第01回 岩瀬 大輔氏 vol.1 (1)

第01回 岩瀬 大輔氏 vol.1 (1)

岩瀬氏との出会い。

「岩瀬大輔」。ライフネット生命保険株式会社 取締役副社長。
彼のことを初めて知ったのは、2007年5月30日に開催された日経ビジネスオンラインの1周年記念セミナーだった。
「ファンド資本主義を生き抜く」というテーマのセッションがあり、講演者のひとりが彼だった。

「とてもシャープな人だな・・・」というのが、その時の彼に対する僕の印象だったが、それから数ヵ月後、その理由がよく分かることになる。ある日、東京は渋谷にある紀伊国屋書店の店頭でたまたま手に取った「theory」というMOOKに、彼の「生き方」が紹介されていた。

1976年生まれの彼は、東京大学法学部在学中に「司法試験」に合格し、1998年の卒業と共に、今ほど知名度がなかったボストンコンサルティンググループ(BCG)に就職した。BCGに2年間在籍した後、彼はインターネットキャピタルグループ(ICG)という、これまた、日本では殆ど知られていない米国系ベンチャーキャピタルの日本オフィス立ち上げに参加する。しかし、幸か不幸かネットバブルの崩壊と共にICGの日本オフィスは閉鎖となる。その後、彼はリップルウッド(現RHJインターナショナル)に身を転じるが、そこで、企業再生の現場を通じて「経営とは何か?」について向き合い、自分の能力の足りなさを痛感したという。

ここまでの話しでは、東大在学中に司法試験に合格したこと以外はそれほど華々しい経歴には見えないかもしれないが、彼は、リップルウッドを辞めて留学したハーバード・ビジネススクール(HBS)を、日本人として4人目の上位5%の成績で卒業している。いわゆる「ベイカー・スカラー受賞者(超成績優秀者)」である。

写真:岩瀬 大輔 氏

司法試験の勉強をしていて、物事を多面的に見るスキルが身につきました。例えば、弁護士と検察官がいて、お互いに意見を言う。絶対的な真理があるのではなく、同じ話しでも前提条件によって異なるとか・・・。

その岩瀬氏と初めて言葉を交わしたのは、その年の12月初旬、FACTAという出版社が主催するセミナーだった。

セミナー終了後、岩瀬氏と名刺交換をしようと、いの一番に彼の元に駆け寄り、僕が自分の名刺を差し出すと、なんと、彼はずずっと2~3歩、後ずさりをしながら、開口一番、「(平石さんの)ブログ、読んでます」と言って自分の名刺を差し出した。何で知ったかは聞いていないが、僕が「保険スクエア bang!」という自動車保険の見積り比較サイトを運営するウェブクルー(東証マザーズ:8767)の創業メンバーのひとりであり、同じ「保険」に関する事業に携わっていたことから興味を持ってくれたのだろう。

そんな「出会い」があり、ドリームビジョンにとっては初めての試みであり且つ大きな「挑戦」である、「挑戦する生き方」をテーマとした「メディア」の創刊号には、どうしても岩瀬氏に登場して欲しかった。

この場を借りて少しだけこのメディアの趣旨を説明させていただくと、人生を懸けて何かに「挑戦」することの素晴らしさを伝えることにより、困難に立ち向かう「勇気と自信」や「人生の目的、生きる意味」を見つけるヒントを提供したいということが、当社がこのメディアに懸ける想いであり、目的である。