人間の死亡率は100%(続)

僕たち家族の最寄り駅の駅前には、21世紀版「駄菓子屋」のような店がある。昭和の高度経済成長期に育った僕には、なんとも楽しい店だ。長男が好きな「はちみつ入りの梅グミ」を買うという理由にかこつけて僕は時々、その店で買物をする。

レジに並んでいた時、店内に流れていたJ-POPがとても気になり、ポケットからiPhone を取り出し、Shazam をクリックした。

僕は明日、昨日の君とデートする」という映画は何となくは知っていたが、そのテーマソングである「ハッピーエンド」も、その楽曲を提供している「Back Number」というロックバンドも知らなかった。

20歳の主人公が織り成すドラマは、どうやらSFチックで、なんとも切ないストーリーのようだ。来月で54歳になる僕にとっては、34年も前の出来事だ。

昨年シーズン、25年ぶりにスキーに行った話はこのブログにも書いたが、楽しそうにゲレンデを滑る20代のカップルは、身体中から「生」を発散しており、50代の僕にはとても眩しかった・・・。自分が20代の頃、はたして、ゲレンデで見た彼・彼女たちのようなフェロモンを発していたかどうかは分からないが、それは永遠に続くものではなく、若さというのは何物にも代え難い、保存することも、取り戻すことも出来ないものだということを、今ほど理解していなかったことだけは間違いない。

この4月から小学校6年生になる長男は、昨年の春頃から、私立の中学受験で忙しい。さすがに、まだ小学生の彼には、毎日毎日、塾に通い、週末も勉強に明け暮れる日々は、体力的にも辛そうだ。一方、まだ保育園に通う(来年の4月から、ようやく小学生)次男は、長男と遊んで欲しいらしく、毎日いざこざが絶えない・・・。

朝食を終えた日曜日、伊予柑の皮を剥き、お皿に並べている横から、彼らがそれをつまみ食いする・・・。僕は殆ど食べられないw。ゲレンデで会ったカップルのような輝きは失ってしまったかもしれないが、何事もトレードオフがあるわけで、すべてを求めるのは不可能だ。

35歳になった時、20歳からそれまでの時間(15年)がもう一度訪れると僕は50歳になる、という現実にはたと気がつき、愕然としたが、本当にその時間は訪れた・・・。嘘じゃなかったw。今から15年後、僕は69歳だよ・・・。

人間の死亡率は100%・・・。もう2度と彼らに会うことができなくなる時が来ることを、受け入れられる日が来るんだろうか・・・?

一方、こうして僕が呑気にブログを書いているこの瞬間にも、内紛やテロで命を落とす人がいたり、衛生環境が悪く、死んでいく子どもたちもいる・・・。

I thank for the good luck of my life.

「人生は短い」。