「主体性」と「多様性」。そして、「挑戦心」。

新年明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願い申し上げます。

さて、2009年最初のエントリーは、ロシア情報は横に置き、お正月らしく、激動の国際情勢と日本に関するトピックスについて書くことにします。

元旦の21:00~23:00、NHK総合テレビで「激論2009 世界はどこへ そして日本は」という番組を見た。僕のブログを読んで下さっている方でも、この番組を見た人は多いだろう。

僕は、政治や世界経済に対する知識も理解もお寒く、このようなテーマでブログを書くこと自体、不遜な気がしているが、自分自身の考えを整理する上でも、敢えて書いてみようと思う。

僕は、この番組を見ていて、「誰の意思と会話をすればいいのか?」というひと言を思い出した。

アイベックス(現在は、デジタルガレージの事業部門)というプロモーション会社の創業者である辻井さんが、僕と山川さんとで創業したインタースコープの経営体制移行期に、発した言葉である。

その言葉のとおり、その当時のインタースコープは、誰のリーダーシップにより、どんな未来を目指すのか?が、不明確だった。

「議院内閣制」の元、与党内の「ポリティクス」により「一国の首相(リーダー)」を選ばざるを得ない現在、真の意味での「リーダー」を輩出するのは困難ではないかと思う。

それはそれで様々な問題があるのかもしれないが、僕は、一国のリーダーは「直接選挙」で選びたい。少なくとも、自分の意見は反映される。

都道府県の「知事」が「直接選挙」で選出されていることを考えると、充分に可能ではないかと思う。

「誰の意思と会話をすればいいのか?」は、今の日本に見事に当てはまる。

「責任と権限」の所在を、もっと明確にすることが必要である。

法的には、総理大臣の権限は、驚くほど限られている。派閥の支持がなければ、何も決められないと言ってもいい。

ところで、番組を見ていて、僕の印象に残ったのは以下のとおり。

・日本の経済発展と構造的捩れは、結局は「日米安保条約(日米関係)」に起因している。

・日本は「パラダイス鎖国」。

・2008年の新成人に対する調査結果として、調査対象者の「3/4」が:

 「日本は努力しても報われない国」。
 「自分の子供の世代は、自分達よりも良い暮らしができないと思う」と回答している。

・現在の格差社会問題は、「世代間格差」の問題が大きい。→ 裕福な高齢者にも年金が支払われる。

・公立学校の荒廃→社会のニーズを満たしていない結果。

・ブラジル移民100年→ 以前は、日本では食えなくて、移民を出していた国。今の日本は、過去の日本人が築いた反映を食い潰している。

・サッチャーの名言:「金持ちを貧乏人にしたところで、貧乏人が金持ちになるわけではない」

また、以下は、各パネリストの締め括りの言葉(敬称略)。

竹中平蔵 「リアリストたれ」
斎藤貴男 「差別と戦争 自殺のない社会」 
山口二郎 「共感の回復」
岡本行夫 「多様性」
八代尚宏 「オープン化 国際基督教大学」
金子勝  「オバマ型へのチェンジ」
勝間和代 「教育 教育 また教育」

僭越ながら、僕は、「主体性」と「多様性」、そして「挑戦心」という言葉を挙げたい。

最後に、この論客の人選には、NHKの意図が感じられた。

「リアリスト V.S. 体制批判・弱者保護」という構造での議論をさせたかったのだろう。

何故なら、そうして相反する意見を戦わせること(それを見ること)で、そこまでの知識のない一般国民は、初めて「現実と向き合い」、自分の「考えを考える」ということだろう。

僕も、その意図に見事にはめられたひとりである。

「理念」を忘れず、しかし、「現実」と向き合いながら、今年一年を歩んで行こうと思う。