Made in Japan:僕も「挑戦し続ける」。周囲の人たちの「無言の励まし」に感謝。

昨日は、妻の修士論文の発表、つまり、口頭試問の日だった。

まあ、余程のダメダメな論文&発表でなければ、彼女の大学院生活は、この3月で無事、文字どおり「修了」するだろう。

学部(大学3年生)への編入試験を受けるために予備校に通い出した頃から数えて、丸5年になる。

振り返ると、僕にとっても密度の濃い5年間だった。特に、子供が生まれてからの2年半は・・・。

元グロービスの小林さんの奥さんの君江さんもそうだが、「ママ学生」は本当に大変である。

その苦労はなかなか他人には理解してもらえず、本人にとっては、それがプレッシャーにもなる。

自分の妻ながら、本当によく頑張ったと思う。僕と彼女の両方を知る人には、間違いなく、彼女の方が聡明であり、努力家であることは明白である。

30歳を過ぎての大学3年へ編入の受験勉強の頃は、中目黒の44平米の狭い賃貸マンションのリビングにおいた、僕と僕の弟が学生時代に一緒に住んでいた頃に使っていた正方形のダイニングテーブルで、朝は僕が起きる前から、夜は僕が帰って来る頃まで、毎日「12時間以上」勉強をしていた。そんな生活を10ヶ月ぐらいは続けていただろう。

当時の僕はインタースコープを経営していたが、幸いなことに会社はそこそこ軌道に乗っており、土日は殆ど出社しなくてもよくなっていた。

そんなこともあり、土曜日は、高円寺だったか荻窪だったかにあった彼女が通っていた予備校まで、しばしば、僕の人生で初めて買ったクルマで、送って行った。

大学院の受験の時は、学部受験の時ほどではなかったが、それでも、毎日8~10時間ぐらいの勉強を6ヶ月ぐらいは続けていたと思う。

学部への編入の競争倍率は「約20倍」。大学院入試のそれは「約10倍」。

上げたり下げたり激しいが、僕の妻は、極々普通の女性である。にも関わらず、頑張れば、そういう難関も突破できるということだ。

人間、本当に自分がやりたいことがあり、それに向けて自分にできる最大限の努力をすれば「何とかなる」ということを、僕は彼女から学んだような気がする。

今でも決して得意ではないが、中学生以下の英語力しかなかった彼女が、今では専門書を「原書(英文)」で読み、英語が得意(自己申告/笑)な僕に対して、「平石さんに訊いても無駄だから・・・」というようになった。実際、僕は会話は得意だが、難しい文法の英語を読むのは勘弁である(笑)。

さて、今週月曜日は、当社の「泉谷」も修士論文の「口頭試問」があった。彼曰く、とても緊張したらしい。

それはその筈だろう。何と口頭試問の審査を担当する教授が、彼が途中で受講を止めた授業の教授だったのだから(笑)。笑ってはいけないが、彼にとっては、生きた心地がしなかっただろう。

でも、彼の論文が通らないということはあり得ない。無事に大学院を卒業できるだろう。お祝いをしなければいけない(笑)。

さて、昨夜はパソナの南部さんたちが主宰する「QM義塾社長大学」のセミナーで、アスクルの岩田社長のお話を拝聴させて頂いた。

文具メーカーのPLUS社員だった岩田さんが、社内ベンチャーとしてアスクルを創業し成功に至った物語は至る所で紹介されているので、そのことはご存知の方が多いだろう。

因みに、アスクルのロゴマークは、僕も何度かお仕事をご一緒させて頂いた宮城さんというデザイナーの方によるものだ。そんなこともあり、僕はアスクルの岩田さんの講演をとても楽しみにしていた。

岩田さんのお話で最も印象に残ったのは「社会最適」という言葉だ。

「部分最適」や「全体最適」という言葉はよく見聞きするし、僕も時々使っている。

しかし、「社会最適」という言葉は昨日、初めて伺った。

ダーウィンの進化論のように、環境に適応できた「種」だけが生き残るのであるが、同じことを、マネックスの松本さんも言っていた。そのことを思い出した。

また、岩田さんの講演後、ご挨拶をさせて頂く機会に恵まれたが、僕は「アントレプレナー(創業経営者)」が好きだということを再認識させられた。

またひとり、僕が50代になった時に目指したい人が増えた。

またまた、話しは変わるが、前FRB議長のアラン・グリーンスパン氏の著作「波乱の時代」の下巻の100頁ぐらいまで到達した。本当に勉強になる本である。

そのグリーンスパン氏が、日経新聞の「私の履歴書」に連載されている。

今日の記事で彼の連載は終了であるが、昨日の記事にとても印象的なことが書いてあった。

「イチローの打率は驚異的である」。その一言が書いてあった。

グリーンスパン氏は現在80歳だったと思うが、その年齢の方は、戦前の日本と戦後の日本を知っており、そういう方にとっては、戦後の日本の復興は紛れもない「奇跡」として映っていることと思う。事実、奇跡だと思う。

高度経済成長期の日本に生まれた僕は、今までそんなことは考えもしなかったが、こうして僕らが何不自由ない生活が出来ているのは、紛れもなく「奇跡」であり、先人の並々ならぬ努力の賜物である。

グリーンスパン氏の本や私の履歴書を読んでいて、そのことを考えさせられた。

「Made in Japan」という言葉が流行った時代があったが、イチローは今の日本社会最大の「輸出品(人)」だろう。

毎日毎日、挫けそうになるが、僕も頑張ろう!!!