「ユニクロ」が海外でも強い理由。

明治大学の大石教授が主催するグローバルマーケティング研究会で、ユニクロの海外事業を担当している方のお話を伺う機会があった。

日本では大手百貨店に一斉出店、海外ではロシアへの進出が決定し、絶好調のユニクロだが、海外事業(イギリス)での失敗など、普段は聞けない、とても参考になる話を伺うことができた。

イギリスでの失敗の原因は、What’s UNIQLO ?(ユニクロの理念)をきちんと浸透させることができないまま、現地社長・現地幹部に権限委譲をしてしまい、ユニクロの良さを発揮できなかったことや、夏でも湿気が少ないイギリスの気候をよく理解せずドライポロシャツを販売したこと(商品のミスマッチ)などにあったという。

一方、シンガポールでの出店に関しては、計画比200%超の水準で推移しており、大きな成功を収めているそうである。

その「成功の理由」は色々あるようだが、「なるほど」と思ったのは、出店前の時点で、シンガポールにおける「ユニクロの認知率」が、なんと「40%」もあったということ。

要するに、マーケティングの最初の一歩である「認知度」の獲得が、既に出来ていたということ。

そのような経緯を踏まえて、ユニクロの海外事業の今後の方針は、「世界の主要ファッション都市における旗艦店」+「アジア市場でナンバーワンとなる(アパレルにおいても、ジャパンブランドが機能する市場)」ということだという。

自分にとって「有利な市場(自分の市場)」はどこか?を考えて、そこで勝負することが大切だということ。

何事も原理原則はシンプルである。

しかし、あの柳井さんでさえ失敗することがあるわけで、我々のような凡人が失敗するのは当然である。

問題は、失敗から何を学べるか?である。

今までの「自分の歴史」を振り返ることで、そこから学べるものがあるように思う。