Always do what you say you will do.

New York や Silicon Valley に滞在していても、熊本の地震のニュースが目に入って来る。文字通り、距離を感じるが、何とも痛ましい気持ちになる。お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りすると同時に、被災された方々が一日も早く普通の日常に戻れることを望みます。

今回の出張も、いつもどおり得るものが多く、とても生産的な一週間になったが、それが年齢のせいか、他の要因かは分からないが、今までは感じなかったことを感じた。

New York 行きのフライトの中で、「杉原千畝(すぎはら ちうね)」という日本人の外交官に関する映画を見た。

彼は、第二次世界大戦中のポーランドで、ナチスドイツの迫害によって祖国を追われたユダヤ人を救うために、本国(日本)の外務省の許可を得ず、2,000人を超える人達に「日本行きの通過ビザ」を発給した。

僕は、2012年6月、初めてロンドンを訪ねた時に、偶然?にも、自分の父親が「杉原千畝」によって助けられたという人に会った。シリアルアントレプレナーであり、Innovation Warehouse というアクセラレーターを運営する「Ami Shpiro」という方だ。

「当時の日本で、組織の命令に背くことがどれほど大変なことかは想像に難くない。自分が今、こうして生きているのは、杉原千畝が父を救ってくれたからだ。日本には本当に感謝している」と彼は言っていた。

杉原千畝は、満州の学校(中学?高校?)を出たらしいが、その学校には、以下の「3つの教え」があったそうだ。

「人の世話になるな」。
「人の世話をしろ」。
「見返りを求めるな」。

僕は、28歳の時に「徒手空拳」で起業し、苦労をしながら頑張ってきたし、1990年代後半のネットバブルの最終列車に飛び乗り、VCから資金調達をし、エクセレントではないにしても、それなりの結果を残してきたと思っている。

そして今は「日本のスタートアップシーンをグローバル化する」こと(に挑戦する)で、今後の日本経済の発展に微力ながら貢献したいと思っている。

でも、いったい自分は何をしたいのか?その根底を自分自身に問い質していくと、結局は、そういう仕事を通じて「社会から認められたい」という欲求に支配されていることに気がつく。

所詮は”自分のため”である・・・。

ナチスドイツという意味では、もうひとつ、「Woman in Gold」という映画を見た。第二次世界大戦中の「オーストリア」で、ナチスドイツの迫害を逃れて、米国に亡命した女性のことを描いた実話に基づく映画である。

また、途中で時間切れになってしまったが、「ネイティブ・アメリカン(インディアン)」と「白人」の戦いを描いた映画で、レオナルド・ディカプリオ主演の「Revenant(帰ってきた人)」という映画も見た。

昨夜、San Francisco でお会いした、こちらに住む日本人の方々から伺った話だが、今も「ネイティブ・アメリカン」の方々が存在し、彼らの保護区のような地域があるそうだ。

極少数となった彼らは、自己の「アイデンティティ」や「米国社会における存在意義」に思い悩み、アルコール中毒や麻薬中毒になってしまう人が少なくないという。

人類は、筆舌に尽くし難い悲惨な歴史のもとに、今を生きている。僕たちの平和な生活は、多くの人立ちの犠牲の上に成り立っている。

ところで、NYCで会ったベンチャー投資をしている、ある男性が、自分のポリシーだと言って教えてくれたことがある。

Always tell the truth.
Always do what you say you will do.
Obey billionaire!

3番目には色々と思うところがあるが、それなりに真実を突いていると思う。

これからの人生を考える上で有意義な出張だった。

at San Francisco Int’l Airport