「修士論文」と「次男の退院」。

先週木曜日の夜遅く、僕が法政大学の経営大学院で担当している院生の修論チェックを終えた。

正直に言って、彼の指導は大変だった。

昨年2月に初めて会った時は、今まで何をして来たんだ?と思わざるを得ないところがあったが、彼はこの一年でとても成長した。

22時半過ぎ、修論指導が終わった時、指導担当として、達成感のようなものを感じた。

その後、僕がリクエストした修正箇所を反映し、金曜日13時の締切までに提出できるかが不安だったが、オフィスでMTGをしていると、「提出しました!」というSMSが送られてきた。

但し、本番は、これからである。

彼が約一年をかけて構想を練り、修士論文として纏めた事業プランを実現して初めて、貴重な時間とおカネを投じて大学院に来た意味がある。

また、ボアゾナードタワーという27階建て校舎の最上階で開催される最終発表会行きの切符を懸けた選考会が今週末、行われる。

ボアゾナードに行くことができ、尚且つ、優勝すれば、賞金(奨学金)50万円が提供される。

頑張って欲しい。

ところで、毎年2月は、修士論文の締切りと同じ時期に、来年度の指導担当を決める、オープンドアと呼ばれる期間がある。

院生の人達が指導担当教員を選ぶために、興味のある教員に自由にアポを取り、面談をする期間のことだ。

今年、僕のところに来てくれた方々との面談を通じ、改めて認識したことは、その人がどれだけ「本気」か?どれだけ自分の「人生」を「真剣」に生きているか?で、すべてが決まる、ということだ。

日本のような平和で経済的に豊かな国に生まれると、流して生きていても困らなかった。

でも、そんなパラダイスは、もうお終いである。

今の延長線上で行ったら、日本は間違いなく、シャビーな国になる。

自分がどうしたいのか?自分が生まれ育った国をどうしたいのか?そのために、どんなことで貢献できるのか?

そのことが問われている。

話は変わるが、昨日、次男が無事、退院した。

去年の今頃は、修士論文の指導、妻の出産(次男の誕生)、新会社の設立が重なり、目茶苦茶に忙しかった。

今年は、サンブリッジ グローバルベンチャーズの仕事と法政の修士論文の指導に加え、大阪市のプロジェクトがあり、そこに次男の入院が重なって、これまた忙しかった。

ところで、次男の入院中、次男のベッドの横にあったテレビで偶然、「高飛び込み」の練習に打ち込むセルビアの少年に関するドキュメンタリー番組を見た。

小学5~6年生と思われる少年は、5メートルの高さからの飛び込みはキレイに出来ていたが、10メートルの平均台に立ち、眼下のプールを覗き込むと、恐怖心から、飛び込めずにいた。

コーチは半ばヤジとも言えるゲキを飛ばしていたが、決して強要はしなかった。

少年は飛び込めない自分が悔しかったのか、大粒の涙を浮かべていた。

何が少年の心を後押ししたのかは分からないが、その数日後、彼は10メートルの飛び込み台から華麗なフォームで飛び込んだ。

少年は何とも言えない笑顔をしていた。

「できると信じていたよ」とコーチが言っていたように、技術の問題ではなく、精神の問題だと言うことだ。

そして、僕たちの子供たちが「ここまで来れば大丈夫だ」と思えるようになるまで、元気でいようと思った。

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