存在感の無い「日本の大企業」。一方、ますます人気の「日本食」。

僕がサンフランシスコ&シリコンバレーに出張に来ている間に、衆議院は解散。はたして、結果はどうなるのだろうか?

ところで、今回の出張は、とあるプロジェクトの仕事だったのだが、VC、シードアクセラレーター(インキュベーターと言ってもよい)、ベンチャー経営者、メディア、大企業、アカデミアの方々等、様々な職業の方々とお会いした。

今回の出張で感じたことを、自分自身の備忘録を兼ねて、ブログに記しておくことにする。

ところで、随分と昔(10年以上も前)のことだが、旦那さんの仕事の都合で2年間、ボストンに住んでいた人から「アメリカに住んで分かったことは、(アメリカにとって)日本はどうでもいい国だということ…」という話を聞いたことがある。

東海岸と西海岸とでは、経済の構造が異なり、日本との関係も異なると思うので、サンフランシスコやロサンゼルスに住んでいたとしても同じ感想だったかは分からないが、現在のアメリカにおいて「日本の存在感」は「無い」に等しいのは、間違いないだろう。

日系のホテルに泊まっても、テレビは「韓国ブランド」である。

その一方、「日本食」の人気は、以前に増して高まっているようだ。

僕は20代の頃、New York フリークで、年に2回のペースで行っていたが、あの頃の New York はすでに、美味しい寿司や日本食レストランがあった。でも、当時のサンフランシスコは、今ほど「本格的 and/or 美味しい日本食レストラン」は無かったと記憶している。

金曜日の夜、サンフランシスコで行ったレストランは、元寿司職人の方がシェフをしているとのことで、日本食に使われている素材を使い、それを上手に「西洋風」にアレンジした、とてもオシャレで美味しい料理ばかりだった。

そして、客席は満員だった。それだけ、アメリカ人の味覚が発達してきたということだ。「日本酒」も人気である。

サブプライム以降、米国の経済は悪化したままで、失業率も高止まりしているというが、ここ「ベイエリア」は、とても景気が良いという。

facebook 上場当日、映画の舞台にもなったサンフランシスコで一番の高級住宅街である「Pacific Heights」の不動産は、facebook IPO長者達の「需要」を見越して、一日で「約5%」ほど価格が上昇したという。

また、サンフランシスコ市街に限らず、Palo Alto や Menlo Park といった高級住宅街も、For Sale となった住宅は、モノの2週間ぐらいで売れていくそうである。

因みに、新しい住人(購入者)は、中国人やインド人が多いという。

住宅以外でも、例えば、テレビドラマに出てくる中国人のキャラクターは、成績優秀であるケース多く、中国人や韓国人の存在感が増しており、実際、こちらの高校や大学でも、中国人や韓国人はとても優秀だという。

ここ「ベイエリア」は、まさしく、世界の縮図と言っても過言ではないのかもしれない。

もうひとつ、これは今回の出張に限ったことではないが、僕は「大きな問題」だと感じたことは、アメリアはとにかく、高等教育の「授業料」がバカ高い!!!ということである。

例えば、僕の知り合いのお嬢さんが通っている私立高校の授業料は、なんと「48,000ドル!」。仮に、1ドル100円で計算すると「480万円(年間)」である!!!

サンフランシスコ郊外にある「UC Berkeley」は以前、優秀な学生が行くリーズナブルな学費の「州立」大学として有名だったが、今では、その学費は「30,000ドル(年間)」ぐらいはするらしい。

たしかに、成績が優秀であれば奨学金が出たりはするらしいが、その場合、卒業時には、1,000万円ぐらいの借金を背負って社会に出てくることになる。

日本では考えられない話だろう。

とあるベンチャーのVPをしているアメリカ人の友人に聞いたところ(彼は、UC Berkeley で修士を取っている)、彼が出たころと今とでは、その学費が「6倍」だったか「12倍」だったか、とにかく、メチャクチャ高くなっているという。

その理由は色々とあるようだが、いずれにしても、そうなると、いわゆる「中流層(以下)の親は、子供の教育費を出せなくなる」ということだ。

ある中国系アメリカ人の話によると、カリフォルニアは税率が低いらしく、社会インフラや教育等に充分な資金を投入できておらず、それが問題のひとつだという。

そして、いつからだったか忘れたが、日本でいう固定資産税や所得税が上がると言っていた。

因みに、高給取りのボスの所得税が「15%」で、彼の秘書のそれは「30%」という話を聞いたら、どう思うだろうか?

アメリカ社会は、そういう構造になっており、オバマはそれを是正しようとしたわけである。

そして、東海岸は別として、全米一の「リベラル」な州と言ってもよいカリフォルニアでは、圧倒的にオバマの支持率が高いそうである。

仕事上でもたくさんの成果があった出張だったが、アメリカ社会を理解するという意味でも、とても有意義な出張だった。

さて、そろそろ空港に向かおう!