「フランスの年金問題」と「ジム・ロジャーズ」の言葉。

フランスでは今夜、「年金改革法案」の採決があるとのこと。

内容は、現在60歳の支給開始年齢を62歳に変更することらしい。

僕は詳しいことは知らないが、欧州の他の国では、年金支給開始年齢はもっと高いところが多く、62歳になったとしても、フランスはそれでも高齢者が優遇されていることになる。

さて、我が日本はどうか?ということだが、生まれた年によって支給開始年齢が異なるようだが、昭和36年以降に生まれた人(僕も)は、65歳からの支給のようである。

そこそこの会社に務める人であれば、60歳が定年として、その後の5年間は、退職金を含めた自分の蓄えで生きていくことが必要なわけだが、僕のように若くして起業した人は退職金などというものはなく(例外もあるでしょう)、年金が破綻しないという前提だとしても、65歳までは自分の経済力で生きていくということである。

もちろん、年金制度が破綻すれば、一生、自分の力で生きていくことだ。

因みに、平成22年度の国家予算(約92兆円)の内、約30%(約28兆円)が「社会保証」関連だ。

年金について見てみると、同じ年度の数字が見つからなかったが、平成19年度末で、国民年金が「16.5兆円」、厚生年金が「24.4兆円」で、合計「41兆円」が年金として支給されていることになる。

では、収入はどれだけあるか?ということだが、約48兆円(平成22年度)である。

要するに、国家予算の「52%」しか「収入」はなく、残りの「48%」は「公債金」収入、つまり、将来世代への「ツケ(借金)」である。

どう考えても、やっていけなくなる日は確実にやってくる。

いつだったか、ジム・ロジャーズの講演を聴いた時に、彼が、日本が取るべき選択肢は、次の3つだと言っていたことを思い出す。

1. 移民を受け入れる。
2. 子供を産む。
3. 生活レベルを下げる。

人間は豊かになると、その恩恵を享受したくなる生き物であり、子供を産んで育てるより、自分達のライフスタイルを守りたくなる。

その結果、先進国は皆一様に、少子高齢化に悩んでいる(但し、アメリカでは、WASP(白人)のカップルが、2人以上、子供を産んでいると聞いている)。

一時期、頻繁に通ったロシアでも、2000年代に入ってからの「資源バブル」で経済が急速にテイクオフし、長かった冬の時代が終わり、ようやくやってきた「消費文化」を謳歌したい20代30代が子供を産まなくなり、深刻な社会問題と化している。

小泉・竹中改革が続いていたら、だいぶ景色は違っていたかもしれない。