マイクロファィナンスと信念。

杤迫篤昌さんという、元銀行マンの方が手掛けるマイクロファィナンスに関するNHKのドキュメンタリー番組を見た。

杤迫さんにお会いしたことはないが、とあることでメールのやり取りをさせていただいたことがあり、今回の番組のことをご案内いただいた。

マイクロファィナンスとは、貧困層を対象とした小口金融サービスのことだが、それを事業として軌道に乗せるには、並大抵の努力では足りないのは言うまでもない。

杤迫さんの信念が画面を通じて伝わってきて、大きな勇気を頂いた。

その杤迫さん、50歳の時に起業されたそうだ。

奥さんはひと言、「やれば」と言ったらしい。

何事も、ひとりでは成し遂げられない。

iPhoneからの投稿

ハイテク・スタートアップの成功要因

一昨年の下半期、法政のもうひとつのビジネススクールでご一緒させていただいた田路教授からご著書「ハイテク・スタートアップの経営戦略」をご献本をいただいたのは、もう4ヶ月ぐらい前になるだろうか?

献本をいただいた場合は、そのお礼に「書評」を書くのが礼儀であると知ったこともあり、書こう書こうと思いつつ、今日まで時間を要してしまった。

ウェブサイトに反映されるまでには数日ほど要するらしいが、先程、アマゾンにレビューを書いた。

その内容を、僕のブログで先行リリース?しておこう。

多少なりとも参考になれば幸いである。

★ハイテク・スタートアップの成功要因:

私自身が複数のベンチャー企業の創業に参画した経験(ウェブクルー:東証マザーズ上場、インタースコープ:Yahoo! JAPANに売却後、同業のマクロミルと経営統合、等)も含めて、本書から学んだことを整理したい。

※注釈:日本で言うベンチャー企業は和製英語で、本来はスタートアップと言う。

米国シリコンバレー、英国ケンブリッジ、半導体関連の集積がある台湾、そして、日本を含めた4地域におけるハイテク・スタートアップの事例研究をもとに、スタートアップの成功要因をまとめたものが本書である。

本書は、大学関係者(教授および准教授)の手によるものだが、その全員が「産業界」出身であり、また、フィールドワーク(インタビュー)を中心に執筆されており、臨場感溢れる内容となっている。

私が本書から学んだことは、以下のとおり。

・「研究開発」の領域には「規模の経済が働かず」、研究開発の成果はあらゆる規模の企業に分散している。にも関わらず、日本の大企業は中央研究所を本社組織に持っている構造に、日本におけるベンチャー受難の現実を垣間みることができる。

・起業は1人で行うものではなく、複数で行って「経営チーム」を形成する方が「成長性が高く、売上も大きくなる」。これは私の拙い経験でも同じである。

・また、経営チームの「協業経験(同じ職場で働いた経験)」の有無も、成長と関係があることが実証されている。日本の事例としては、リクルート出身の経営チームに成功事例が多いのは、その証左と言える。

・同様に、カルチャーを共有でき、また、その人物の人となりを理解できるという意味において、「同じ大学の出身者」で起業するのは理に適っている。シリコンバレー、ケンブリッジ、台湾の3地域は、いずれも、その地域の大学出身者のネットワークが起業に深く関わっている。日本では、ようやく、慶応SFC(湘南藤沢キャンパス)に、そのような傾向が見られるようになったと言えるだろう。

・スタートアップ時は「技術的イノベーション」の革新性の程度が、そして、成長期には「顧客交渉力」が成長を左右する。つまり、成長プロセスにより、ビジネスの「付加価値の構造が変化する」。ひとりの人間が、複数の分野に通じていることは極めて稀であり、そのことからも「経営チーム」における「役割分担」の重要性が理解できる。

・それは同時に、スタートアップを成功に導くには、適切なタイミングで、適切な人材をリクルートできることが必要不可欠であり、「人材の流動性」が担保されていることが極めて重要な意味を持つ。日本の場合、優秀な人材の殆どは「大企業」に存在し、まだまだ「終身雇用と年功序列賃金制度」を持つ日本の大企業の雇用構造は、オープン・イノベーション(起業促進)の「阻害要因」のひとつだろう。

・阻害要因という意味では、日本では「解雇規制(整理解雇の4要件等)」が厳しく、また、「企業内年金制度(転職先に移行できない)」の存在も、人材の流動性を阻害していると言える。

・また、シリコンバレーやケンブリッジでは、EXIT(エグジット:投資資金の回収方法)の選択肢としてIPO以外にM&A(バイアウト)が存在し、数的には圧倒的に後者が多いのに対して、日本では、文化的背景、VCの投資額(&シェア)が少なく発言力が弱い等の理由により後者のマーケットが小さいことも、起業促進の足枷になっていると言える。
→但し、直近の事例として、Zynga(ソーシャルゲームの巨人)による「ウノウ」の買収や、Grouponの「クーポッド買収」等、新たなEXITの事例が出現していることは、注目に値する。

以上が、私が本書から学んだことであるが、ハイテク・スタートアップに限らず、起業が促進され、経済的な成功を収めるには何が必要不可欠な要素であるかを「体系的」に解説してくれている。

事例には、バイオテクノロジー等、極一部の人を除いて接点のないものも含まれており、読み進めるには根気が必要なパートもあるが、これから起業を考えている人や投資サイドでの仕事を望んでいる人には、一読をお勧めしたい本である。

後継者の条件。

久しぶりに、MacBook Pro 13インチで、恐る恐るアメブロの管理画面を開いてみたところ、フリーズせずに済んだ。

どうやらバグが解消されたらしい!!

実は、あるときから(たぶん、OSをVer.upしてから)、MacBook Pro でアメブロの管理画面を開くと、ピグのフラッシュか何かがあたっていたらしく、必ず、フリーズしていた。

それで、2006年式MacBook Pro 15インチでブログを書いていた。

何とも不便というか涙ぐましい努力をしていたわけである。

まあ、とにかく、本当にバグが解消されたのであれば、いちいち13インチと15インチを交換せず、ブログを書けるのはありがたい(本来は当然のこと)ことだ。

さて、今日のトピックスは、ソフトバンク「孫さんの後継者」問題か?
それとも、何十年かぶりに購入した「扇風機」?

まあ、書こうと思った順番どおり、孫さんの「後継者」問題にしよう。

僕は以前にも、孫さんの後継者に関するエントリーを書いたことがあるが、誰がやっても、うまく行くことはないと思う。

あれだけの創業者の後を継げる人なんて、いるはずがない。

その孫さんの「後継者選び」について、僕がお世話になっている法政大学経営大学院(ビジネススクール)の小川教授がご自身のブログに書かれている。

後継者の「選び方が間違っている」ということだ。

「ストックオプションを100億円ぐらいは渡したい」という孫さんの発言を、

「記事が正しいとすると、この中には、社会に対する貢献や、経営者としての資質に何の注釈もついていない。マネー(金)だけの評価の世界である。そんな人間に後継を託す人の気持ちが、わたしにはわからない。能力が高くても、募集には人格高潔で立派な人間は集まらないだろう。

成功した経営者こそ、社会性をもった新しい価値や、ひとびとの幸せに貢献するイノベーションを提供しなければならない。金銭的なモチベーションだけでは、大きな会社を後継できるものではない。それほど、世の中は甘くない」

と評している。

小川先生が批判していたスティーブ・ジョブスやYahoo!(ジェリー・ヤンのことか?)にしても、あるいは、Googleのラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンにしても、おカネだけがモチベーションではないのは間違いない。

自分の価値観や理念、ビジョンを世に問い、それを証明し、その結果としての富と名声を得たいのだろう。

10年それとも20年後、いずれにしても、歴史が証明してくれる。

追伸:孫さんにはとても期待している。

もう暫く、猛暑の夏を楽しもう!!

今日の東京は暑かった・・・。

東京と較べれば涼しい郡山から帰ってきたせいか、フライパンの上にでもいるようで、「熱い」と形容した方がよいぐらいだった。

ところで、毎週火曜日は、妻の仕事の関係で、僕がクルマを出し、まずは子供を保育園に送り、そのまま妻を仕事場まで送っている。

以前なら、楽しかった休みの後は必ずと言っていいぐらい、保育園の前でダダを捏ねていた我が子が、今日は、クルマから降りると、保育園の門まで走っていった。

その後ろ姿を見ながら「成長したんだな・・・」と思い、親バカながら、我が子を逞しく思った。

・・・もう暫く、猛暑の夏を楽しもう!!

母のピアノ。

久しぶりに末弟家族も一緒になり、賑やかに過ごしたお盆休みも今日でお終い。

午後2時過ぎの新幹線で東京に戻ってきた。

いつもは2泊3日のところを3泊4日にしたので、丸々一日過ごせるのが2日あったこともあり、今年の帰省は盛りだくさんとなった。

初日は夕方に郡山に着いて、そのままお墓参りに行き、実家でみんなで食事をした。

翌日は今ひとつの天気だったが、東北サファリパークに出掛けた。
僕も初めてだったが、バスの窓まで寄ってくる動物に、子供たちは大興奮だった。

その日の夜は、叔父叔母の家で恒例のバーベキュー。
食事の後は、スイカ割りや花火を楽しんだ。

昨日は、天気が良くなったこともあり、久しぶりに猪苗代湖に湖水浴に出掛けた。思いの外、大勢の人が出ていて、中にはキャンプをしている人もいた。

2年前に来た時は、水が冷たいと言って怖がっていたが、今回はゴセイジャーの真似をしてはしゃいでいた。

そんなことで楽しく過ごしたお盆だったが、最終日の今日、朝食を終えた後、亡くなった母のピアノを弾いている我が子をみて、思わず、iPhoneでビデオに撮った。

実家の家は、僕が中学一年生の秋に建ったもので、その時からあるピアノは35年間、あの場所で僕たち家族の人生を見守ってきてくれたことになる。

ピアノは弾けない僕にとっては無用の長物だが、まさか、自分の子供が母の形見のピアノを弾く日が来るとは、考えたこともなかった。

母が生きていたら、どんな顔をして、孫がピアノを弾く姿を見ていたのだろう?

産みの両親は亡くなったが、家族の歴史は続いて行く。

シリアルアントレプレナー  「3度目の起業」と「初めての子育て」
東北サファリパークの像。バスの窓の中まで鼻を入れ、餌をくれとせがんでくる。

シリアルアントレプレナー  「3度目の起業」と「初めての子育て」
キリンも窓の中に顔を入れてくる。

シリアルアントレプレナー  「3度目の起業」と「初めての子育て」
猪苗代湖の湖畔。海と較べて水が冷たいのが難点だが、淡水なのでベタベタしないのがGood!

シリアルアントレプレナー  「3度目の起業」と「初めての子育て」
重装備でキャンプに来ている人達も大勢いる。

シリアルアントレプレナー  「3度目の起業」と「初めての子育て」
猪苗代湖から郡山へ帰る途中の田園風景。

シリアルアントレプレナー  「3度目の起業」と「初めての子育て」
今の母が、実家の庭で育てている野菜たち。朝食用に摘んできたトマトとピーマン。

楽しい夏休みを!

今日から3泊4日で、帰省先の郡山(福島県)。

東京と較べると人工熱が少なく、実家には庭があり、気持ちのいい風が吹く。

今年は、末弟家族と一緒に帰省できたので、賑やかなお盆になった。

先程は、子供達3人をお風呂に入れ、期間限定の大家族のようだ。

中学から高校を卒業するまで過ごした実家での夏を楽しもうと思う。

皆さんも、楽しい夏休みを!

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「明治神宮」と「七五三」。

今朝は投資先のイミオでの経営会議の後、青山のオフィスまで歩いた。

乃木坂から青山墓地を通って、約15分ほどの道のり。

途中で地図を広げている西洋人の女性が目に留まったので声をかけると、根津美術館へ行くという。夏休みで個人旅行の外国人が日本に来ているのだろう。

ところで、今日は「七五三」の予約会で、明治神宮へ行った。

予約会というのは、要するに子供の「衣装合わせ」のこと。

たくさんの衣装の中から気に入った「2着」まで試着できることになっており、我が子に着せてもらった。

初めて袖を通す「着物」が照れくさかったのか、彼は最後まではしゃいでいた。

子供に着物を着せながら、今から42年前、父に連れられて、郡山の安積国造陣社に行ったことを思い出した。

子供ができても、自分の子供の「七五三」のお祝いをするなど、想像したこともなかった。

何とも言えない不思議な感覚である。

シリアルアントレプレナー  「3度目の起業」と「初めての子育て」

予約の諸手続きが終った後は、拝殿に入り、お参りをした。

境内に入った時から気になっていたが、以前に来た時よりも、中国語を話す人達がたくさんいた。

今の国際情勢を如実に物語っている。

我が子が成人する15年後の日本は、いったいどんな国になっているのだろう。