「村上龍」の言葉。

「24時間 仕事バカ!」というタグラインの「GOETHE(ゲーテ)」という高級?ビジネス誌をご存知だろうか?

いわゆる富裕層向け雑誌と言ってもいいその雑誌のプロモーション媒体(折り込みチラシの豪華版)に、各界の著名人の「言行録」が紹介されていた。

その中で、最も僕の心に突き刺さったのは、作家の「村上龍」氏の「言葉」だった。

「真の達成感や充実感は、多大なコストとリスクと危機感を伴った作業の中にあり、常に失意や絶望と隣り合わせに存在している。つまり、それらはわたしたちの『仕事』の中にしかない」。

ところで、先日、法政大学キャリアデザイン学部の2年生の宮崎さんという学生から、当社のウェブサイト経由で、僕宛にメールが届いた。

法政のキャリアデザイン学部は、数年前に新設された学部であり歴史はないが、今の時代を物語るのか、学生の人気が高く、法政の中では最も偏差値が高い学部だと聞いている。

僕にコンタクトをしてきた宮崎さんは現在2年生で、「起業家」を通じて「キャリアデザイン」を研究しようとしているらしい。先日、同じ学部の伊藤さんという女性と一緒に、僕にインタビューに来られた。

事前に何度かやりとりをしていたので当日の質問のテーマや進行は理解していたが、大学2年生で尚且つインタビューは初めてという宮崎さんの、インタビューの上手さに感心した。特に、テキパキとしているというわけではないが、質問に対する僕の話の内容を踏まえた上で、質問の順番を臨機応変に変更するなど、話の「本質」を理解しているからこそできることであり、彼の「コミュニケーション能力」の高さに驚いた。

以前にも何人かの学生からインタビューを受けてきたが、その中でも、彼は抜群に優秀である。将来が楽しみな人材である。

ところで、その宮崎さんと伊藤さんから、それぞれお礼のメールをいただいた。

どちらかというのは敢えて書かないが、ふたりから頂いたお礼のメールに、とても嬉しいことが書いてあった。

「26日を迎え平石様にお会いするまで、大きな緊張と不安を感じておりました。しかし、実際にお話を伺っているなかで、平石様の熱い想いや生き方を直接知るにつれ、その不安はなにか『勇気』のようなものに変わっていました」。

企業理念に、広く社会に「勇気と自信と感動」をもたらす事業=新しい社会的価値を創造すると謳っている僕にとって、上記の一文は、僕に「大きな勇気」を与えてくれた。

たったふたりの学生に対する影響力でしかないかもしれないし、それが「お金」に変わるものではないかもしれないが、僕がやろうとしていることは間違いなく価値があると信じることができ、多大なコストを払い、リスクと危機感を抱きつつ毎日を生きている僕にとって、彼らのメールは大きな励ましとなった。

ところで、法政のキャリアデザイン学部の小門教授とは、僕がEOY(Entrepreneur of the Year)2002のセミファイナリストにノミネートいただいた時、その審査員を務められていたことにより知り合った。世の中、どこで何がどう繋がるか、分からないものである。

尚且つ、マクロミルの創業者である杉本さんが、1年ほど前から、キャリアデザイン学部で教鞭を取っている。

何かの因縁を感じる。