それでも★フジテレビ★を目指すのか?

僕が社外取締役を務めているラソナでは今、ある重要なポストの採用を進めている。

それに伴い面接をしているわけだが、お会いした方々との会話の中で、こちらが学ばせていただくことが非常に多い。大変ありがたいことである。

それらの中で最も印象に残ったこと=勉強になったことを、整理してみようと思う。

★どんなことでも構わないので、自分たちが「NO.1」になれる市場(エリア)を探す。

★その市場で「NO.1」を実現し、維持するためにフォーカスすべき領域(営業/サービス/技術.etc.)を決めて、徹底的に実行する。

★自分たちにとっての「最重要顧客」を定義し、彼らにフォーカスする。

どれも極めて常識的なことだが、現在のラソナを含めて、それを実践できているところは少ないように思う。逆に言えば、それを実践できたところだけが、自分たちがビジネスをしている市場で「NO.1」になれるということだろう。

では、どんなビジネスを行うのか?何を目指すのか?これも非常に重要な論点である。

例えば、

フジテレビを目指すのか?
★フジテレビの番組を作る制作会社を目指すのか?
★ユニークな地方局(何かに特化しているという意味)を目指すのか?
★その地方局の番組を作る制作会社を目指すのか?

ということだ。

僕がインタースコープを創業した2000年前後は、ネットビジネスという市場がまだ「原っぱ」で、「先見性と行動力」があれば勝負できる時代だったが、今のネットビジネスは成熟してきており、そこでNO.1プレイヤーを目指すということは、現在のNO.1プレイヤーを凌駕するか?併存できる異なる事業を構築するしかない。

それは、多額のお金があっても難しいと思う。何故なら、ランチェスターの法則が働くからだ。

もうひとつ、重要な論点がある。

それは、今からネットビジネスにおけるフジテレビを目指す勝負をするには、1億や2億といったレベルではなく、10億円単位の「先行投資」が求められるということだ。

実現しようとしている「プラン」が魅力的で、且つ、「経営チーム」が優秀であれば、今の時代においてはお金を集めること自体は可能だと思う。

しかし、問題は、10億円というお金を持ってビジネスを行う際に求められる「判断基準」や「行動様式」を、★その組織が受け入れられるか?★という点である。

ある方が、まさしく、その点を指摘していた。とても優秀な方である。

僕が好きなゴルフに例えれば、プロゴルファーであっても、誰もが「タイガーウッズ」のスイングを習得できるわけではない=理論的には理解できても、身体が習得できない、ということだ。

持って生まれた才能や素地が異なるのである。

ラソナが目指すべきものは、キラリと光る「ユニークな地方局」だろう。それでも、難易度は決して低くはない。とても高いハードルである。

ところで、ドリームビジョンはどうするべきか?

当然のことながら、僕にとっての「最重要課題」である。

今年の「夏休みの宿題」である。