第10回 江原 理恵氏 vol.2 (2)

第10回 江原 理恵氏 vol.2 (2)

フラワービジネスを立ち上げる。

「証券会社時代のお客様にアドバイスを頂いた頃から、お花に決めていました。21Ladyの時に、収益モデルはどうするとか、色々と考え始めていました。今やっている、平石さんにも取り入れていただいているコーポレートフラワー(贈り主の会社のロゴやイメージをあしらったデザインを施したフラワーギフト)は、21Ladyの横にグロービスが引っ越してきた時、1階の間口がすごく広かったのですけど、そこにずらっと並ぶ胡蝶蘭を見て、これはすごく変だな(贈り主の個性が反映されていない)と思って考えたものです」。

彼女が、21レディ時代に学んだこととして、「マーケットはあるが、何年もその業界に革新が起きておらず」、また、「超大手がいない業界」はやりようがある、ということがあった。

その点、初期投資が少なくて済み、マーケットの中で凄く大きなところがないことが、自分で手掛けるビジネスとして、彼女が「お花」を選んだ理由だった。

江原さんはウィルキャピタルで働いていた頃から、週末は知り合いのお花屋さんに行って現場を見せてもらったり、手伝ったりしていて、少しずつ、準備を始めていた。

写真:江原 理恵 氏

江原さんが立ち上げたアールイーの店舗。
写真はエントランスを入ったところ。

しかし、実際に始めてみると、現実の厳しさを身体で知ったという。

「全然ダメですよ、本当に(笑)。投資側って、お金がある側なので、どうしても強いじゃないですか。正しいことを言っているのですが、やはり、現場のことは分からないので、それが本当に実行できるか?というと、また別ですよね。だから、実際に自分で始めて、いい意味で鼻っ柱も折れたと思いますし、なかなか描いたプランどおりには行かないということがよく分かりました。事業というのは、まったく想定できない、いろんなことが起きますから」。

また、江原さんはウィルキャピタルで働いていた頃、「世の中に、ビジネスモデルや仕組みを考えることに長けている優秀な方というのは山ほどいる。そこに、私みたいな人間がいてもダメで(勝ち目がない)、逆に、そういう人たちができないことをやる。(私がやるべきことは)実際に身体を動かして、実業をやってみることかもしれない」と思ったそうだ。