なりたかった「職業」。

今日は法政大学ビジネススクール(イノベーション・マネジメント研究科)のシラバス提出の締め切りで、朝から具体的講義内容を思案&整理中。

だいぶ考えがまとまったので、休憩を兼ねてブログを書くことにした。

「希望学」なる研究テーマについては以前にも何度かこのブログで紹介したことがあるが、大半の人が、小学生や中学生の頃に「なりたいと思っていた職業」に就くことはないのが統計的事実である。

しかし、なりたいと思っていた職業つまり「将来の夢(希望)」を持っていた人の方が、持っていなかった人よりも、「今を幸せと思う」割合や過去に「充実感や達成感を味わった経験がある」とする割合が高いことも分かっている。

さて、そういう僕はどうかというと、小学生の時に「将来なりたいと思った職業」があったかどうかの記憶がなく、その有無が分からない。

中学生、高校生の頃は、漠然とではあるが「ミュージシャン」だった。

中学に入って最初の頃は、将来の職業的イメージがまったく湧かず、同時に、会社で働くというイメージも持てなかったので、その気は無かったが、級友達には「将来は北海道で牧場経営者」になると話していた。

「ミュージシャン」への憧れは、大学1年の頃までは持っていたが、冷静に考えた時、それは無理だ(才能がない)と判断し、その道は断念した。

でも、中学の頃からバンドを組み(下手くそではあったけど)、高校生になっても続けていた。

ミュージシャンを諦めた後は、「俳優」を目指そうと思うようになった。

実際、オーディションには合格した(300人中5人が合格)。

でも、その道で勝負する自信(勇気?)は持てなかった。

ミュージシャンと俳優以外で興味を持っていたのは、「英語」だった。

今ではだいぶ薄れたが、中学で初めて英語の授業を受けた時は、世の中にこんな楽しいものがあったのか?と思うほど感動したし、英語の成績は良かった。発音も褒められた。

大学卒業後、アメリカないしイギリスへ留学したいと思ったが、父親から、これ以上、お前にかじらせるスネはない・・・と言われ、止む無く就職した。

さて、「起業」なり「ビジネス」に対する興味はいつ頃からあったのか?と言うと、起業する直前まで無かった。

でも、音楽よりも、俳優よりも、起業での方が成果を残せたのは間違いない。

一方、音楽にしても俳優にしても起業にしても一貫して足りていないのは、「体系的」に「知識」を習得することだ。

「原理、原則、方法論」を学ばずに、「直感と勢い」に任せてやってきたからである。

幸か不幸か今まではそれでそこそこ結果を残せたが、再現性には極めて乏しい。

だから、ドリームビジョンでは失敗した。

建設的な言い方に変えれば、なので今、学んでいる。

さて、来年度の講義のテーマは「アントレプレナーシップ論(Innovation & Entrepreneurship)」だが、僕の経験をケース材料にして、ドラッカーやシュンペーター、クリステンセン等が提示する理論や方法論に当てはめて解説し、学生の皆さんと議論したいと思っている。

また、MBAで学ぶ人達は殆ど例外なく、人生の転機にいるはずなので、ここ最近、興味を持ち始めた「キャリア論」的アプローチ(エドガー H. シャイン、ブリッジス、クランボルツ等)も加えて、起業家(企業家)としてのキャリアを歩む上での「リスク」もテーマとしたい。

ということで、シラバス作成の続き・・・。