僕の人生は、幸運の連続でできている。

LeWeb London 2012 への参加は、貴重な出会いをもたらしてくれた。

計7社11人の起業家と会い、お互いのビジネス、そして、国の事情について話をした。

その中でも、最後に会ったフランス人とメキシコ人のハーフの彼との出会いは、幸運としか言いようがない。

彼は、日本に数年ほど住んで働いたことがあるらしく、簡単な日本語を話していた。

本人が言うには、ビジネスマンとしての彼のスキルの殆どは日本の会社で身につけたものであり、日本にとても感謝をしていると言っていた。

一方、フランスの会社では、スキル開発に繋がるような機会は提供されておらず、あまり好きではないらしい。

さて、その彼だが、僕が初めて、それも一人で、パリに行くと言ったら、なんと Gare du Nord(北駅)からアポの場所まで送ってくれるという。

Are you sure ? と訊くと、Sure ! と返ってきた。

翌日、EuroStar で北駅に降り立つと、出口のところに彼が立っていた。

LeWeb の会場で、どうやってアポの場所まで行けば良いか?を尋ねると、「初めてのパリで、フランス語が話せないとなると、地下鉄は難しいので、タクシーがいいと思うが、1時間ほど列に並ぶことになるだろう」とのこと。

彼に連れられて北駅を出ると、タクシー乗り場は、物凄い長蛇の列。

たしかに、これではタクシーに乗るまでに、少なく見積もっても、30~40分は掛かりそうだった。

さて、奇跡的とも言える彼の好意に甘えて彼の車に乗り、北駅の地下のガレージを出ると、パリの街は物凄い渋滞。

目的地は、パリの街を北から南に縦断したところにあり、所要時間は約1時間。

彼と出会っていなかったら、どう考えても、今日のアポには行けなかっただろう。

考えみると僕は、大学生の頃、初めて New York に行った時も、新婚旅行でトリニダード・トバゴに行った時も、また、仕事でロシアに行っていた時も、いつも単身、初めての国に行き、色々なことに挑戦してきたが、その度に「彼らがいなかったらどうなっていたんだろう?」という出会いに助けられている。

そう、僕の人生は、幸運の連続でできている。

ところで、話をLeWebに戻すと、そこで知り合った起業家たちの中に、レシートをスマートフォンで撮影してもらい、それをデジタルデータに変換し、消費財メーカーをクライアントとして、CRM的なサービスを提供しようとしていた女性がいた。

インタースコープ(インターネットリサーチ)での経験をもとにアドバイスをすると、もう一度、会って欲しいとなり、翌日、彼女のパートナーを連れてやってきた。

様々な観点からアドバイスをしたが、最後はドラッカーやクリステンセンの話をし、「顧客を定義すること」「どんな用事を片付ける手伝いをするのか?を定義すること」「自分たちのサービスの目的を定義すること」等、 僕が日本で普段しているのと同じようなアドバイスをした。

そして、とにかく、彼らの本を読むように!と念を押した。

LeWeb London 唯一の日本人スピーカーとして登壇した三木谷さんも言っていたが、英語が話せるか話せないかでオポチュニティが全然異なるし、半年前の僕だったら、今回のような収穫は無かったように思う。

サンブリッジでの仕事を通じて、英語力が向上したことを実感した。

49歳の僕でも英語力が上達するのだから、20代や30代の人たちは、本気で英語を勉強するべきである。

ところで、僕をクルマで送ってくれたフランス人が、LeWeb London に登壇した起業家の中で、三木谷さんは「最もビッグネーム(最も成功している起業家)」だと言っていた。

三木谷さんに続く世界で活躍する日本人起業家が、もっともっと出てきて欲しい。

最後に、今回の出張を許してくれたボードメンバーと留守を預かってくれているスタッフに感謝したい。

@無事に帰ってきたロンドンのホテルにて。