Twitter は「コミュニケーション」を「フラット化」する。

今日のタイトルは、山川さんの「名言」

数日前、あることの打ち合わせで新宿で会った時、僕が「APIの公開、Open ID、Twitter、Facebook等の流れは何に最もインパクトを与えると思いますか?」と質問すると、しばらく考えた後、「Twitter はコミュニケーションを『フラット化』したと思います」という答えが返ってきた。

見事に「本質」をついた見解だと思う。

孫さんだろうが、三木谷さんだろうが、ホリエモンだろうが、はたまた政治家だろうが、相手の社会的立場や属性に関係なく、Twitter上では対等(フラット)なコミュニケーションが成立する。

特に、ホリエモンは自分に絡んできた相手に(内容は取捨選択しているそうだ)マメに返事を返している。そのやり取りを横で見ていると、これがけっこうおもしろい。そして、勉強になる。

そういう僕は、孫さんに初めて絡んだ時には、キーボードを打つ指が振るえてしまったが(笑)、中には、特に若い人の中には「それいいと思うよー」的な発言を返す人もいて、びっくりさせられる。

また、孫さんが「街頭演説よりもTwitterでつぶやいた方がよっぽど自分の声が有権者に届く」と言った話は有名だが、Twitterは「定量的効果(多くの人に自分の意見を伝えることができる)」だけでなく、「定性的効果」が大きいと思う。

相手を身近に感じるようになるし、ついつい好感を持つようになる。

フォロワー数が多い経営者であれば、「社員募集中!」とつぶやくと、その数分後には大勢の応募者からダイレクトメッセージが来たりする。

リクルートが求人広告だけを集めたビジネス(有料誌)で成功した後、それを無料化(フリーペーパー化)したが、それすら不要になる。

昨日のエントリーで「ケイタイメルマガ」の効果をテレビCMでいう「GRP(述べ視聴率)」に換算して説明したが、Twitterの場合、メルマガと違って「リアルタイムの双方向性」があり、それ以上にとても強力なメディア?である。

ところで、昨日のエントリーでも紹介した「JAGAT」での基調講演の関係者による事前MTGを本日、フォートラベルのイケてるオフィスにて行った。

そこで「Twitter はコミュニケーションを『フラット化』する」というキーワードを説明し、僕たちのセッションのテーマである「Web、ケータイビジネスを引っ張るコンテンツ」は何か?に関する僕の見解を申し上げた。

予告編ではこの先はお伝えできないので、具体的内容は2/3(水)のセッション後に、当日の模様も交えて「つぶやき」ます!!

「ケータイ」と「マクドナルド」と「テレビCM」。

今日は久しぶりにマーケティングに関するエントリーを書くことにする。

実は、とあるご縁から、来月3日に開催される「JAGAT(社団法人日本印刷技術協会)」主催のカンファレンスで、「Web、ケータイビジネスを引っ張るコンテンツ」なる基調講演トラックのモデレーターをさせていただくことになった。

僕以外のメンバーは、創業者である津田さんの後継社長4トラベルの野田さん、ドリームビジョンの投資先でもあるビートレンド社長の井上さん。

今回のセッションのテーマは「クロスメディア」。

例えば、印刷物等のリアルメディアとWebやケータイ(モバイル)をどう活用するか?といったことに関して議論をする予定である。

そんなこともあり、昨日はモバイル・マーケティングの勉強および株主として投資先の事業に対する理解を深めるべく、ビートレンドが主催する「モバイルマーケティングカレッジ」なるものに参加した。

細かな話はさておき、僕はそこで「衝撃的な事実」に遭遇した。

知らない人はひとりもいないであろう「マクドナルド(日本法人)」は、2008年6月からケータイの公式サイトをオープンしたらしいが、なんと、開設から1年半強で、彼らのメルマガの登録者は「1,600万人」に達したらしい。

同じメルマガでもケータイの場合、メールが届くと待ち受け画面にアイコンが表示されることもあり、「開封率」はPCベースのメールの「約5倍」だという。

そう言われてみると、たしかに、僕もケータイにメールが届くと必ず開封する。

ところで、マクドナルドに話を戻すと、1,600万人のケータイメルマガ会員を持つということは「1,600万人」への「リーチ」が可能ということであり、乳幼児やご高齢の方々を除く日本の人口を「1億人」とすると、視聴率「16%」ということになる。

つまり、多少の無理を承知で言うならば、100本のメルマガの効果はTVCMを「1,600GRP(16×100)」流すような効果があるとも言え、1GRP=10万円(バブルの頃は、1GRP=15万円と言われいた)で計算すると、1億6,000万円分の効果があることになる。

因みに、マクドナルドはメルマガ会員を獲得するためのTVCMは行っておらず(違ったら失礼)、その告知の殆どは「店頭」で行われており、TVCMと較べればメルマガ会員獲得コストはかなり低いだろう。

また、メルマガ会員を獲得した後のコストは、ほぼ、メルマガを書く人の「人件費」だけであり、そうやって考えると、かなり費用対効果の高いマーケティング投資と言える。

もちろん、「フルカラー×音声×映像」のTVCMと「文字だけのメルマガ」を同一比較することは出来ないが、マクドナルドの認知率は「ほぼ100%」だということを考えると、認知率向上のためのマーケティング投資は不要であり、必要なことは「来店率の向上」と「リピート率の向上」つまり「CRM投資」ということになる。

そういう意味で、ケータイを使ったCRMは効果的だと思う。

因みに、この「モバイル・マーケティング」の成果として、九州地区では、チラシのコストが月間1億円削減できたらしい。

仮に、営業利益率10%だとすると、1億円のコスト削減は、10億円の売上獲得と同義である。

つまり、九州地区だけで年間「120億円」の売上増に匹敵する効果があったということになる。

マクドナルドのモバイルマーケティング投資額は知らないが、どう考えてもTVCM投資よりは安いだろう。

さて、ビートレンドのセミナーに出席しながら思考を巡らせた結果、僕の行き着いた結論は、「B2C」特にコモディティ商品のビジネスをしている企業のマーケティングWebサイトは「ケータイ(モバイル)」がメインにならざるを得ない、ということである。

今の10代、20代前半の「モバイル・プライマリー」な世代が社会の中核を占めるようになると、その流れは益々加速するだろうし、そのシェアはまだ4~5%程度らしいが、スマートフォンが普及するにつれ、マーケティングプラットフォームとしての「モバイル」の重要性が増すことは間違いない。

また、リアルの店舗を持っている企業は、ケータイを有効活用することにより、顧客とのタッチポイントとして「店舗」のもつ「意味(資産価値)」を大きく向上させることができる。

それはイコール、TVCMの凋落に拍車をかけることになると思う。

Made in China.

久しぶりにノートブックPCを購入した。厳密に言えば、「ネットブック」。

今まで使っていたLet’s Noteのキーボードが壊れて部分的に入力が出来なくなってしまい、修理に出すと3万円ほどかかると聞き、であれば、6万円のネットブックを買った方がよいと判断した。

しかし、このネットブック、Let’s Note と重さが変わらない。その点は期待外れだが、コンパクトなのはいい。

ちなみに、僕が購入したネットブックは「ACER」。

PCシェアで世界2位を狙おうとしている(既に、2位になったのかな?)メーカーらしく、なかなかよく出来ている。

ACERにした理由は、キーボードがフルサイズだったこと。僕のタイピングは自己流なので、フルサイズキーボードでないとミスタイプが多い。

ところで、以前の僕ならば、台湾メーカーであるACERの「Made in China」は買わなかったと思うが、ここ1~2年のPC価格の推移を見ていると、20万円も25万円も払って、日本メーカーを買う気にはなれなかった。

その金額差ほどのバリューを、日本製PCに見いだせなかったということだ。

これが、海部美知さんがご自身の著書「パラダイス鎖国」で指摘している米国人の中での「Made in Japan(日本ブランド)」のバリューが薄らいでいるということなのだろう。

そのことを実感した。

民主党は「内需、内需」と騒いでいるが、人口が減りゆく国で、そんなことを言っていてもリアリティがない。

Made in Japan(日本ブランド) に付加価値を感じてくれる東南アジアやBRICsで稼がずして、どうやって稼ぐというのか?

自分自身の消費を「客観視」することで、見えてくることはたくさんある。

パラダイス鎖国 忘れられた大国・日本 (アスキー新書 54)/海部 美知

¥760
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「時代の変化」と「世代別」価値観。

キリンと経営統合を決めたサントリーに「次世代研究所」なる組織がある。

そのサイトに、興味深い研究結果が紹介されている。

人々の「価値観」、特に「消費行動」に関する価値観や行動様式は、当たり前と言えばそれまでだが、社会人として「自ら稼いだお金を消費する時期」の「世相」に影響を受ける、というものである。

因みに、僕は「昭和30年代(38年)」生まれだが、この世代は、個人差はあるものの、消費によって「ワンランク上」の生活を実現しようとする(した?)傾向が強いという。

確かに、なるほど・・・思わされるところがある。

バブル期に社会に出た僕たちは、hanako や Tokyo Walker という都市情報誌のお世話になり、DCブランドの服を買い、海外旅行に出かけるようになり、BMW等の高級ドイツ車を持つことに憧れた。

しかし、この世代は、40代になった今、仕事だけでなく、「家庭(夫婦や子供との時間)」も充実させたいと思うようになり、同研究所では、「自分らしく生きたい」と自分の気持ちや欲求を優先する我々のことを「欲張り世代」とも称している。

日本経済の高度成長期が終わり、果実が「成熟」の極みに達した頃に自分でおカネを稼ぐようになったものの、その後、「失われた10年(閉塞感)」に直面。「ネットバブル」により、ある種の「高揚感」を再度経験したと思ったら、今度は「世界的な経済危機」に直面。

ある意味、ボラティリティ(変動)の激しい人生を送っている世代であり、時代のうねりに「翻弄」されている世代とも言える。

但し、同じ世代と言っても、経営基盤の安定している大企業に勤務している人と、僕のような人生を送っている人では、実際に「体感」してきたボラティリティの大きさは、まったく異なるだろう。

ところで、個人的には、今よりもずっとお金が無かった20代の頃の方が、ブランドや高級レストランにお金を投じていたが、今は、それらには殆ど興味はない(但し、クルマは例外。そこが、今の20代の人たちとは異なるのだろう)。

Gパンはユニクロだし、シャツもGAPで問題ない。むしろ、洋服にお金をかけるのは勿体無いと思うようになった。

食事に関しても、カジュアルなイタリアンや、ちょっと上品 but リーズナブルな和食の方が気楽でいい。

さて、社会全体が「変化」を必要としている今日、僕らの世代は今後、どのような人生を歩んでいくのだろうか?

追伸:「自分らしく生きたい」という意味では、集団よりも「個」を優先する風潮が強くなってきたのは、我々の世代からかもしれない。

継続への挑戦。

今日のエントリーのタイトルは、「AKIRA」というゴルフクラブ・メーカーの広告コピーである。

契約プロである「久保谷健一」選手が、連続23試合、予選突破を続けているそうだ。

これは、テイラーメイドやブリジストンなどのようなメジャーなメーカーではなく、AKIRAのような「マイナー」なメーカーだからこそ、意味のあるコピーである。

この先、久保谷選手がどこまで連続予選突破記録を更新していくのかは分からないが、連続での予選突破が途切れた時の対応も考慮に入れた上での戦略なのだろう。

久保谷選手は「地味」ではあるが、とても強かで堅実なプレーをするプレーヤーである。

「ニッチャーの戦略」として、なるほど・・・と思わされた広告だった。

「ユニクロ」が海外でも強い理由。

明治大学の大石教授が主催するグローバルマーケティング研究会で、ユニクロの海外事業を担当している方のお話を伺う機会があった。

日本では大手百貨店に一斉出店、海外ではロシアへの進出が決定し、絶好調のユニクロだが、海外事業(イギリス)での失敗など、普段は聞けない、とても参考になる話を伺うことができた。

イギリスでの失敗の原因は、What’s UNIQLO ?(ユニクロの理念)をきちんと浸透させることができないまま、現地社長・現地幹部に権限委譲をしてしまい、ユニクロの良さを発揮できなかったことや、夏でも湿気が少ないイギリスの気候をよく理解せずドライポロシャツを販売したこと(商品のミスマッチ)などにあったという。

一方、シンガポールでの出店に関しては、計画比200%超の水準で推移しており、大きな成功を収めているそうである。

その「成功の理由」は色々あるようだが、「なるほど」と思ったのは、出店前の時点で、シンガポールにおける「ユニクロの認知率」が、なんと「40%」もあったということ。

要するに、マーケティングの最初の一歩である「認知度」の獲得が、既に出来ていたということ。

そのような経緯を踏まえて、ユニクロの海外事業の今後の方針は、「世界の主要ファッション都市における旗艦店」+「アジア市場でナンバーワンとなる(アパレルにおいても、ジャパンブランドが機能する市場)」ということだという。

自分にとって「有利な市場(自分の市場)」はどこか?を考えて、そこで勝負することが大切だということ。

何事も原理原則はシンプルである。

しかし、あの柳井さんでさえ失敗することがあるわけで、我々のような凡人が失敗するのは当然である。

問題は、失敗から何を学べるか?である。

今までの「自分の歴史」を振り返ることで、そこから学べるものがあるように思う。

ナチュラルローソン

1ヶ月に何度か、妻が仕事で遅くなる日があり、僕が子供を保育園に迎えに行く。

子供は保育園で夕食を食べる(その後、僕が迎えに行く)が、僕は「ナチュラルローソン」で夕食を買うことが多い。

先日もナチュラルローソンでお弁当を買ったが、その時についてきた「割り箸」に「コントレックス(ミネラルウォーター)」の広告が掲載されていた。

たしかに、コントレックスの愛飲者とナチュラルローソンの顧客がオーバーラップする率はそこそこあるだろう。

もし、広告付きの「割り箸」を配布するエリアも選択できるのであれば、さらに有効な「タッチポイント」だと思う。