日本「中退」予防研究所

僕が「アドバイザー」を仰せつかっているNPO法人コトバノアトリエ代表理事の山本さんが、「日本中退予防研究所」という新しい事業を立ち上げた。

実は、何を隠そう、僕は「高校中退」経験者だ。

幸運なことに、僕は、高校を中退した翌年、新たに高校に入学し直し、何とか無事卒業し、大学に進み卒業した。

当時と今とでは時代がまったく異なるので単純な比較はできないが、「中退」経験者として、彼の事業構想を聞いた時、その社会的価値に「心」を動かされた。

山本さんが運営している事業は、お世辞にも儲かっているとは言えないが、でも、彼は、いつも、とても活き活きとしている。

自分の人生の「ミッション」を見つけ、そのことを信じているからだろう。

素晴らしいことである。

その山本さんから届いたメールに、こんなことが書いてあった。

「大学を卒業してから今日まで、七年ほどNPOの代表をやらせていただきました。その間、悩みに悩みぬいて、いや、まだ悩み足りないような気もいたしますが、七年間の一つの答えとして、本事業を立ち上げることにしました」。

僕から見ると、何の迷いも悩みもなく、一心不乱に自分の事業に邁進しているように見える彼でも、「悩みに悩み抜いて」今日に至っていることを知り、僕自身、まだまだ悩み足りないのかもしれないと思わされた。

アドバイザーなどという役割を仰せつかってはいるが、彼から相談を受ける度に、実は、僕自身が様々な気づきや学びの機会を頂いている。

経済的利益の多寡だけが、世の中の価値基準ではないことを、彼との付き合いを通じて学んでいる。

そうは言っても、「煩悩の塊」の僕は、彼とは別の意味で悩みの多い人生を送っている。

その「悩み」から逃げず、正面から向き合い続けることが、自分自身の成長に繋がるのかもしれない。

彼に負けないように、僕も頑張ろう。