第09回 塚田 寛一氏 vol.2 (2)

第09回 塚田 寛一氏 vol.2 (2)

津田さんとの出会い。

さて、ミクシィの役員を退任した塚田さんだが、特に、次に何をするかは決めていなかった。

「ちょっとゆっくり考えよう」と思っていたそうだが、学生時代にETICと出会ったことで自分の人生が大きく開けたこともあり、何か「社会的・公共的」な分野で仕事をしてみたいと、漠然と考えていた。

「もう1つは、自分自身の事業センスというか、僕には笠原さんのような事業センスは全然ないし、普通の人と比べてもそんなにものすごく秀でているわけじゃないということを自覚し、むしろ、『組織を作る』であるとか、『人をサポートする』であるとか、『人が頑張っているのを縁の下の力持ち的に支える』であるとか、そういうことが好きなのだなと思うに至ったわけです。組織志向というか、自分で社会的な事業を始めましょうということではなく、そういう人をサポートするような仕組みが作れないかと考えるようになりました」。

そんなふうに思っていた頃、「はてな」の川崎さんを通じて、津田さんと会うことになる。

写真:塚田 寛一 氏

「自分で社会的な事業を始めましょうということではなく、
そういう人をサポートするような仕組みが作れないかと
考えるようになりました」。

「僕は笠原さんに仕えていたというか、笠原さんの下で働いていて、これほどの人と一緒に働けることはもうないだろうなと思っていたのです。でも、津田と会ってみて、非常に実績もあるし、ビジョンもすごくクリアに持っているし、(ヨセミテの)ウェブサイトにも書いている『羊系』ということでノリも合うし、狼系の起業家の元で働くのはドキドキするし、そういう意味では、自分で表に立ってインキュベーションをしていくよりも、津田を支えて、一緒に組織を作っていく方がより大きなことができるだろうし、より自分の良さも活きるだろうというのがあって、『一緒にやりましょう』と僕の方からオファーをしました」。

それが、ヨセミテ誕生のきっかけだった。