自分が登るべき山を登る。

先程まで、今年1月から始めた「市場創造・事業開発」をテーマとした無料講座(はやい話がメルマガ)の原稿を書いていた。

ちょっと休憩がてら、当社のウェブサイトを見て、久しぶりにマネックスの松本さんとの対談形式のログを斜め読みした。

今にして思うと、僕のような人間のために、超多忙な松本さんが、よく、時間を割いて、当社が主催するイベントに来てくれたと思う。改めて、感謝をしなければ・・・。

ところで、松本さんの話を読み返していて、やはり、「自分が登るべき山を登る」ことが大切だということを感じた。

せっかく多忙な中、時間を割いて来てくれた松本さんの恩に報いるためにも、僕が登るべき山を登って行こう。

出来ることから愚直にコツコツと。

オプトは、電通の軍門に下ったのか?

僕は、そうは思わない。

昨日(3/18)の日本経済新聞の15面。

「生き残れるか ネット広告仲介(上)」と題する記事に、「(オプトが)広告最大手の電通の軍門に下った理由は広告主の反応にある」という表現があった。

この記事を書いた記者の方の意図することは何のか?その方の言う「軍門に下る」の定義は何なのか?

オプトが電通の「持分法適用会社」になったというのは事実であるが、そのことイコール電通の「軍門に下る」ということなのか?

いつだったか、カブドットコム証券が「三菱東京UFJ銀行(25.96%)」と「三菱UFJ証券(10.57%)」と資本提携した時は、僕の記憶が正しければ、「三菱東京UFJグループ」の「軍門に下った」とは報じていない。

むしろ、三菱東京UFJグループとして、個人株主を取り込むために、カブドットコム証券と「資本提携をした」と報じている。

つまり、グループの証券会社(三菱UFJ証券)のリソースだけでは、需要が伸びているオンライン証券には対応できない、という観点に立ち、記事を書いている。

さて、話しをオプトと電通の「資本提携」に戻すと、その記事の中には、こんな記載がある。

「(ネット広告の)市場拡大のスピードに電通でも体制整備が追い付かず『ネット広告の提案さえできていないケースもまだ多い(松下常務)』のが実情。オプトから出向するネット市場に精通した50人の営業部隊は『大戦力』(同)だ」。

これは、単独では個人投資家を取り込めないメガバンクグループが、オンライン証券と資本提携した理由と同じではないか?

それにも関わらず、なぜ、オプトの場合は「軍門に下る」となるのか?

新聞というメディアは「ジャーナリズムの筆頭」のはずである。であれば、「軍門に下る」などという「文学的」表現を使う必要はなく、事実を事実として「資本提携」をした、あるいは「持分法適用」会社になったと書けば済む話しである。

明らかに、ここに何らかの「恣意性」があるとしか思えない。

日本経済新聞は「金融」や「株式市場」に関する「業界紙」であり、ネット広告は「新聞広告」を脅かす存在であり、自社の「広告枠」を販売してもらっているのは電通を筆頭とする既存の広告代理店である、という利益構造が、カブドットコム証券とオプトに関する記事の違いなのではないか?と思ってしまうのは、僕だけだろうか?

今日は、たまたま、ベンチャー関連の人たちとのブレックファストMTGと夜のイベントがあったが、僕だけでなく、僕が直接、言葉を交わした人たちは、ひとりの例外もなく、僕と同様な見解を持っていた。

本当は昨晩、このエントリーを書こうと思ったのだが、僕はオプトのハチ(鉢嶺氏)とは15~16年の付き合いであり、多分に個人的感情が入ってると思ったので、一晩寝て、クールダウンしてから書くべきだと思い、こうして今、書いている。

もうひと言、付け加えるならば、オプトの記事に使われている写真に移っているハチの表情は、仏頂面だ。まさしく、記事の内容とぴったりの表情である。つまり、敢えて、あの記事の「文調」に合う写真を選んだのではないか?と思ってしまう。

何故なら、記者会見では、それこそ腐るほどたくさんの写真を撮っているはずであり、記事に使われた写真以外にも写真はあるはずだからだ。

ホンダもSONYも、昔はベンチャー企業である。

次なる産業を育成(応援)して欲しいとまでは言わないが、わざわざ「文学的」な表現を使ってまで、ベンチャー企業に対するネガティブなトーンの記事を書かなくてもよいのではないか?

事実を事実として伝えるのではなく、新聞社としての「考え」を伝えるのであれば、「社説」で書くべきではないか?

僕はそう思う。

彼女が、そこまでして働く理由。

僕の妻の話で恐縮だが、彼女は今月で大学院を卒業し、4月から働くことになっている。少し前まで、いわゆる「就職活動」をしていた。

「就職活動」とは言っても、彼女の場合、月金(フルタイム)で「企業」で働くわけではなく、「臨床心理士(厳密には、今秋の試験に合格することが前提)」として、何箇所かの施設での仕事を掛け持ちするわけで、その「パートタイム」の仕事を探していた。

昨今の社会事情を反映してか、臨床心理の学部なり大学院は、とても競争率が高い。

しかし、その狭き門をくぐり抜け、臨床心理士の資格を取っても、何箇所かの仕事を掛け持ち、フルフルに働いたとしても、年収にして、せいぜい、240~300万円を稼ぐのがやっとである。

男性であれば、それで家族を養うことはできない。

医者(病院)の場合、健康保険という「財源」があるが、臨床心理士は、日本ではまだまだ「社会的評価が低く」、職業として認知されていないと言っていい。

尚且つ、鬱病や人格障害等で悩む患者さんのケア(カウンセリング)は、相手との信頼関係が何よりも大切であり、心を開いてもらう必要があるため、自分の都合(子供のことも含めて)でカウンセリングをキャンセルすることは出来ない。

そんなことで、子供を保育園に預け、具合が悪くなった時は、病時保育に預けて仕事をするわけだが、保育園に支払う費用を差し引くと、いったい何のため?という金額しか手元に残らない。

それでも、彼女は働くことを選択する。

人間は「経済合理性」だけで意思決定をするわけではない、ということだろう。

彼女は、一児の「母親」であり、ひとりの「女性」でもあり、自分のキャリアを大切にする「職業人」でもあるわけだ。

彼女の「生き方」を傍で見ていると、自分の生き方をも考えさせられる。

因みに、僕の母親(産みの母)は、フルタイムで働いていたこともあり、僕にとっては、女性が出産後も働くことは「常識」だった。

そんな女性が増えることを期待したい。そして、そのことに、何らかのかたちで貢献できればと考えている。

ビットバレーも子育て中。

今日は、病児保育をしてくれる渋谷区の児童館を見学に行った。

今月で妻が大学院を卒業し、4月から臨床心理士(資格取得予定者)として働くので、子供の具合が悪くなった場合に預ける場所を確保しておく必要がある。今日は、そのための下見だった。

そこで、何とマーケティングジャンクションの千田さんとアイスタイルで働く勝並さんに会った。ふたりとも、ネットベンチャーで働きつつ、子育て中である。

また、僕らの子供が通っている保育園で一緒の人たちにも会い、子育てのコミュニティのようなものの存在を感じた。

仕事での人間関係だけでなく、子育てを中心とした人間関係が築かれて行く。

人生の深まりを実感する。

NHKと子育てが大変な「もうひとつの理由」。

初めてのベトナム訪問から3週間。久しぶりに「凝縮」された時間を過ごしている。インタースコープ立ち上げの頃を思い出す。

あの頃、ウェブクルー創業メンバーの畔柳さんが、成長しているベンチャー企業&その経営者は「4倍速」で仕事をしている、と言っていたが、今の僕はそういうことではない。

インタースコープの頃は、ひとつのことに「どっぷり」という感じで、ある意味「ゴール」が明確であり、それに向かって遮二無二頑張ればよかったが(実際、遮二無二頑張れた)、今は、僕らはどこを目指すのか?そのこと(ゴール)を考えながら走っており、また、僕個人に関しては、仕事以外にやることがたくさんある(その殆どは、子育てと家事である)。これには、かなりタフな精神力が要求される。

ところで昨日は、保育園の遠足で、渋谷にあるNHKのスタジオパークに行った。僕にとっても初めての経験である。

そのスタジオパーク見学の最後は、朝のNHK教育テレビの番組「いないいない、ばー」のキャラクターである「ワンワン(犬の着ぐるみ)」と子供たちが記念写真を撮り、一緒に遊ぶというものだった。

「ワンワン」と写真に納まる子供たちの表情を眺めながら、競争や失敗のリスクと向き合い、時間と戦いながら大きなストレスの中で生きているキャリアウーマンの母親が、社会の苦労や無情を何も知らない子供たちと感情を「共有」しながら生きて行くというのは、それこそ、大きなストレスを生むのではないか?と思った。

ベンチャー企業の立ち上げという、ある意味、リスクの塊のような状況にあり、尚かつ、これが勝ちパターンという明確なモデルやゴールが設定できていない僕にとって、純真無垢な子供たちと接することは、とても良い「気持ちの切り替え」になる反面、ふっとした時に、その「切り替え」が難しくなり、かえって、ストレスを増幅させることがある。

そんなこともあり、世の中の「キャリアウーマン」と呼ばれている女性が「子育てとキャリアの両立」に悩むことがあるとすれば、その時間的な成約(体力の問題も大きい)のみならず、「精神面の負担が大きい」のではないか?と思った。

また、自分のキャリアを大切にする母親たち(そんな次元ではなく、生活のためという女性も多いと思う)のために存在する保育園で働く「保育士」という職業は、これまた、過酷な職業である。

誤解のないように補足説明をすると、地方公務員として「認可保育園」で働いている「保育士」の方と、僕らの子供が通っている「認証保育園(私立)」や無認可の保育園で働いている「保育士」の方とでは、同じ「職業」でありながら、その「経済的待遇」があまりにも違うと思う。「思う」と書いたのは、彼女たちの年収を調べたわけではないからだ。

因みに、僕の末弟夫妻の子供は「認可保育園」に通っているが、なんと、「おむつ1枚1枚」に「名前」を書き、その上で、使用済みのおむつを持って帰らなければならない。また、そもそも仕事があって子供の面倒を看ることができない(あるいは難しい)ので保育園に預けているのに、閉園が「18:00」だったりする。延長保育をしても「19:00」が限界である。

保育園に子供を預ける母親たちは「公務員」のように17時や18時で帰れる人たちではないのに・・・である(ひと言で「公務員」と言っても、霞ヶ関で働くキャリア官僚のようなハードワーカーもいる。念の為)。

話しを元に戻すと、地方公務員として「保育士」をしている方と「民間企業?」の従業員として「保育士」をしている方とでは、その仕事に対する報酬が大きく異なるということだ。

尚かつ、僕らの子供が通っている保育園のように、子供の教育に熱心(英語のレッスンまである)な保育園で働く保育士の方々は、その労働はとても過酷である。その証拠に、今月も数人の保育士の方が退職される。とても残念だ(私服の彼女たちは、どこにでもいる普通の若い女性たちだ。今日は皆、とてもオシャレな服を着ていた)。

話しは変わるが、伊藤忠商事会長の丹羽さんが、週間ダイヤモンド(3/8)で「強者(大企業)は弱者の気持ちが分からない。大企業にとっての100万円と中小企業にとっての100万円では全く意味が異なる。だから、100万円(ぐらい、いいだろう)値引きしろとなる。大企業は中小企業にもっとお金を払うべきである。僅か1割の大企業(強者)の従業員を、より裕福にしても意味が無い」と語っていたが、それに通ずることがあるように思う。

僕自身、社会的「強者」になりたいし、より多くのお金が欲しい。何故なら、お金はかなりのことを実現してくれる。

しかし、「金持ち」を「より金持ちにする」仕事には、あまり興味はない。

保険スクエアbang !(自動車保険の見積もり比較サイト)」は、保険会社主導の自動車保険の流通を、消費者(契約者)主導へとパラダイムをシフトさせようというのが僕らのモチベーションだったし、「インタースコープ(現ヤフーバリューインサイト)」は、極めて労働集約的であり、技術革新がなく、資本によるレバレッジが効いていなかった「市場調査」という業界を変革する!!ことがモチベーションだった。

僕が今まで「おもしろい!!!」と思ったことは、利益が出ることは前提(そうでなければ続けられないし、やる意味がない)として、常に、既存の秩序を壊すことであり、そのことが「より良い社会」の実現に繋がることだったと確信している。

ドリームビジョンでは「3度目の正直」として、事業の内容だけでなく、その「経営のあり方」においても、一切の妥協を許さず、僕の理想を実現させていきたいと思っている。

辻さんの「愚直に積め!!」を実践して。

追伸:先週は、妻が発熱し(子供のウイルスが移った)、僕が保育園への送迎をすることになり、精神的にも肉体的にもハードな一週間だった。でも、そのお陰で、ここ数日は、僕が子供と一緒に寝ている。今までは、母親じゃないと嫌がった子供が、成長したということでもある。彼は紛れもなく、僕ら夫婦の「宝物」である。

預金残高「2万円」。

個人の預金残高ではない。会社の預金残高である。

ウェブクルーの経営が軌道に乗った頃、当時まだ株主だった僕は、ある用件があり、渡辺さんを訪ねて社長室にお邪魔したことがある。

「あの頃のことを忘れないように、自分に対する戒めとして、当時の預金通帳のコピーを机の前に貼っているんですよ(笑)」。

そう言って、ウェブクルーを創業する前に経営していた会社の銀行口座の残高が、「2万円」になってしまった時のことを話してくれた。

インフォプラント創業者の大谷さんは、2000年1月、VCからの資金が払い込まれる直前、会社の預金残高が「20万円」だったという。

ふたりとも今では大金持ちだが、そういう辛酸をなめて今日に至っている。

僕は、会社の預金残高は覚えていないが、1ヶ月後に「400万円」の支払いが待っているのに、そのお金がない(売掛金もない)ということがあった。

奇跡的に仕事を取り、見積もりの半分を前金でもらい、仕事が終って1週間後に残金を支払ってもらう、それも新規のお客さんに、という離れ業?をやって凌いだことがあった。

バーディパットを狙いに行くということは、返しのパットも外し、3パットのボギーを覚悟する必要があるということだ。

アマチュアのゴルフなら生活には影響は無いが、リスクを取って起業した会社となると、下手を打てば、その下手の大きさに応じて、ツケを払わせられる。

それは、生半可なものではない。「少年ハート」では起業はできない。

それだけ大変なことにも係らず、僕は何故、こうして起業を続けるのだろう?

何だかんだ言って、「好き」だという以外に理由は見つけられない。

でも、マジメな話し、もう、これで最後にしたい。

「起業」も「子育て」も、若いうちに限る。

どちらも、体力と気力の勝負である。

nifty ビジネス

1999年2月。当時の日経マルチメディア主催の「ECグランプリ」なるコンテストがあり、そこで「保険スクエアbang!」が部門賞を頂戴した。

その事業をMBOし、後に、ウェブクルーを設立した渡辺さんと一緒に、幕張メッセで行われた授賞式に出席した。

今にして思うと、あれが僕のネットベンチャー人生のKick-off だったように思う。

ところで、その「ECグランプリ」企画者の森田さんという方と、偶然にもお会いした。世の中、不思議な縁があるものだ。

その森田さんは現在、nifty で事業開発の仕事をされており、その森田さんが絡んでいる、とてもおもしろいセミナーがある。

「メディアからの解放」~次世代型映像ビジネス考~と題するセミナーで、しゃらんQの「はたけ氏」や、ビデオジャーナリストの神田敏昌氏など、注目の面々が登壇される。

今日の明日で申し訳ないが、興味のある方は是非、行ってみていただければと思う。