「雇われる」経営者。

昨日のことだが、20代の時に働いていた会社の同僚から、久しぶりにメールが届いた。僕が、残暑見舞いを兼ねて送った、あることのお詫び状に対する返事だった。

彼は現在、JASDAQに上場している会社の社長をしているが、創業者ではない。

ネットバブル華やかな頃は「創業経営者」が注目され、ビジネス・セレブリティがたくさん登場したが、自分で会社を興して経営者になったのではなく、「人から請われて」経営者になるというのは、自ら会社を創業するのに優るとも劣らず、素晴らしいことである。

僕の旧友の場合、創業者(実質的なオーナー)から請われて社長に就任し、見事にその期待に応えている。

創業者から請われて経営者をしているという意味では、同じくJASDAQ上場のセプテーニ・ホールディングスの社長に就任予定の佐藤さんも、その一人である。

彼は、新卒でセプテーニ(当時の社名はサブアンドリミナル)に入社し、30才そこそこで事業会社のセプテーニ社長に就任するに至っており、能力・人格共に素晴らしく、産業として歴史が浅く、その殆どが創業経営者であるインターネット関連業界において、稀有な存在である。

自分で会社を創業し経営者になることはもちろん素晴らしいことだが、他人から「請われて」経営者になるというのは、信頼の証である。

彼らのように、年功序列人事とは違うプロセスで若くして経営者になる人たちがもっと出てくれば、社会は変わるように思う。

さらに言えば、経営者になることだけが素晴らしいわけではなく、自分の「強み」を活かして「一流の仕事」をすることが肝要である。