第06回 保坂 高広氏 vol.2 (3)

第06回 保坂 高広氏 vol.2 (3)

「だったらもっと早く言えよ」。

こんなエピソードがある。彼が学生時代に通っていたジムの会長とのやり取りである。

「僕は(アスリブ)を立ち上げる前に、大橋会長に話しに行ったんですよね。大橋会長は、東日本ボクシング協会の会長なんですよ。東日本というと全日本よりも力があるという感じです。『ボクシングを辞めた後、みんな仕事に困っているように見えてしまう。自分がボクシングをやってみて思うし、いろんなボクサーを見て思うし、商社に入って感じたけど、ボクサーには馬力がある。体力はあるし、気合はあるし、根性があるし、最後までやり通す力を持っている。そういう人が実業界に出ないのはもったいない』という想いを言って、そういうセカンドキャリアを支援する会社を立ち上げたいと言った。『だったらもっと早く言えよ。そういうアイデアはもっと早く言えよ。応援するよ』と、すぐにその場で言われました。その時、大橋秀行会長という成功者の人間の器の大きさに、もの凄く感動しました」。

写真:保坂 高広 氏

「自分がボクシングをやってみて思うし、いろんなボクサーを見て思うし、商社に入って感じたけど、ボクサーには馬力がある。
そういう人が実業界に出ないのはもったいない。
そう思ったんです」。

また、MBAの先生のひとりから、日本プロスポーツ協会の方を紹介されて会いにいったところ、「副会長が某ボクシングジムの会長さんだよ。しかも、早稲田 OBだよ」という話になったり、また、そもそも、日本プロスポーツ協会の会長は森元首相(早稲田大学OB)だったりと、ネットワークが広がっていったらしい。

「いろいろと、そうやってネットワークが広がっていたので、早稲田のビジネススクールに行ったのは良かったと思いました。結局、知識よりも人脈だと、今はつくづくそう思います」。