「GDP」は、一夜にして「倍」になる。

Twitterを日常的に使うようになって、あることを思い出した。

インタースコープの頃だったか、その前のクリードエクセキュートという会社を経営している時だったかは忘れたが、人は「情報摂取」において、「メディア」と「特定領域における専門家(例:金融関係の著名人)」と「該当するテーマに通じている知人(例:AV家電に詳しい友人)」の誰からの情報を最も信頼するか?という調査をしたことがある。

もう随分前のことなので正確には憶えていないが、一番目は「メディア」ではなかったことは確かで、最も信用するのは、「該当するテーマに通じている知人」だったように思う。

また、この順番は、その人の「情報収集能力」とも関係しており、すべての人に共通しているわけではない。

さて、Twitterを頻繁に使うようになり、僕の情報収集行動がどう変わったか?だが、各方面で僕がフォローしている人が照会した記事やコメント等を読んで、その記事を読むか?その書籍や雑誌を買うかどうかを判断するようになった。

もちろん、そのような行動特性は以前からあったが、Twitterにより、会ったこともない人の中から、この分野は彼のを、あの分野は彼女のフィルタリングを信用しよう、というふうに、僕にとって必要且つ信頼できるフィルタリング機能を持つ人をフォローすることができ、情報摂取の「燃費」が格段に良くなってきたと思う。

ところで、今日は僕が大ファンのソフトブレーン創業者の宋文洲さんの講演会に出掛けた。

なんと、そこで、偶然にも、会場の様子を確認していた宋さんにご挨拶をする機会に恵まれ、名刺交換をさせていただいた。

僕から声をかけると、ちょっとびっくりされた様子で、ご自分から名刺を出し、僕と挨拶をしてくれた。

ところで、宋さんの話は、いつも聞く人の心をつかむ。

もちろん、頭脳明晰であることが前提としてあるのは間違いないが、関係者に気を使って真実を言わないという、日本人によく見られる「Diplomatic(社交辞令的)」な態度が皆無なのがいい。

細かなことは後日、改めてこのブログで書こうと思うが、今日、このエントリーで書いておきたいことは以下のとおり。

★キレイ事を止めて、「個人」としてどう生きたいのか?を考える。
★自分のことだけを考えればよい。但し、相手も自己中心。だから、相手の立場を考える。
★自分の好きに振る舞うが、法律は守る。

そして���

★「国(=政府)」は頼らない(頼れない)。
★自分のアイデンティティを確立する。

ということ。

「アイデンティティ」という意味では、世界三大投資家のひとりと言われている「ジム・ロジャース」は「冒険投資家」と称されることが多いが、僕は何と称されたいか?

それがアイデンティティである(僕は、今のところ、自称シリアル・アントレプレナー)。

また、中国の20才に「将来、社長になりたい人は?」と訊くと、「26%」の人が「なりたい」と答えるらしい。

今の日本はどうだろう?

「草食系」なる言葉が流行っていることをみても、とてもとても、中国の数字に遠く及ばない。

また、その「26%」の中国人は、かなり「強烈」な人達のはずである。

宋さんは「その26%に日本人は勝てませんよ」と言っていたが、そのとおりだと思う。

だからこそ、「GDP世界NO.2の経済大国」などという、馬鹿げた(外形基準)アイデンティティは捨ててしまいなさいよ、ということである。

「数」で言えば、「人口」「自転車」「リヤカー」等の数はとうの昔に、今日においては「自動車」でさえも、日本は中国に負けているのである。

そして、中国の人民元が対米ドルで切り上がった瞬間に、中国のGDPは大きく上昇する。

それだけとってみても、GDPという外形基準は役に立たないと、宋さんは喝破していた。

そして「自分が生まれた国(だけ)にいつまでもいちゃダメですよ。(世界と自国を)客観視できません」と檄を飛ばしていた。

それは「北京に住むようになって、東京の『居心地の良さ』を改めて実感しました。これが当たり前と思ってはいけません(現実が見えなくなりますよ)」ということだ。

もうひとつ、キレイな社長室には「情報」は無く、「現場(現地)」にしか「情報」はない(宋さん)。

宋さんの話から、彼が母国のことは当然、そして、日本に対しても深い愛情を持っていることが伝わってきた。

その宋さんは「中国人は『中国』という枕詞を使いませんよ。『国』のためなんて思っていないんです。個々人が必死に頑張ったことが、結果として、今の中国を創ったんです」と続けていた。

考えさせられる話である。

僕もまだまだ頑張ろう。

追伸:今朝起きてから、少し書き足しました。ということで、続編はないかもしれません(笑)。