エン・ジャパン越智社長の話し。

今日は東京の初雪。我が子にとっては、文字どおり、初雪。

朝、保育園に行く前、大騒ぎだった。

ところで、今日は「初雪」がちらつく寒さの中、普段は滅多に行かない新宿西口にあるエン・ジャパン本社で開催された越智社長の講演を聴きに行った。

越智社長とは、僕がインタースコープを経営していた頃、一度だけ、ダイヤモンド経営者倶楽部が主催する会合でご挨拶をさせていただいたことがある。若輩者の僕の言葉に耳を傾けて下さり、インタースコープの事業内容を理解されようとしていた、その紳士な姿勢を今も覚えている。

さて、その越智社長の話しは、とてもシリアスな内容だった。

ここに来て、サブプラム問題が実態経済にも波及したことにより世界同時株安の様相を呈しているが、ここ数年の好景気による企業の人材採用意欲の高まりにより、エン・ジャパンの業績は、7年間に渡り、増収増益を続けているらしい。

エン・ジャパンの売上の「9割」は「求人広告」である。

具体的には、転職サイト、派遣社員サイト、アルバイト求人サイト、新卒向けサイト等の運営による売上だ。

しかし、今日の越智社長の講演のテーマは、同社の売上の「1割」に過ぎない「人材紹介」関連売上に関するものだった。

一言で言えば、越智社長の話しは、「倫理観」を欠いた人材紹介大手企業および某新興ヘッドハンティング会社(越智社長は、同社を「ボトムハンティング」と呼んでいた)の営業手法に関する批判と、そのことが「人材紹介」業界全体に与える悪影響に関する警鐘だった。

ご本人によれば、朝日新聞社の「アエラ」でも同様な批判をしたらしいし、業界大手の経営者にも苦言を呈しているらしいので、このブログで社名を出してもいいのかもしれないが、上場企業であるエン・ジャパンとその経営者である越智さんにご迷惑がかかってはいけないので、それは止めておこう。

ご関心がある方は是非、asahi.comの「あおられ転職? 人材ビジネス盛んだけれど」という記事を読んでみて欲しい。

話しは変わるが、僕はインタースコープを経営している頃、インターネットリサーチ研究会という業界団体のような組織を運営していた。最盛期には、100社近い企業が参加してくれていた。

その頃、シンポジウムやセミナーや取材等で僕がいつも言っていたことは、「リサーチ業界とリサーチャーの社会的ステイタス(評価)を向上させたい」ということだった。

今日の越智社長は「このままでは『人材紹介』という業界の評価が損なわれる。この業界の『社会的評価』を上げていきたい」と再三、訴えていた。

ところで、僕は元来、人の話をすぐに信じるし、疑ってかかるということを知らなかった。

それは何故かというと、僕自身が常に「本音」しか言わない人間なので、世の中の人もそうなのだろうと勝手に思っていたからである。

しかし、40才も超えて初めて僕は、どうやら、そうではないということに気づき、最近は「この人の本音は何なのかな?」と考えるようになった。

僕があまり好きではないというか嫌いなMBAチックな表現を借りれば、「Critical Thinking(疑ってかかる)」ということが、幸か不幸か、そういう能力が多少は身に付いてしまったということなのだろう。

今日の越智社長の話しを聴きながら、彼の「狙い」はどこにあるのだろうか?と考えていた。

でも、僕の結論は、彼は「本心」で言っているのだろうということだ。というか、事の真意はどうでもよく、僕はそう思うことにした。その方が何より僕自身が幸せである。

さてさて、またまた、話しは変わるが、本当は、今日のエントリーは「子供を持つ女性の職業選択」というテーマにしようと思っていた。

それは、明日に持ち越しとしよう。