好きなことにチャレンジでき、子どもたちも素直に育ち、新しい家に越せるわけで、そのことに感謝をすると共に、何かを世の中に残したいと思っている。

ところで、ブログのタイトルに書いたとおり、アメブロでブログを書くのは、これが最後になると思う。2006年4月から10年以上に渡って書き続けてきたわけで、少々寂しい気もする。

僕がサンブリッジの仕事を始めた2011年の秋。ネットで見つけてインターンに応募してきた、当時、東大の学生だった「下川さん」という若者がいる。彼がボランティアに近いおカネで、僕のブログサイトを作ってくれた。

僕と一緒にシリコンバレーに行ったことがキッカケで(実はそれが彼にとっては初海外だった!)、その後、シリコンバレーに移り住んでしまったベンチャーナウの竹内さんと一緒に2011年5月に始めたピッチイベント「Innovation Weekend」の年間チャンピオンを決める「Innovation Weekend Grand Finale 2011」は、下川さんがいなかったら、きっと実現できなかっただろう。

とあるイベントの審査員として京都に行かなければならなかった僕に代わって、僕の名刺の束と格闘し、500-600人に対して、Innovation Weekend Grand Finale 2011 の案内メールを、僕に「成りすまして」打ってくれたのが彼だった。

形容する言葉が見つからないほど優秀で、滅茶苦茶いいやつだ!!!

今までの僕の人生で最も大きな勝負も、彼が相当に手伝ってくれている。

彼のためにも是が非でも、この勝負は勝たなければいけない!

もうひとり、僕にとっては掛け替えのない若者がいる。

New York 出身の彼とは、僕らの投資先だった co-meeting というスタートアップのサービスを彼が見つけて、アメリカで売りたいと言って来たのがキッカケだった。

僕がNew York に出張した際、ステーキハウスでランチをしたのだが、彼が払おうとしたので、お前が払うのは10年早い!という話をし、僕が払ったことを覚えている。

その後、彼は大学時代の友人と一緒に AdTechのスタートアップを立ち上げ、日本のクライアントを獲得しようと東京に来て、僕のところにアドバイスを求めに来た。

あまりのダメさ加減に、僕は、自分の子供に説教をするかのごとく、ダメ出しをした。

彼の名前は Daniel というが、彼は今、僕らの投資先である Peatix のNY Office のスタッフであり、NYのビジネスを急速な勢いで伸ばしている!

そして、Innovation Weekend World Tour のメンバーとして、僕と一緒に世界各都市を回っている。

彼がいなければ、言葉にするまでもなく、Innovation Weekend World Tour は継続できていない・・・。

そして、Innovation Weekend World Tour は、Peatix のビジネスディベロップメントにも貢献できており、株主としては、こんな嬉しいことはない。

1986年2月。初めてNew York に行った時、22歳だった僕は、いつかこの街に住みたい・・・と思った。未だにそれは実現できてないが、こうして、定期的にNYを訪れ、純粋培養の日本人の僕が、NYでイベントを主催し、また、他のイベントのスピーカーとして招かれて、僕の起業家人生の話をさせてもらって・・・と、住んでこそいないが、あの頃の夢は叶ったように思う。

そのDaniel は先日、Tokyo に来ていた際、彼に co-meeting を紹介した女性に、下北沢(僕が学生の頃、住んでいた街だ)で会ったそうだ。

僕たちの人生を変えたその女性に、僕も会ってみたい。

ところで、元SONYの出井さんが言ったように「人間の死亡率は100%」である。

3個100円の納豆が買えず、聞いたことのないメーカーの4個100円の納豆しか買えなかった時があったし、あの頃は本当に辛かったけど、生きていることは、それだけで本当に素晴らしい・・・。

その人生がいつか終わってしまうなんて、僕には信じられない・・・。

あと何年、神様が僕に人生を与えてくれるか分からないし、無い物ねだりをしても仕方ないけど、せめて、両親からもらったものを100%発揮できるようにしたい。

マラソンの有森裕子さんが2つ目のメダルを獲った時に言った「メダルの色は金じゃないかもしれないけど、初めて自分で自分を褒めたいと思いました」と言える人生を送りたい。

亡くなった両親のためにも、子どもたちのためにも、そして自分自身のためにね。

本当はもっと「クール」なエントリーを書きたかったんだけど・・・w。

まあ、それは下川さんが作ってくれたブログでということで!