今日のタイトルは、数日前の日経新聞に載っていたハートフォード生命保険会長のグレゴリー・ボイコ氏のコラムのタイトルである。
彼は長年、趣味で「養蜂」を楽しんでいるらしいが、ハチの巣ではすべてのハチが役割を担い、巣全体の利益のために貢献するという。
具体的には、女王バチや働きバチはもちろん、年老いて飛べなくなったハチも、巣の清掃や幼虫の世話など、重要な責任を負っている。全員が力を合わせ大量のミツを集め、広範囲に渡り受粉を行う。
このコラムを読んで、僕は子供の頃を思い出した。
僕の家族は、俗に言う「大家族」で、三世代が同居していた。
父の両親(祖父母)、両親、父の妹(叔母)がふたり、そして、僕たち3人兄弟。
最も多い時は、9人が一つ屋根の下で暮らしていた。
話しは何年も飛ぶが、両親(産みの両親)が亡くなり、祖父母も亡くなったある時、今の母がこんなことを言���た。
「お祖父さんがいなくなって、庭の草は生え放題。今更ながら、お祖父さんは大した仕事をしていたことが分かったよ」。
僕たちの母親(産みの母親)は、教師をしており、ずっと働いていた。
それが可能だったのは、祖父母がいたからだ。
夕食はいつも、祖母が作っていたし、家に帰れば、祖母が作ってくれたおやつがあった。
親父の妹ふたり(僕たちにとっては叔母)には、色々な遊びや勉強を教わったりした。ベンチャーズも、叔母から教わった。
古い話しなので、30代以下の方には??だろうが、一時期、日本中で流行ったテレビドラマの「寺内貫太郎一家」のような家族だった。
あのドラマ同様に、とても温かい家庭だった。
そして、僕が生まれ育った土地(&時代)には、そのような家族がたくさんあった。その後、僕たち世代は「新人類」と呼ばれたりしたが・・・。
因みに、僕の大好きな映画「ゴッドファーザー」では、初代ドンが「家族を大切にしない奴(男)は大成しない」と言いきっていた。
家族はもちろん、会社も同じだろう。
会社は「利益」をあげることを「目的」とした集団であることに疑いの余地はないが、それ以外の「何かを共有しているか?(できるか?)」否かが、その組織の「強さ」と「幸せ度」を決めるように思う。
尚、グレゴリー・ボイコ氏(おそらくアメリカ人)は、「ミツバチの羽音を耳にし、『日本で学んだ調和の大切さ』を改めて思い起こす日々を迎えている」と締め括っている。