田坂広志さんの著作。未来を予見する「5つの法則」。

今日は、妻が大切な用事があり、朝から終日外出。子供を保育園に送り届け、久しぶりにひとりで過ごす土曜日となった。

ところで、ETICを通じてご縁を頂いている田坂広志さんの最新の著作「未来を予見する『5つの法則』」という本を読んだ。

田坂さんは、東京大学工学部を卒業、そして、同大学院を修了し、工学博士を取得されており、極めて高度な「数値的」思考能力をお持ちの方だと思うが、ここ5~6年の田坂さんの著作(僕が読んでいるものに限定はされるが)は、むしろ、「思想・理念・概念」といった内容が殆どである。別の表現をすれば、抽象度が高く、分かり難いという面もあるかもしれないが、僕のような右脳的思考の持ち主には、とてもよく理解できる。

その田坂さんの「出版記念 特別講演会」が、紀伊国屋書店の主催により、11/13(木)の夜、開催される。

僕も何度か参加させていただいたことがあるが、今回は出張が入っており、残念だが出席することが叶わない。

田坂さんの最新作「未来を予見する『5つの法則』」を読んで学んだことは、世の中を変える上で最終的なトリガーになるのは「人々の意識」の変化だということ。

I.T.化で言えば、人々がインターネットという存在を「意識しない」ようにならなければ、つまり、「Buzz Word(注目の言葉)」のうちは、人々の生活には「浸透しない」ということである。

今回の「金融資本主義の崩壊」も、それがどのような社会構造の変化をもたらすのかは、僕にはよく分からないが、確実に言えることは、何らかの形で「人々の意識」を変えるということだ。

素人の僕の考えだが、おそらく、「リスク」「安定」「経済成長」「雇用・職業」といったものに対する人々の意識が変わっていくように思う。また、それは、先進国と発展途上国とでは、大きく異なるだろう。

平たく言えば、これから「人口が増えていく国」と「減っていく国」とでは、「未来」というものに対する「概念(意味)」が異なるということだ。

経済的なことで言えば、日本社会では広告宣伝費(マスコミ4媒体)が大きく減少するだろうし、違う見方をすれば、各業界トップシェアの企業は、マーケティングコストを大きく削減することができると思う。

何故なら、シュリンク(縮小)するマーケットでは、下位のプレーヤーは撤退を余儀なくされ、極論をすれば、トッププレーヤーは「現状維持」さえしていれば、自然とシェアが向上するからである。

しかし、それでは、次世代を創る「イノベーション」は生まれないのは間違いない。

問題は、どこに「フロンティア(開拓原野)」を求めるか?だろう。

さて、話しが脱線してしまったが、世の中の構造が大きく変わる時、それに呼応して「人々の意識」がどう変わるか?そして、その後、どのような「景観(社会)」が現れるのか? そのことを、田坂さんはいつも、ご自身の著作で示唆されている。

僕が心配する必要はまったく無いが、田坂さんの講演会の盛況をお祈りしたい。

唯一心配なのは、お天気である(笑)。どうか、晴天に恵まれますように。

「刑務所」も金融商品になる。

マネックスの松本さんがご自身のブログで「ここ1ヶ月で世界の景色が変わった」と書いているが、金融業界にいる方にとっては「天変地異」が起こったとでもいうような、とても大きな地殻変動だったのだろう。

僕は今まで、商社、市場調査、コンサルティング、広告代理店、ネットベンチャー、ベンチャー投資といった世界に関わって生きてきたが、例えば、「丸紅」は救済されて「三井物産」は潰されたとか、「東急エージェンシー」は救済されて「読売広告」は潰されたとか、また、ビジネスとしてはあまり関わったことがないが、「東急百貨店」は救済されて「高島屋」は潰されたとか、ということが起きたら、さすがに日本社会は混乱するだろう。

そういう「ルールが分からない」という事態が、人々をパニック状態にさせ、「投げ売り=信用収縮」を引き起こしたのだと思う。

余談だが、「アナロジー(比喩)」は、物事を理解するのに有効である。

さて、これは、ある方から聞いた話しだが、「経済合理性」を「金科玉条」とする米国社会では「キャッシュフロー」を生んでいるものであれば、何でも「金融商品」になるそうだ。

今日のエントリーのタイトルに書いたとおり、「刑務所」も「不動産REIT」になるのである。

そして、これは、極めて「手堅い」投資案件と言える。そう、犯罪は減らないし、政府は「予算」を削ることがない(削れない)からだ。

また、「レバレッジ」という概念とその機能も、大きな役割を果たしている。投資銀行は、そのお陰で「大きな利益」を産んできたわけである。

仮に、100億円の自己資金があり、それを元手に300億円の「借金(担保価値)」をし、ある刑務所を購入するとする。尚かつ、世界的な「カネ余り」で「低金利」の現在、金利2%で300億円を調達したとする。

仮に、刑務所という「金融商品」が年間「10%」の利回りで回るとすると、400億に対して「40億円」の利益を産む計算になる。しかし、自己資金は「100億」なので、表面的には「40%」の利回りとなる。金利を差し引いても「34%」で回ることになる。

これが「投資銀行」の利益の源泉だったわけである。

しかし、それは「時価会計」の元、元本が割れない、つまり、安定しているという「前提条件」の元でのロジック(論理)である。そう、ロジックというのは絶対的な正しさではなく、ある「前提条件」のもとでの話なのである。

これも余談だが、ロジカル・シンキングが出来ればビジネスが出来る、と考えるのは、早計である。むしろ、これからは「FEEL(感受性)」の時代。MBAに加えて、「MFA(Master of Fine Arts)」的能力が必要である。

話しを元に戻すと、「元本(担保)価値」が割れない(目減りしない)ということが、「サブプライム・ローン」の前提条件だったわけである。

つまり、家賃並みの「金利」だけ払ってくれれば、元本は返済しなくてもいいよ、というのがサブプライム・ローンの正体であり、それを「金融商品」として売っていたわけなので、返済が滞り始めて、元本価値が割れれば、高利回りの「前提条件」が崩れるし、バランスシート(資産価値)が痛む、というわけである。

米国では、過去18年間、不動産の「値上がり」が続いてきたらしい。

そのトレンドを活かし、サブプライム・ローンで住宅を「買った」人達が、数年後には、価格が上昇した「住宅」を売って、さらに高額な住宅に住み替えるということで、転売によって市場が機能していたわけだ。完全な「不動産・金融バブル」である。

尚かつ、抵当に取っている住宅の価格が上がり、いわゆる「含み益」が発生した場合、その「含み益」を担保に「ローン」を貸し出していたらしい。「レバレッジ、ここ極まれり」である。

そういうのを「砂上の楼閣」というのだろう。

しかし、である。

マネックスの松本さんが言うとおり、自動車ローンも含めて、すべては「信用経済」であり、それ自体が「レバレッジ」効果である。

それが機能しなくなれば、景気が悪化するのは「自明の理」でもある。何事も「ゼロ100」ではなく、「程度問題」ということだ。

今年は、たしかに、世の中の「景色が変わった」と思う。では、世界は今後、どのような景観になるだろう。

一時的にはトンネルに入るかもしれないが、その「トンネル」を抜けた時には、新しいパラダイムが拓けていると思う。

僕は、その「未来」に期待している。

そして、その未来の一翼を担う人間になりたいと思っている。

★ラフォーレ原宿

先日、タクシーの中でたまたま耳にした曲(CD)を買おうと思い、ラフォーレ原宿に寄った。

地下に「HMV」があったはずだと思い行ってみると、フロアの一角に、いかにも原宿らしいヘビメタちっくなCDを売っている店があるだけで、HMVは跡形も無く消えていた。

いつ、HMVが無くなったのかは知らないが、原宿のデモグラフィクス(属性)が変わったことと、iTunes等の出現で、CD需要が減ったことが撤退の理由だろう。

昨夜の六本木もそうだが、常に世の中は変化している。人もお店も街全体も・・・。

ロシアとの仕事。

自分の「直感」を信じて、無理矢理、スケジュールを調整し、今年のGWにロシアに行ってきたのは、このブログに書いたとおりだが、実は今、ロシアとの仕事をしている。

僕がロシアに行ったという話しが色々なところに伝わっているらしく、時々、問い合わせがあったりする。

やはり、行動することで得るものがある、ということだろう。

しかし、ロシアという国は、日本の常識はまったく通じない国で、実際の「仕事」に着手する前に、様々な「仕事」が待ち構えている。

ロシアに行ったことのある僕にはある程度はイメージできるが、現地に行ったことのない人には理解できないことが多々発生する。

日本の常識は、ロシアの非常識であることを実感する。

因みに、「住宅ローン」という仕組みが出来たのが、つい「2年前」の国である。

そう考えてみれば、当然のこととも言える。

リスクマネジメントの大切さを再認識させられている。よい勉強である。

久しぶりの「六本木」。

今日は夕方、六本木でアポがあり、千代田線の乃木坂駅から、東京タワーに向かってロアビルの先あたりまで歩いた。

六本木ヒルズが開業し、次いで、東京ミッドタウンがオープンしたことにより、それまでは「夜」の街だった六本木に「昼」の顔が出来たが、やはり、六本木は夜の街の色彩が濃い。

しかし、久しぶりに歩いてみると、その夜の街「六本木」も、昨今の金融危機の影響か、外国人の姿がめっきり減っていた。同様に、客引きの数も疎らだった。

世の中は常に動いているというこを感じた15分だった。

ホストカード。

ちょうど昨年の今頃だったと思うが、ドリームビジョンの「ポストカード」を製作した。インタースコープの頃から作りたかったものである。

初めてお会いした方や久しぶりにお会いした方などに、そのポストカードにメッセージを書いてお送りしている。

I.T.化された今日だからこそ、肉筆のハガキには意味があるように思う。

名刺を見ながら、その人との出会いの場面を思い出し、一通ずつ、ハガキを書く。

今朝は整形外科(半月板を痛めてしまったようだ)に立ち寄り、その後のアポまで中途半端な時間があったので、近くのドトールコーヒーに入り、ハガキを書いていた。

一通一通、ハガキを書くことは、心を静める効果もあるような気がする。

子供にはそれぞれ「個性」がある。

東京はそこそこの晴天に恵まれた3連休。ブログを更新することもなく、10月の青空を楽しんだ。

初日は、保育園の運動会。毎年、近所の小学校の体育館を借りて行っているが、今年は我が子も泣くこともなく、元気で様々な種目をこなしていた。親子で行った郵便配達のお遊戯(ハガキと同じ色のポストに投函する)では、わざと違う色のポストにハガキを入れようとして、周囲の笑いを誘っていた。

二日目は、「ビール坂」と呼ばれるサッポロビール本社(恵比寿)近くの坂道で、「恵比寿となりのサンマ祭り」なる、2,000匹のさんまを無料でふるまうお祭りがあった。同じ保育園の友達親子と一緒に、秋のさんまとビールを堪能した。たまたま、近所に住む友達夫婦が通りかかり、久しぶりに会話を楽しんだ。

連休最後の日は、「祖師谷公園」で弟夫婦の家族と待ち合わせて、15時過ぎまで子どもたちを遊ばせた。我が子は従兄弟と遊ぶのもそこそこに、数週間前の新宿御苑で覚えた「シャボン玉」に夢中になっていた。

運動会の時も昨日も思ったが、子供にはそれぞれ「個性」がある。

偏差値教育ではなく、ひとりひとり、その子の「個性に合った教育」をしてあげることが大切である。