Tokyo Girls Collection (カワイイ★ウォーズ)

日曜日のNHKで、「カワイイ★ウォーズ」と題して、ファッション業界の変化をテーマにした番組が放映されていた。

今までのファッション業界は、日本においてもモードと呼ばれるアーティスティック且つ哲学的要素をも取り込んだ著名なデザイナーのコレクションが頂点に立っていたが、ここ数年、急速にモードな世界が影響力を失っており、それに替わって「カワイイ」をキーワードにした「旬」が極めて短い「リアル・クローズ(一般的な服)」が影響力を持つようになっていることを紹介していた。

僕は、この番組を見ていて、僕が今年の3月まで本拠地としていた「インターネットリサーチ」のことを思い出した。

リサーチ業界は今まで、統計理論に則った「重厚長大」な調査手法が主流だったが、インターネットというインフラが社会のスタンダードになるに連れて、急速に「インターネットリサーチ」が大きな影響力とシェアを持つようになった流れに、ある意味で似ていると思った。

話しをファッション業界に戻すと、大浜さんという方が経営する「ゼイヴェル」という会社が「Tokyo Girls Collection」というファッションショーを運営している。

そして、その大浜さんに会いたいと言って、イッセイミヤケの社長から連絡してくるほど、「Tokyo Girls Collection」は既に影響力を持つに至っている。

ファインアートの世界であれば、芸術家の思想に基づき表現をし、それが結果的に受け入れられれば良いということかもしれないが、コマーシャルアートの世界では、文字どおり「コマーシャルベース(商業)」にのらない限りは認められないのである。

僕は、消費生活だけでは満足がいかず、常に何かを「創造」していたい人間であり、Tokyo Girls Collection のようなものに対しては「消費」的なものしか感じられず受け入れ難いものがあるが、昨日のNHKの番組をみて、そういう考え方ではいけないのだろうか?と考えさせられた。

時代は常に変化し続けているのである。

そんな中で、自分の価値観を貫きながら、商業的にも成功したいということは、極めてチャレンジングなことだということを改めて感じた時間だった。

でも、僕はそのことに挑み続けたい。

追伸:ゼイヴェルの大浜さんとは、早稲田大学のMBAに呼ばれてパネルディスカッションに行った際に、ご一緒させて頂いたことがある。楽しんで仕事をしていることが、彼の表情と発言から、とてもリアルに伝わってきたことを覚えている。