育児は「育自」。

昨日の日経新聞の夕刊に、元横綱「貴乃花光司」氏のコラムが載っていた。

現役時代の晩年は、実兄の花田勝氏との確執等により、それまでの輝かしい実績に泥を塗った感があるのが残念だが、昨晩のコラムには、とても素晴らしいことが書いてある。

タイトルは「息子がくれた勝つ執念」。

「子供が励みになった」という、ある意味、よく聞く話しだが、通算優勝回数で歴代3位?の逸材の言葉ゆえ、説得力がある。

日経新聞を読んでいない方のために、少しだけ、内容を紹介したい。

「パパは相撲部屋を守るから、君は家族を守って欲しい」。
長男が中学生になった先月、入学式の朝に初めて男の約束をした。13歳の少年には酷かもしれない。だが、幼いころから相撲に懸ける私をみてきたからか、大人びて見える。妻や二人の妹の心の支えになれるはずだ。息子が「分かりました」と答えてくれたのがうれしかった。

負けて帰ると息子が「立ち合いのタイミングが合わなかったね」などと幼いながらも必死に敗因を分析してみせる。その真剣な顔を見ていると逃げられない。もっと強くならなければならないと思った。
(中略)無口だった父(元大関・貴乃花)にとっても私は勝利の力になっていたのだろうか。

長男に接するときに心がけているのは、信じることだ。彼は小学校の相撲大会に参加していたが、負けることが多かった。そんな時もあえて知らんぷり。負けてから立ち直る強さを見につけてほしいと思ったからだ。

もっとも、彼は相撲の道に進むつもりはないらしい。私も賛成だ。(中略)大関で引退した父の夢は、私が横綱になって果たしたと思う。花田家として相撲界に残すものはもうないとも思う。好きな道を歩めばいい。

ひとつだけ息子に望むのは揺るがない信念を持ってほしいということだ。私がなんとかやってこられたのは、何があっても土俵は裏切らないという覚悟があったからだ。息子も信念を持ち日本の将来に役立つ仕事に就いてほしい。

「親」という漢字は、「木、立つ、見る」の組み合わせ。
少し離れたところから見守り、助けが必要な時にすぐに手をさしのべる。そんな父親になりたいと思っている。

追伸:このエントリーのタイトルは、当社の女性スタッフ(働く母親)から教わった言葉である。
その2:「私」ではなく、「私たち(兄弟)」と書いてあったら・・・と思ったのは、僕だけだろうか。