「社長大学」。

昨夜は、パソナの南部さんが発起人のひとりである「QM(Quality Management)義塾社長大学」という経営者を対象とした勉強会に参加させていただいた。

今回は第13回目で、パソナが表参道に開設された「倶楽部PASONA表参道」で開催された。弊社のオフィスから、徒歩2分である。

昨日の講師は、サンリオの辻社長だった。とてもおもしろく、示唆に富んだ話しであり、尚かつ、僕たち受講生の心を、とても温かくして下さる内容だった。

最も考えさせられたのは、企業は「売上・利益至上主義ではいけない」ということ。

また、現実的な話しでは、サラリーマン社長にはそういうことは言い難いだろうというくだりが印象に残った。

辻社長の話しを聴いていて、昨秋の宮崎でのNILSで、グロービスの堀さんがモデレーターになり、元SONYの出井さんとGMOの熊谷さんをパネラーに迎えて、経営なりCEOなりに関するディスカッションがあったが、出井さんが、堀さんと熊谷さんの立場を引き合いに出し、堀さん(グロービスは未公開)の方が思い切った経営がしやすいだろうという趣旨のコメントをしていたことを思い出した。時価総額何兆円というSONYのCEOとして株式市場と向き合ってきた方の言葉には、重みがあった。

因みに、サンリオは東証一部に上場しており、辻社長は、なんと「80才」。社長業歴40年。今尚、エネルギーの塊である。

実は、僕はサンリオは未公開のオーナー企業だと思っていたので、昨日の辻社長の話しを聴いて、尚のこと、びっくりした。

ところで、サンリオでは最近、コンサルティング会社にある仕事を頼んだらしい。

そこで出された答えは「経営の合理化」を進めた方がよい(そうすれば、もっと利益は上がる)ということだったらしい。特に、店舗の人員が多いと。一店舗あたり、6人の店員さんがいるという。

因みに、売上は「約1,000億円」で利益(税引き前)は「60~80億円」ぐらいだと仰っていた。確かに合理化すれば、もっと利益が出るだろう。(Yahoo! Finance でチェックしたら、2007年3月期(連結)は、売上:967億円、経常利益:56億円、時価総額:1,290億円(昨日現在)だった。)

それに対して辻社長が仰ったことは、「店舗人員の合理化を行ったら、サンリオの良さ(サービスの質が高い)が無くなり、顧客満足は保てないし、社員がギスギスする。もちろん、企業は赤字ではいけないが、社員の人達が楽しく活き活きと働けないといけない。適性利益というものがある」ということだそうだ。その方が、中長期的には利益が上がるということだろう。

サンリオは一部上場企業ではあるが、オーナー社長だから言えることだと思う。

ドリームビジョンの経営をして行くに際して、とても勉強になるというか、考えさせられる話しだった。

ところで、昨日の勉強会には、知り合いのベンチャー企業の経営者がたくさん出席されていた。

順不同で、パソナテック森本さん、IMJ樫野さん、ビットアイル寺田さん、ネットプライス佐藤さん、ウルシステムズ漆原さん、アイスタイル吉松さん等。その他にも何人かの知り合いがいた。

ある方とはビジネスの話しをし、ある方とはゴルフの話しをし、とても有意義な時間だった。

因みに、ネットプライスの佐藤さんとは、たまたま隣の席だったが、一生懸命にメモを取られている姿が印象的だった。

こういう会にお招き頂けるということ自体、インタースコープを創業する前は考えられないことだった。僕が持って生まれた「運」に感謝したい。

そして、こういう機会で学んだことを、ドリームビジョンの経営に活かさないと!!!

追伸:僕らの子供は男の子だが、辻社長の話しを聴いて、サンリオの商品を買いに行こうかと思った。やはり、経営者の「人柄」は、売上/利益に繋がっていると思う。