「したいけど、できない。できるけど、したくない」。

今日は、この4月から非常勤講師としてお世話になることになった法政大学経営大学院(MBA)でのガイダンスがあった。

僕の担当は「プロジェクト」と呼ばれている「事業計画」策定(一般的な大学院でいう修士論文に該当するもの)の指導。

この経営大学院は「イノベーション・マネジメント研究科(通称イノマネ)」というところで、より実践的なカリキュラムになっている。

因みに、法政大学にはもうひとつ経営大学院があるが、そちらはもう少しアカデミックな内容で、昨年度の下半期は、そちらで客員教授を仰せつかっていた。

僕には、今回の経営大学院の方が向いていると思う。

ところで、今日のガイダンスで、初めて、イノマネの「教育理念」を聞いた。

「先端知識(Technical Skill)」「豊かな教養(Human Skill)」「知識の活用と構想力(Conceptual Skill)」により、「革新的なコンセプトを構築できる能力」を育成することが、イノマネの目的である。

上記の理念は、あまり驚きはなく、至極、納得の行くものだったが、僕にとって「大きな発見」だったことは、補足説明の方にあった。

(イノマネが育成したいのは)「社会」が求めている「問題」に気づき、

– 原因を分析・究明し、
– 現実的な解決策を立案し、
– 提案・実行・検証・改善できる人

という説明文があった。

僕が心を動かされたのは「社会が求めている問題」というフレーズである。

つまり、自分にとっての問題ではなく、社会にとっての問題を解決する、ということだ。

そんなの当たり前でしょ!!と言われてしまいそうだが、僕はある時まで、自分では「社会的な問題」を解決するためにビジネスをしてきたつもりだったが、それは確かに社会的な問題ではあるものの、僕がそれに取り組んでいるのは、「自分にとっての問題」であるからということに気づいた。

だから「自分にとっての問題」が解決されれば、あるいは「その分野での勝者にはなれない」ことに気づくと、それでも取り組もうという気にはなれなくなってしまうのだろう。

故に「人生は全て次の二つから成り立っている。したいけど、できない。できるけど、したくない」ということになる。

因みに、これは「ゲーテ」の言葉だそうだ。

話は変わるが、これは以前にもご紹介した孫さんの2時間以上に及ぶ講演(孫正義LIVE 2011)で知ったことだが、西郷隆盛は「名も要らない、金も地位も名誉も要らない。命さえ要らない。そんなやっかいな奴でないと大事は成し遂げられない」と言ったそうだ。

結局は、自分の「エゴ」を満たすために仕事をしているうちは「大事は成し遂げられない」ということである。

僕に、どれだけのことができるか分からないが、1年3ヶ月、こうして自分と向き合って来れたことが、人材紹介業から撤退したことで得た最大のメリットかもしれない。

さらに言えば、その「気づき」を今後の人生に活かせて、初めて、メリットだったと言えるのだろうけど・・・。

頑張ろう!!