あの日。

人生は短いよ。人生100年時代とか言うけど。若い日々は、あっと言う間に通り過ぎる。

子供の頃にお世話になった叔父さんや叔母さんたちが旅立ってしまう年齢になったせいか、子供の頃や自分が若かった頃のことを思い出す。

父は珍しく、急いでいた。制限速度を超えているのは、小学生の僕にも分かった。長い坂道を父のクルマで病院に向かっていた。小学校4年生か5年生の頃だったと思う。あれが人生で初めての入院だった。

地元の総合病院で働いていた父は、とても仕事が忙しかったようで、一緒に遊んでもらった記憶は無い。時々、どこどこに連れて行くという約束をしては、いつも前日になって、仕事が入ってしまい、連れていけなくなった・・・と言っていた。母は、子どもたちを遊びに連れて行ってあげたいという気持ちは分かるけと、行けなくなるとガッカリさせるだけなので、本当に行けることが確実になるまで、何も約束しない方がいいでしょう、と父に言ってた。

コロナ禍の中、息を引き取った叔父は、僕が高校生の時、大雪が降った日、バンドの練習で楽器を運ぶためにクルマを出してくれた。僕の父親(彼にとっては義理の兄)に対する手前もあっただろうけど、本当に他人に優しい、素晴らしい人だった。残念ながら、告別式には参列できなかった。

思い出せば、長男は幼少の頃から気難しく、神経質だった。数学が得意で、Garage Band で作曲を始めた彼の姿を見て、一昨年のクリスマスに、僕は彼にMacBook を買ってあげた。妻に似て、金銭感覚がシビアで、最初は「どうして、そんな高額なものを買ってきてしまったんだ・・・」と涙を流しそうにしていたが、音楽ユニットを結成し、今ではFinal Cut Pro等を使いこなし、昨年の夏には、FMラジオにも出演した。

この両親からどうしてこういう天真爛漫な人間が生まれて来たのか?と思うほど、次男は底抜けに明るく、社交性に優れており、誰とでもすぐに友達になれる。アフタースクールのキャンプでバスに乗る時も、隣が知らない子だろうがまったく気にせず、帰って来る頃には仲良しになっている。長男のような理系の脳ではないと思うが、兄の様子を見様見真似で、Garage Band で作曲をしたりしている。週末は、友達の家に行ったり、彼らを我が家に呼んだりと、学年の違う子どもたちとも楽しく遊んでいる。

彼らがいなかったら、去年の紅白をみるまで、きっとヨアソビは知らなかったし、ヨルシカもね。

田坂広志さんがご自身のブログか何かで若さの貴重さに気づくのは、残念ながら、若さを失った時だということを仰っていた。その時は、理屈としては理解していたが、今になって、哀しいほど、その意味を実感する。

そりゃいろいろあるけど、生きていることは、それだけで素晴らしい。そう思える人生を送れていることに、感謝しかない。

人生は短いね。