「米ビッグスリー凋落」の理由。

GW真っ只中の今日、東名高速は「66キロの渋滞」になるほど、行楽客の「クルマ」で賑わったらしい。

ところで、その「クルマ」であるが、4/29(水)の日経新聞の「大機小機」というコーナーに、とても考えさせられるコラムが載っていた。

テーマは、「米ビッグスリーの凋落」。

そのコラムを書かれた記者の方は、過去に何人もの世界の自動車メーカーのトップと会う機会があったそうだ。

その方が言うには、米ビッグスリーの経営者と話をしていると、クルマを「どう売るか?」「どうやって利益を高めるか?」の話はどんどん口を突いて出てくるらしが、生産現場の泥臭い話や「どうやってクルマやエンジンを開発したか?」という話は殆どなかったらしい。

翻って日本の自動車メーカーの経営者はどうか?

トヨタ自動車名誉会長の豊田彰一郎氏は、社長・会長時代を通じ、新車開発の責任者に「エンジンの回る音に耳を澄まし、微妙な不具合を発見しろ」と説いたという。

スズキ会長兼社長の鈴木修氏は、「役員もみな毎日、工場の空気を吸い、自分たちが何者なのかを考える。だから本社を工場から話さない」と言うらしい。

ホンダに関しては、6月末に新社長に就く伊東孝紳氏を含め、歴代社長の全員が研究開発部門である本田技研研究所のトップ経験者だそうだ。

それと比較して、GM(ゼネラルモーターズ)のトップは、3月末に辞任したリチャード・ワゴナー氏まで4人中3人が、財務部門の出身という。

僕は、財務部門出身者が自動車メーカーの経営者になってはいけないとは思わないが、自社の商品である「クルマ」に対する「愛情」がなければ、そりゃ、上手く行くはずはないと思う。

かれこれ5年ぐらい前になるが、日産自動車のV字回復の立役者「カルロス・ゴーン」氏が日経新聞のインタビューに答えて、「本当に好きでなければ成功しない」と言っていたことを思い出した。

僕は、その記事を、デスクの横の壁に貼っておいた。

「好きこそモノの上手なれ」ということだろう。

先日のエントリーに引き続き、「自戒の念」を込めて。