「存在」から「生成」へ

つい先日、2回目の「自分宛のハガキ」が届いた。ETICが開催している「cafe」というイベント参加者のためのものである。

そこには、昨年のcafeに出席した際に、自分に宛てたメッセージが書かれており、この一年間の成果を振り返ることになる。残念ながら、自分に課した目標はクリアできていない。

ところで、田坂広志さんのメルマガに、ノーベル賞科学者、イリヤ・プリゴジン博士の著書、『 From Being to Becoming ~ 存在から生成へ ~』が紹介されていた。

詳細は割愛するが、宇宙創世とともに誕生した物質は、ただ「存在」しただけでなく、100億年以上の時間をかけて、物質から生命が「生成」され、生命から精神が「生成」されきた、と解説されている。

そして、なぜ、物質は、ただ「存在」( Being )し続けるだけでなく、その中から、生命や精神というものが「生成」( Becoming )されてくるのか、その深遠な問いに対する答えを求めて書かれたのが、この『 From Being to Becoming 』という書だそうだ。

それを受けて、田坂さんは、こう述べている。

~ しかし、我々の「精神」は、その成長の段階において、
「自分を超えた何かになろう」との意欲に駆られるのですが、
それが成熟の段階を迎えるとき、
「ただ自分自身であろう」との、静かな境涯がやってきます。

すなわち、「 From Becoming to Being 」

その不思議な回帰のプロセスがやってくるのです。~

何とも深いテーマである。

ゴルフで良いスコアが出る時の境地に似ている気がする。