「スイス大使館」主催のカクテル・レセプション

20(火)に法政大学経営大学院(イノマネ)夏期集中講義のレポートの採点表を提出し、今年の夏は終了。

因みに、レポートのテーマは、iPadアプリの「POSレジ」を開発販売する「ユビレジ」の「破壊的イノベーションの戦略を考察せよ」というもので、そのために、ユビレジ創業者の木戸さんに講義にいらしていただき、事業内容についてプレゼンテーションをしていただいた。

既に結果が分かっている大企業を題材にしてレポートを書くよりも、創業2年目のベンチャー企業の経営戦略を考えるほうが、学生の方々にとってもリアリティがあると思い、そのような試みを行った。

30数名の学生の方々のレポートを読んで感じたことは、ウェブ進化論で梅田望夫さんが提唱した「集合知(Wisdom of Crowed)」は機能する、ということだ。

ところで、今日は「スイス大使館」主催の「Innovation」をテーマとした「Swiss & Japanese Startups Networking Cocktail」なるレセプションにお招きいただき、南麻布にあるスイス大使公邸に初めて足を踏み入れた。

そもそもスイスとは縁もゆかりもない僕に何故、そのような招待状が届いたのか?不思議に思い、連絡窓口の方に電話をしたのだが、招待客のリストアップに関する詳細は把握していないということで、どんな人達が来るのか?と恐る恐る会場に入ったところ、案の定、僕が知っている人は殆どいなかった。

仕方なく、今回のレセプションを担当されていた Dr. Felix Moesner に「I’m pretty honored to be here tonight, but how come I was invited to this reception ? I really don’t get it.」と表敬挨拶をしたところ、様々なメディアでの発言やイノベーション関連のイベント参加者等をモニタリングしており、スイス大使館の基準でスクリーニングをして、招待者をリストアップしたとのこと。

日々の仕事や発言が、こういう思わぬことに繋がるということを実感した。つまり、「ジェノバ豚塩麺」のネタばかりではいけない!ということだw。

ところで、今日のレセプションでは、スイス大使の挨拶の後、スイスからのベンチャー企業2社、日本のベンチャー企業3社によるプレゼンテーションが行われたが、今がどうかは別として「精密機械」が世界ブランドとなっているスイスと「クルマと家電(製造業)」がお家芸の日本というコンテクストなのだろうが、僕が日々接しているインターネット関連のベンチャーは1社もなく、光工学や通信衛星等、かなりヘビーなテクノロジー関連のベンチャー企業ばかりだった。

「シリコンバレー(=ネットビジネス)」だけがイノベーションではない!ということを、伝えたかったのだろう。

僕にとって最も面白かったのは、AXELSPACEという「Nano-satellite(ナノ通信衛星)」を開発している日本のベンチャーだった。

通常の通信衛星の「1/100(と言っていたと思う)」のコストで製造できるらしく、ウェザーニュース社が採用を決定したらしいが、国防や気象関連以外の分野で、それを使って何ができるか?が発見されなければビジネスにはならないと思うが、通信衛星という産業に対する「破壊的イノベーション」に挑んでいること自体に心を動かされた。

話は変わるが、ドラッカーが言う「イノベーションのための7つの機会」で言えば、このような席にお招きいただけたことは、僕にとっては「予期せぬ成功」である。

そして、

・これを機会として利用することは、自社(僕)にとって如何なる意味があるか?
・その行き着く先はどこか?
・そのためには何を行わなければいけないか?
・それによって仕事の仕方はいかに変わるか?

という4つの質問の答えを考えてみようと思う。

ところで、台風15号の影響で、福島県郡山市にある僕の実家は、あと「5センチ」で「床上浸水」するところだった!

「避難指示(勧告よりも強い)」が出され、母親は弟家族の家に非難した。

3.11(大地震・大津波・そして原発!)、紀伊半島を襲った台風、そして今回の台風と、今年の日本は「大殺界」である。

今こそ、イノベーションが必要とされている。