僕はベンチャー支援はしていない!

昨日の午後1時、とある外国人とのMTGのため、有楽町にある「日本外国特派員協会(FCCJ)」に初めて行った。様々な著名人の記者会見が行われた場所で、壁には所狭しと要人の方々の写真が飾られている。

そういえば、ケンコーコムの後藤さんが、インターネットでの市販薬の販売に関する規制に関して反論する記者会見を行ったのも、日本外国特派員協会だったと思う。

ところで、日比谷線で有楽町から恵比寿に戻り、地上に出たところ、黒いスーツに白いブラウス、ピンで止めたひっつめ髪の就職活動と思しき女子学生数人と遭遇した。

個性も何も感じられない格好を何故、するのだろう?訪問先の会社が、そういう格好を求めるのだろうか?まあ、そういうことなのだろう。

そういう僕は、カジュアルなシャツに、カジュアルな薄いジャケット、白いGパンにスニーカー。髪の毛は茶髪だ・・・。

50歳過ぎのオジサンがそういう格好をしているのに、どうして、20歳そこそこの若い女性が、判で押したような決まり切った格好をしなければならないのだろう?どう考えてもオカシイよね?

個性を尊重する価値観も自由も感じられない。僕だったら、そんな会社には就職したくない。

ところで、僕は「ベンチャー支援」という言葉に違和感を感じる。というか、その表現が嫌いである。

3~4ヶ月前だったと思うが、日本ベンチャーキャピタル協会主催の会合に初めて参加した際に、「ベンチャー支援」という言葉に違和感を感じるという持論を吠えた。

僕のことを「ベンチャー支援を熱心にやっていますね」という人が多いが、僕はそう言われるのは不愉快だ。

「ベンチャー支援」と言っている人達(会社)は、実は「自分たちのため」にやっている。

何故なら、新規事業を開発するために、自社内だけでは埒が明かず、ベンチャーの人達に投資したり、事業提携したりしているわけで、最近流行りの言葉で言えば、オープンイノベーションを推進しているということだ。

本当に「支援」したいなら、手弁当でやればいい。自分たちのしていることを誤解してはいけない。

では、僕がやっていることは何で、何のためにそれらをやっているのか?

僕は起業家やベンチャー企業が好きだし、僕自身、28歳の時から起業家として生きていた。

2011年3月からは、若い起業家や創業間もないベンチャー企業に投資する仕事をしてきたし、Innovation Weekend なるピッチイベントを始めて、2014年からは「World Tour」と称し、Singapore, London, Boston, New York, Sn Francisco, Berlin 等で開催するなど、ある意味、経済合理性を超えてやっているところもあるのは事実である。

投資をしていなくても、僕を慕って来てくれる若い起業家や起業家の卵の人達には、自分の時間が許す限り、相談にものっている。そして、僕自身、今もメンタリティーは起業家である。

でも、支援をしているというつもりはない。

僕が自分で起業したり、ベンチャー投資をしたり、Innovation Weekend World Tour を行っている目的は、日本のベンチャーシーンをグローバル化し、国際競争力を高めたいということと、面白い事業や企業を創ることにより、若い人たちに「雇用」をもたらしたい、それも「Innovative」な仕事をもたらしたい!ということだ。

高齢化社会の到来を踏まえて、政府は大企業に「定年延長」を求めたりしているが、それはイコール、若者の雇用機会を奪うことにもなり兼ねない。というか、なっているだろう。

また、同じ60歳なり65歳でも、能力、体力、健康状態は人によって異なるだろう…。定年という制度自体、議論の余地がある。

いずれにしても、経済が成長しない国では、雇用は「椅子取りゲーム」になる。

また、統計的にも検証されているが、雇用を生み出すのは、既存の事業を行う「中小企業」ではなく、ベンチャー企業である。

若者に「イノベイティブ&クリエイティな仕事」を創りだす!

そして、僕自身、自分の仕事として、その過程や仕組みづくりを楽しみたい。それが僕のやりたいことである。

ところで、クレア法律事務所を経営されている、本業は弁護士の「古田さん」という方がいる。プロジェクトニッポンの松谷さんという方から紹介されて知り合ってから、かれこれ8年くらいになる。

その古田さんはまさしく、「ベンチャー支援」をしている。つまり、手弁当でやっているということだ。

Founder Institute(FI)というアクセラレーターがあるが、その東京ブランチを立ち上げ、運営されている。

FIは、Adeo Ressi という起業家が立ち上げたアクセラレーターで、シリコンバレーに本拠がある。

卒業率は7%だったかな?という、かなりシビアなプログラムで有名だ。卒業生には、Evernote の元CEO, Phil Libin もいるらしい。

古田さんに頼まれ、その FI Tokyo で、何度か講演をしたり、メンターとして、参加者の発表にコメントや質問をしたりしたことがある。

実は、5/25(水)にも、メンターとして参加させていただくことになっている。

僕が1990年代後半、ネットビジネスを立ち上げた頃と較べると、日本、特に「Tokyo」の起業環境は見違えるほど充実してきたが、シリコンバレーと較べると、まだまだ見劣りするのも事実である。

ベンチャーキャピタルに集まる資金の金額、ベンチャー企業に投資される金額ともに、シリコンバレーと較べると一桁小さいのは勿論だが、起業して成功し、エンジェル投資家として次世代の起業家に投資をしたり、メンターとして、文字通り、ベンチャーを「支援」する人がもっと増える必要がある。

そういう意味で、古田さんのような方は、とても貴重な存在である。

話は変わるが、僕が株主兼社外取締役を務めるラソナという会社の経営会議を終えて、日本外国特派員協会に向かう途中、東郷公園という公園に、遠足か何かから帰ってきたと思われる保育園(or 幼稚園)の園児たちがいた。

僕は思わず、嬉しくなり(僕は子供が好きだ)、ギャーギャーと騒ぎうるさい子供たちでいっぱいになっている公園の敷地をわざわざ通って、広い道路に出た。

子供の声が「騒音」だと言って、保育園の建設に反対する人達の気持ちが僕には理解できない。

彼らこそ「未来」なのに・・・。

子供たちという意味では、日本外国特派員協会から帰る途中、広尾駅から乗ってきた、小学校高学年もしくは中学生の男の子二人組にも言葉にできない感情を覚えた。

彼らの健やかな成長を願って止まない。