「繁栄」は、時として人間を「スポイル」する。

最近の日本社会は活力がないとよく言われるが、それは、裏を返せば、今まで「繁栄を謳歌」してきたからのようにも思える。

「高度経済成長期」を経て「バブル経済」と「その破綻」を経験し、失われた10年なり15年などと言われているが、昨秋以来の世界同時金融・経済危機に陥るまで、それなりの豊かさを享受(そして今も)してきており、また、非効率な社会システムの問題もあり、「これ以上、頑張っても意味が無い」というような心理状態に陥っているのではないだろうか。

一時期、一人当たりGDPが世界第2位にまでなったものの、現在は19~20位ぐらいに甘んじているらしく、産油国を入れると、それは更に40位ぐらいまで落ち込むという。

GDPの推移でみると、1989年(バブル経済のピーク)の「422億円」が、現在は「504億円」と、緩やかな伸びに留まっているが、この間に、ルクセンブルグ等の欧州の小国はGDPを大きく伸ばしており、それが「一人当たりGDP」の順位を下げる結果となった。

「自助の精神」を促し、持続的な社会的・経済的イノベーションを行っていくには、「保護政策」は適していないのは言���までもないだろう。

個人的には、30日未満の一般労働派遣の禁止や、製造業に対する派遣採用の規制等は、どう考えても「現実を知らない」としか思えない。

政治家は、物事には、トレードオフがあることを知らないのか?

そんなことをしても、雇用は「外に逃げる」だけで、国内の雇用増には繋がらないだろう。

民主党の政策運営に注目したい。