キリンビール

先週の木曜日、前日に株主報告会も終わって一息ついたこともあり、久しぶりに「QM義塾社長大学」の勉強会に出席した。

今回のゲスト講師は、キリンビール前社長の三宅占二氏(現在は、キリンホールディングスの代表取締役副社長)。

1870年に、米国人のウイリアム・コープ氏により、「外資」として創業された「スプリング・バレー・ブルワリー」がキリンビールの前身だという話(初めて知った)や、ビール業界首位の座をアサヒビールに奪われた頃の話など、短時間ではあったが、とても貴重な話を伺うことができた。

三宅氏の話で最も印象に残ったのは、製造業というビジネスは、極めて多岐にわたる仕事によって構成されており、どの部署に就くか?によって、同じビール会社でも、全く異なる仕事をするということである。

それは、わざわざこうして書くまでもなく、当然のことと言えばそれまでかもしれないが、キリンが危機感を募らせて背水の陣?で発売した「のどごし生」の舞台裏として、「生産」「ロジスティクス」「営業(販売)」という異なる機能(部署)をいかにして結束させ、その結果として、ヒット商品を生み出したか?その話を聞いて、製造業を経営することの大変さを垣間見た気がした。

前職インタースコープ(インターネットリサーチ)でも、「営業」「調査設計・分析」「実査(プログラミング)」「R&D」「モニター管理」「総務経理」と、部署によって仕事内容は大きく異なり、しばしばセクショナリズムに陥ってしまう社内をどうやって「全体最適」化するかで苦労をしてきたが、当然のことながら、その比ではない。

そりゃ、規模も違うし、比較すること自体がおこがましいことだが、大企業を経営することの大変さをリアルに想像できことは、得るものが大きかった。

こういった機会が無ければ、キリンビール前社長の話を間近で伺うことなどあり得るはずもなく、パソナの南部さんをはじめ、「QM義塾大学」を運営されている諸先輩方に感謝である。