ジョン・レノン

毎月1回のラソナセンシュウの経営会議の後、近所のカレー屋さんに入り、昼食を食べた。

真剣な議論をした直後で、まだ緊張モードが続いていたその時、「ジョン・レノン」の「ウーマン」が流れた。

彼の何とも言えない優しい声とメロディーラインを耳にして、心が「ふわっ」と軽くなった。

人を勇気づけたり、今日のように緊張を解いてくれたり、悲しみに暮れる人に希望を与えたり、音楽の持つ力は素晴らしい。

人間とは「心の生き物」だということを、改めて実感した。

僕が、そういう傾向が顕著な人間ということかもしれないけど・・・。

「運だけ」では「勝利は重ねられない」。

ゴルフが好きな人なら誰でも知っている「杉原輝雄」というプロゴルファーがいる。

通算63勝は、尾崎将司、青木功に次いで3位の戦績である。僕の父も生前、好きな選手のひとりだと言っていた。

その杉原プロ、6月14日で満72歳になったそうだ。癌と戦いながら、今も尚、現役として頑張っている。

杉原プロは時々、新聞にコラムを書いているが、今日の日経新聞に、とても考えさせられるコラムが書いてあった。

「初勝利は『運の良さ』が後押しすることが多い。そして勝利を積み重ねるごとに、運に頼る部分が減っていく。10勝ぐらいかが一つの節目だろうか。そこまでくると勢いはいよいよ本物だし、自信も膨らんでくる。優勝争いをしてもプレッシャーをさほど感じなくなる」。

僕が「考えさせられた」のは、「勝利を積み重ねるごとに、運に頼る部分が減っていく」という件(くだり)。

杉原プロは、そういう意味で言っているのはでないが、「運だけでは勝利は重ねられない」という意味でもある。

また、先週のUBS日本ゴルフツアー選手権の最終日に、「安全に行こう」として15番ホールでボギーを叩いて自滅してしまい、2勝目を逃した「I.J.ジャン」プロのことを、「スイングは悪くなかった」ので、「バーディを取って決めてしまおう」という気持ちがあればミスはしなかたと思う、とも言っている。

いわゆる、2勝目のプレッシャーがあったということだ。

そして、「勝つ」ためには練習しかない」とも言っている。

すべて当たり前のことだが、偉人の言葉には説得力がある。

精進あるのみ。

子供たちの笑顔。

昨日は、子供が通う保育園の友達家族が遊びに来てくれた。

大人6人+子供5人。我が家を入れて、計4家族。

大人の数より子供の数の方が少ないのが世相を物語っているが、子供の縁で「親たち」の親交が深まるのは、とても楽しいことである。

なんと、僕が時々通っている「お店」のオーナーが、子供の友達のご両親だったことが分かり、不思議な縁を感じる。

結婚しても、子供がいるかいないかで、生活の中身は大きく異なる。

「子供たちの笑顔」は、何ものにも勝る宝物である。

「起業」 v.s.「終身雇用(定年退職)」

今月は、金曜日が鬼門?のようである(笑)。

ところで、財団法人 日本生産性本部が実施した調査結果で、いかにも今の時代を反映したものがある。

2009年度 新入社員 意識調査

「今の会社に一生勤めようと思う」:過去最高(55.2%)
「社内で出世するより、自分で起業して独立したい」:過去最低(14.1%)

一方、

「自分には仕事を通じて適えたい『夢』がある」:過去最高(71.6%)

という結果が出ている。

皆さんは、この調査結果を、どう受け止めるだろうか?

詳細は、日本生産性本部の資料を参照いただくとして、僕が「注目に値する」と思ったのは;

※「今の会社に一生勤めようと思う」は、1997年(27.3%)から2000年(20.5%)にかけて低下し、その後、上昇に転じて、今年は遂に「過半数(55.2%)」に達していること。

※「社内で出世するより、自分で起業して独立したい」は、2003年(31.5%)から一貫して下がり続けており、2009年には「14.1%」にまで低下してしまっていること。

という事実である。

まさに、ネットバブルがピークの2000年に「就職した会社に一生勤めようと思っている」割合が最低(20.5%)となり、ネットバブル崩壊と共に、終身雇用(終身勤務)を善しとする傾向が右肩上がりになり、「起業意欲」は、その真逆になっているということである。

しかしである。今の新入社員も「仕事に『夢』を見たい」のである。でも、自分で起業してではなく、「組織の力」で。

要するに、今の世の中は、「リスク」に対する「リターン」が「見合わない」のである。

平たく言えば、「ハイリスク・ローリターン」ということである。

「起業意欲」が湧かないのは、当然である。

でも、人間は誰でも、自分の将来に対して「希望」や「夢」を抱きたいし、それが抱けない社会を幸せな社会とは思わないだろう。

少子高齢化も、子供を産むことに対する「ハイリスク・ローリターン」の結果だろう。

「リスクを取った人が報われる社会」を創ることが、「この国の未来を明るくする」と思う。

そのために、自分にできることをしていきたい。

日々精進あるのみ。

「田町」行きのバス。

首都圏に住む方以外には、何のことだか分からないと思うので、補足説明をしたい。

渋谷駅と「田町駅(山手線の駅)」を結ぶ都営のバスがある。

僕は20代のある半年間、毎朝、そのバスに乗って仕事に行っていた。

ODSという独立系のコンサルティング会社を辞め、外資系の広告代理店に転職した頃だった。

ODSは、青山の骨董通りにあり、周囲にはオシャレなお店が立ち並び、華やいだ場所で仕事をしていたが、転職した外資系の広告代理店は、「魚藍坂(ぎょらんざか)」という、周囲に電車の駅がない、不便な場所にあった。

不便な場所という意味では、西麻布や南青山7丁目あたりも不便なエリアだが、「魚藍坂」は単に不便なだけでなく、正直に言って、みすぼらしいエリアだった。

ODSを辞め、その外資系の広告代理店に転じる際、その選択は正しいものではないと僕の「直感」が訴えていたが、そのままODS(コンサルティング会社)に留まりやっていく自信も持てず、間違っていると知りつつ、転職をしたという経緯があった。

そういう背景が、バスに揺られて通勤しなければいけない不便さを「惨め」に感じさせていて、僕にとって「田町行き」のバスは、未熟だったあの頃の「傷心」の思い出そのものである。

そんな当時の僕を支えてくれたのは、結局は「仕事」だった。

場所がオシャレじゃないだけでなく、自由闊達なODSと違い、歴史と伝統があるワールドワイドの広告代理店は、市場分析においても戦略立案に際しても、独自のメソッドや細かな決め事があり、自由演技と試行錯誤を善しとされて育った僕にとっては、苦痛で苦痛で仕方なかったが、とにかく仕事に専念することで、周囲、特に、上層部が認めてくれて、それなりにおもしろい仕事を担当させてもらっていた。

しかし、個人の裁量の余地が少なく、媒体支配力など、「組織としての力」で仕事をする広告代理店という土壌が肌に合わず、結局、半年ちょっとで退職した。

でも、そのフラストレーションとストレスがなかったら、僕は「起業」していなかったと思う。

また、自分が良いと思ったことを社内で通すことが、どれだけ、どうして大変かとか?役員が朝、僕の机に来て、いきなり仕事を頼まれたり、会議への出席を要請され、苦労をして調整したアポのキャンセルを余儀なくされたりと、硬直した組織で働くことの何たるかを学んだ時期でもあった。

そして、今でも、人生に悩んだ時に相談にのってくれる貴重な「元上司」も得ることができた。

どんな出来事も、最初から意味があるわけではなく、そこに「どんな意味」を見出すか?は、個々人に委ねられている。

そういう意味では、僕にとって「田町行き」のバスは、どんな時も「腐ってはいけない」という「メッセージ」でもある。

「メッセージ」という意味では、石原都知事の政策により、財政再建のための「収入源」のひとつとして、都営バスに「広告」が掲載されるようになってから久しくなる。

話は変わるが、先日、ある投資会社を経営する方の「少子高齢化」の副産物としてプラスの側面もあるという話を聞き、世の中は、常に、多面的に見る必要があることを痛感した。

どんな局面にあっても、「広い視野」と「ポジティブな気持ち」を持てるようになりたいと思う。

マクロミルの杉本さん

杉本さんが、マクロミルの代表取締役に復帰することを知ったのは、先月上旬のことだった。

驚かなかったと言えば嘘になるが、杉本さんの性格を考えると、不思議ではないとも思った。

マクロミルのリリース資料には、厳しい経営環境のことが説明されていたが、一度、代表を退いた杉本さんが代表取締役会長兼社長に復帰することは、杉本さん自身にとって、相当の覚悟があった筈である。

既に、お金も名誉も手にした杉本さんにとって、それらはどうでもよく、自分が創業した会社が、自分が理想とする経営状態ではなくなることが、何にもまして許容できなかったのだろう。

アップルのスティーブン・ジョブスと比較しては褒めすぎだと思うが、それに似た心境だったのではないかと思う。

話は変わるが、僕が山川さんと一緒にインタースコープを経営している頃、インフォプラント創業者の大谷さんとふたりで設立したインターネットリサーチ研究会(略称:IRJ)では、2007~2008年に、インターネットリサーチの市場規模が「約500億円」程度になると推定していた。

500億円には届いていないにしても、インターネットリサーチの市場規模は、400億円程度にはなっていると思われる。

しかし、それはイコール、インターネットリサーチ市場の成長が鈍化していることも意味しており、マクロミルのリリース資料にも書かれているとおり、将来の成長のためには、インターネットリサーチ以外の事業を創っていく必要がある。

競合他社をM&Aで買収していくという方法もなくはないが、異文化の融合は容易くはないし、利益率を重視するマクロミルでは、そういう戦略は採らないだろう。

アップルが「I.T.」に軸足を置きながらも、「マック」から「iPod、iTunes」へと業容を拡大・変革したように、マクロミルが今後、どのような事業展開をしていくのか?そして、インタースコープとインフォプラントが合併してできたヤフーバリューインサイトが、どのような会社になっていくのか?注目していきたい。

そして、それ以上に、僕自身が、平石=インタースコープ(インターネットリサーチ)という過去の遺産から脱却し、どのような人生を切り拓いていくのか?どのような「バリュー(新しい社会的価値)」を創造していけるのか?そのことに、今まで以上に集中したいと思う。

「人の世に不変なものは変化のみ」。

インタースコープ時代、杉本さんからは多くのことを学ばせていただいた。

これからも、彼の生き方から、学んでいこうと思う。

「直感」を信じる。

すべての領域で社会の構造が大きく変化している今、先を見通すことは、誰にとっても難しい。

事実を確認しデータを集めることは大切だが、過去の延長線上に正解はない時代において、それだけで「大きな決断」はできない。

何故なら、いくら緻密な分析をしても、成功の保証はどこにもない。

客観的な分析をした後は、信じるのは自分の「直感」だけである。

スティーブン・ジョブスの伝説のスピーチ(スタンフォード大学の卒業式)のとおり、「自分の心は答えを知っている」。

マネックスの松本さんも、ライフネット生命保険の立ち上げに参加することを迷っていた岩瀬さんに「直感を信じよ」とアドバイスしたという。

問題は、自分を信じられるかどうか?

それには「信念」が必要である。「言うは易し、行うは難し」。

弊社の株主の皆さんとの会話から(感謝)。