「父子家庭」と「終わっていない宿題」。

今日は約1年1ヵ月ぶりに、次男が通っていた恵比寿にある保育園を訪ねた。今の保育園にも楽しく通っている次男だが、1ヵ月前だっただろうか、園庭で遊んでいる時に「◯◯保育園のお友達にも会いたいんだよ・・・」と言って、ポロッと涙をこぼしたらしい・・・。保育園に迎えに言った時、担任の先生から、そう聞かされた。

とても社交性があり、環境適応能力が高い次男だが、やはり、数年間通った保育園の友達のことが心の何処かにあり、また会いたいなあ・・・という気持ちがあるのだろう。親としては、不憫に思う。

そんなことで今日は、サマースクールの帰りに、久しぶりに昨年6月まで通っていた保育園に行ってみた。

クラスに入ると遊んでいた子供たちが一斉に駆け寄ってきて、次男を歓迎してくれた。一方、歓迎を受けた次男は、最初は戸惑っていたようで、ぎこちなくしていたが、暫くすると、旧友たちと楽しく遊んでいた。

先週の後半は、長男は林間学校で留守、木曜日の夜は、妻が外出。そんなことで、僕が次男を保育園に迎えに行き、夕食を作り、2人で食べた。普段、4人の時は、長男も次男も楽しそうに話をしながら夕食を食べている。しかし、長男にしても、次男にしても、父親とはあまり話題が無いらしい・・・。僕が水を向けても、話のラリーはせいぜい二往復ぐらいで終わってしまう・・・。

確かに、母子家庭は経済的には非常に厳しいケースが多いのだろうが、父子家庭は、特に男の子だけの父子家庭は、何とも寂しいものがある。母親の存在はとても大きい。特に、子供たちが小さいうちは・・・。

ところで、偶然見つけたGOETHEの「坂本龍一氏」のインタビュー記事で、彼が「中咽頭ガン」を患っていたことを知った。彼は食事は25年前から「オーガニック中心」で、人一倍、健康には気を使っていたせいもあり、ガンになったことは、相当なショックだったらしい。

起床は7時。就任は23時。午前中は身体のケア。ヨガをしたり、アロマオイルでリラックスしたり・・・。仕事は午後から。そのような生活で徐々に体調が改善し、音楽に対して前向きに取り組めるようになっていったそうだ。

坂本龍一氏と言えば、YMO、ソロになってからは「戦場のメリークリスマス」、山田洋次監督の「母と暮せば」、そして、最近ではレオナルド・デカプリオ主演の「レヴェナント:蘇えりし者」の音楽等、言うまでもなく、世界トップレベルの音楽家である。

しかし、そんな彼でも、病気になり、体調的にも精神的にも自信を失ったようだ。2014年から手掛けてきた「自分のアルバム」は、一時中断。上述の「レヴェナント:蘇えりし者」等を含めた映画音楽を手掛けたという。

「どれもいい手応えでした。それで『自信』を得て、2016年は自分の作品に集中することにしました」。

坂本龍一氏ほどの人でも「自信」を得たというわけで、つまりは、自信が持てないこともある、ということだ。

でも、それは、自分に対する「期待値」が高いからであり、今までに「自分が成し遂げてきたことを超えるものができるのか?」という姿勢から生まれるものだろう。

坂本龍一氏は、GOETHEのインタビューで、こう言っている。

「(病気をしたせいで)間違いなく、自分に対して厳しくなりました。一音一音への思いが強まり、音にOKを出すハードルは高くなった。年齢を重ねるにしたがい、人は時間の大切さが身に沁みますよね。その思いがより強くなった。与えられた限りある時間でつくる作品は、自分にできる最高のものにしたいじゃないですか」。

さて、僕は明日から一週間、シリコンバレー出張。でも、寂しいのは僕の方で、子供たちではなさそうだ・・・。

小6になった長男は、もう僕にまとわりついてくることはない。年長の次男も、あと数年だろう。

体力の衰えと戦い、子供たちとの時間を大切にし、健康に留意して、この先の人生で、今までの自分がやってきたことを超える何かをやりたいね・・・。

やらないと!!!