第05回 伊佐山 元氏 vol.2 (3)

第05回 伊佐山 元氏 vol.2 (3)

何らかのインパクトを与えたい。

んな伊佐山さんは将来、何らかのかたちで教育に関わる仕事をしてみたいそうだ。

「人の人生に、何らかのインパクトを与えたいなと思います。まだまだ若いし、偉そうなことを言う資格はないと思います。ただ、まだ若くてまっさらな学生達に僕のエネルギーをぶつけてみて、反応をみるというのはおもしろいと思っています。それで、『シリコンバレーはおもしろいな』とか、『今までの自分の人生は温室だったな』と思ってくれるだけでもいいと思います。その『きっかけ』をつくれるようになればいいと思います」。

「(平石さんの質問である)60歳の自分は何をしたいかというと、それに関連していて、教育に関係する仕事をしたいと思っています。それも大学の先生になるのではなく、小学校の先生とか若ければ若いほどいいと思っています。人間の人格形成は小学生で終わっているはずなので、そこでインパクト与えられなかったら、その後は難しいと思いますね。だから幼稚園とか小学校の低学年くらいで良い影響を与えられるような、そういうことをできる立場にいたいなとは思っています。多分、今からベンチャーキャピタル、ベンチャー業界を一生懸命やっても、限界があるかなと感じています。文部省と話し合って根本的に教育制度を変えるのも無理なので、課外活動なり道徳活動でインパクトを一発ボーンと与えられればいいですね。それを与えられるのは、若い子供の方がいいと思います。そういうことを将来はしたいと思っています」。

写真:伊佐山 元 氏

将来は「教育」に関係する仕事をしたいと思っています。
それも大学の先生になるのではなく、小学校の先生とか若ければ若いほどいいと思っています。

成功するために必要なこと。

伊佐山さんが、ご自身の「人生の軌跡」を語ってくれる前に、シリコンバレーのベンチャーシーンで何が起きているか?これからのベンチャー企業は、どうなっていくと思われるか?について、彼の知見を交えて説明をしてくれた。

しかし、この「挑戦する生き方」というコーナーの趣旨に則り、それらのことには一切、触れなかったので、最後に、ひとつだけ、彼が言っていたことを紹介したい。

「I.T.業界では本当にユニークなものは殆ど無くて、同じようなことを考えている人がかなりいます。ですので、すべての面でナンバーワンはあり得ないと思うんです。でも、何らかの切り口で『自分は、この部分では業界ナンバーワンだ』とか、『こういう点では自分はナンバーワンになる』ということを会社のメッセージとして外に訴えられないと、誰も興味を持ってくれません。ナンバー2・ナンバー3というのは殆ど相手にされないという世界です。やはり、そういう、うまいPR、うまいマーケティング、うまい会社の売り方・ポジショニングというのは、成功するために非常に大切ではないかという気がします」。

彼の話を聞いて、「Find your own uniqueness.(自分の個性を見つけなさい)」という言葉や、僕が敬愛する田坂広志さんが仰っていた「パーソナリティは最高戦略」という概念を思い出した。

将来、伊佐山さんと仕事をしてみたい。

次回(再来週/来週はお休みです)は、元プロボクサーで現在は「3社」の社長を務める保坂さんをご紹介します。
ご期待下さい。

文章・写真: 株式会社ドリームビジョン 平石郁生