「ロシア」には、2つのタイプの「新興富裕層」がいる。

モスクワに着いて、3日目(実質的には2日目)。あっと言う間に時間が過ぎた。

初日(23)は、ホテルチェックイン後、現地の友人と「ウクライナ料理」を食べに出掛けた。

出発前も2時半まで仕事をし睡眠不足のところに、「時差(6時間遅い)」も加わってかなり疲れていたが、遠路遥々モスクワまでやってきて、そのままホテルで寝てしまうのは勿体無い。欠伸(あくび)を連発しながら、この国の金融システムや昨今の金融危機がロシア経済に与えている影響等について話を聞いた。

金融システムに纏わるトピックスをいくつか紹介したい。

ロシアでは、民間の銀行の倒産は、珍しいことではない。

従って、多くの国民は「貯蓄銀行(国営)」にお金を預ける。利子は、約5.7%。「表面金利」としては悪くない。しかし、ここ数年の「インフレ率」は「20%」。実施的には、目減りすることになる。

そんなこともあり、アパートの郵便受けには「民間金融機関のチラシ」が舞い込む。「20%」の金利を謳った金融商品のものだ。

しかし、ここには「からくり」がある。

20%の金利を付けてくれるのは、日本円にして「約100万円」以上から。一般市民が持っている額ではない。

その金額を金融機関に預けられるのは、いわゆる「新興富裕層」以上である。

この「新興富裕層」にも、実は「2種類」あることが分かった。

いわゆる「原油高」や「社会の混乱」に乗じて「利権」をつかんだ「成金」と、高学歴で「専門性の高い職業」に就いている「Yuppie」である。

「Yuppie」とは、1980年代に米国で言われた「Young Urban Professionals(都会に住む知的職業従事者)」の略。

ロシアでこの言葉が使われているわけではないが、要するにそういうことだ。

ロシアでは、ダブルディグリー(大学の学部を2つ卒業していること)は珍しくも何ともなく、中にはトリプルディグリーもいる。今日、MTGをした男性も、トリプルディグリーだった。

そういう30才前後の「Yuppie」が、「日本車の顧客」でもある。

話は変わるが、モスクワは「渋滞」が酷い。

シェレメチェボ空港からモスクワ市内まで(約25キロ)、1時間半ぐらいかかる。

11時から16時ぐらいは比較的流れているが、朝晩のラッシュアワーは片側4~6車線の道路がクルマでぎっしりになる。

GWにロシアに来た時と同じように、こんな感じで、多少はバージョンアップアップしたロシアに関する知識をもとに、ロシア事情を綴っていくことにする。