#017 津田 全泰 楽天を退職。そして、結婚。

第08回 津田 全泰氏 vol.2

楽天を退職。そして、結婚。

無我夢中で楽天での仕事に取り組んでいた津田さんは、ある時、何かのきっかけで、「起業するために楽天に入ったんだった」ということを思い出す。それから、「いつ、どんな分野で起業しようか?」と考えるようになっていく。

「楽天市場」は、消費者向けのビジネスではあるが、収益構造としてはB to B to Cであり、津田さんの言葉を借りれば「Bのフラット化」である。つまり、大企業のような人材も知名度も財力もない中小企業であってもEC事業ができるようにする、というのが楽天のビジネスということだ。

しかし、津田さんがインターネットに魅せられた理由は「C」、つまり、自分が一般消費者の立場で使って便利であり、企業から「個人」への「エンパワーメント(パワーシフト)」が促進されるという点にあったことを思い出す。そして、その時、津田さんが担当していた楽天トラベル(旅行事業)の領域には、その「C向け」のサービスがないことに気づき、「じゃあ、それをやろう」となる。

それが、「フォートラベル」に繋がっていった。


写真:津田 全泰 氏

嫁に一喝されたんです。「うだうだ言ってるんだったら、やればいいじゃないのよ」って(笑)。

実はその頃、津田さんは、もうひとつの「転機」を迎えていた。「結婚」したのである。

当時の楽天には、結婚をすると、どちらかが辞めなければいけないという暗黙のルールがあり、奥さんの方が辞めることになったのだが、そうすると、経済的な観点から、津田さんは辞め難くなる。

ストックオプションは持っていたので、そうでない人と較べれば恵まれてはいたが、それでも、うじうじとして、色々と悩んでいたところ、「うだうだ言ってるんだったら、やればいいじゃないのよ!」と奥さんに一蹴されたという。

「彼女は2003年4月に辞めることになっていて、6月に結婚式を控えていたので、じゃ、俺、結婚する前に辞めないと、気分的にももう辞められないと思ったのです。僕は大きな決断というのは、同時にした方が良いと思っていて・・・。結婚という大きな決断をすると、しばらく大きな決断はできないなと思ったので、どうせだったら、これはまとめてやろうと思ったんです。それで、僕も一緒に辞めると言い出して、それで辞めました」。

PROFILE

津田全泰(つだ ぜんたい)

1976年生。群馬県桐生市出身。

慶應義塾大学総合政策学部在学中に8人目のメンバーとして楽天株式会社に入社。楽天市場では、出店営業、広告企画、システム開発を担当。2001年には楽天トラベルの立ち上げとして、業務構築からシステム開発まで幅広く担当。
2003年10月にフォートラベル有限会社を設立し、2005年1月に株式会社カカクコムのグループに参加。
2008年1月に株式会社ヨセミテを創業し、同社代表に就任。

起業家の日常「3度目の起業と初めての子育て」

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