「KLab真田さん」のスピーチとバンデューラの「代理体験」

昨日の弊社創業記念パーティは、年度末で尚且つ生憎の雨にも関わらず、約120人の方々にご来場いただき、盛大に開催することができました。

この場をお借りして、ご来場下さった皆様に心よりお礼を申し上げます。

ところで、昨日のパーティで、KLab 株式会社の真田さん(CEO)にアドリブで締めのスピーチをしていただいた。

その内容はとても素晴らしかったので、是非とも皆さんに共有させていただきたい。

真田さんは学生時代、リョーマという学生ベンチャーを立ち上げている。

僕は、真田さんの笑顔と、事業に失敗して17億円の借金を抱えても自己破産せず、自力で完済した、その強靭なハート(精神力)の大ファンだ!凄い人である。

さて、リョーマで一緒だったメンバーには、その後、新たに起業し、上場社長や役員となった人が計17人もいるという。

真田さん曰く、そんなに優秀な人間が集まっていたわけではないし、そんなに優秀な人間を集められるわけがない、という。

では、なぜ、そんなに多くの上場創業社長を輩出することができたのか?ということを、当時の仲間と議論をしたことがあるそうだ。

結論は、ふたつ。

1. ある集団(組織)から「成功した人間」が「ひとり」出ると、「あいつに出来るんなら、オレに出来ないはずはない!」という発奮効果を生み、次々と「挑戦者」が表れる。

2. 若い時に「強烈な原体験」を経ると、もう、その「刺激」無しでは生きていけなくなり、一度は、大人しい生き方をしたとしても、やっぱり自分でやりたい!となり、起業する。

実は、僕が1991年3月(当時27歳)の時に、人生で初めての会社を設立した時も、2000年3月に、現ALBERT代表取締役会長の山川さん達とインタースコープというネットベンチャーを創業した時も、僕にとって近い存在だった人達の姿に刺激されたことが原因のひとつになっている。

そのようなことを、組織論や教育の世界では著名な「バンデューラ」という研究者が「自己効力感(Self Efficiency)」という概念として提唱している。

その「自己効力感」は、次の要素で構成されている。

1. 達成体験(文字通り、何かを達成した経験)
2. 言語的説得(周囲からお前ならできる!と励まされる)
3. 代理体験(周囲の人間が頑張る姿を見て、自分も頑張ろう!と思う気持ち)
4. これは失念した!

学術研究の世界では、その重要性は上記の順番のとおりとされているらしいが、僕は自分自身の経験から「1. 達成体験」と「3. 代理体験」の2つの重要度が大きいと思う。

そういう意味では、昨日の創業記念パーティのような場で、KLab 真田さん、ネットイヤー石黒さん、MOVIDA JAPAN 孫 泰蔵さん、日本人で唯一、故スティーブ・ジョブズ主催の Executive Meeting メンバーだった元アップルの前刀さん等、錚々たる人達を間近に見ているサンブリッジ グローバルベンチャーズでインターンをしてくれている学生たちは、普通の学生生活では経験できない「刺激的な原体験」をしているはずである。

僕自身、22歳で初めて行った New York での体験や20代で起業した経験が、今の自分を創っている。

日本のスタートアップシーンを活性化することは勿論、日本社会に対して「破壊的イノベーション」を創造し、活気溢れる国にしていくことの一助となれるよう、頑張ってやっていきたい。

ところで、昨日の創業記念パーティで「企業理念」に関する話をするはずだったが、直前に某経済紙の取材を受けており、すっかり失念してしまった!

でも、創業記念パーティに向けて急ピッチで準備してきたウェブサイトをモニターに投影しておけたので、僕の想いはご来場下さった皆さんに伝わったと思う。

「思考は自己実現する」。

僕の人生が証明済みである!