「義援金」と「政治献金」。

ETIC主催の社会起業家コンテスト「STYLE 4th」で優秀賞を受賞した岩本さんという女性がいる。授賞式では光栄にも、僕が賞品を渡す役を務めさせて頂いた。

実は、岩本さんが「どんかふぇ」というお好み焼き屋を出店していた横浜の「浜マーケット」という商店街で大きな火災があり、岩本さんの「どんかふぇ」も全焼してしまった。それにもメゲズ、復興に向けて元気で頑張っている。

火事のことは岩本さんが発行しているメールニュースで知ったが、そこに「義援金」の窓口が書いてあったので、気持ちばかりのお金を送ることにした。

岩本さんが取り組んでいる事業は、親との関係が上手く行かなくなってしまった子供達や引きこもりの子供達等の「自立(自律)」を支援することで、自分が借りている家(寮のようなもの)に一緒に寝泊まりして、就業機会を提供するという意味で「どんかふぇ」で働いてもらっているというものだ。因みに、岩本さんが経営するお好み焼き屋(どんかふぇ)は、年商1億円である!!! 行政の助成金に頼ることなく、ビジネスとして売上と利益をあげながら、自分に出来ることをコツコツと実践している。その「強さ」には感銘すら覚える。

ところで、岩本さんに「義援金」を送ったのと同じ日に、古くからの知り合いである民主党の議員の「後援会」の入会金を支払った。名目は異なるが、いわゆる「政治献金」である。僕にとっては初めての経験だ。

彼の後援会に入会して彼の活動を支援しようということは暫く前に決めていて申込書も送っていたが、いざお金を振り込もうとした時に、一瞬、僕の脳裏を過るものがあった。

それは、岩本さんへの「義援金」と民主党の議員への「後援会の年会費(支援金)」は、いったい、どちらの方が「価値」があるのだろうか?というものだ。

知り合いの議員は能力および人格共に素晴らしい人で、そのことは何も心配していないが、はたして、今の日本の政治システムの中で、たいした金額ではないと言うものの、僕のお金は本当に「有効に機能するのだろうか?」 そう思ったのである。

岩本さんへの義援金は、それがどう使われて、どう人々の役に立つかが極めてクリアにイメージできる。なので、僕のお金は「生きたお金」になることは100%間違いない。しかし、後援会費という名目で今日の日本の政治を支援するお金は、本当に「有効に機能するのだろうか?」 そんな疑問にかられた。

「直接効果」と「間接効果」の違いかもしれないが、であれば尚のこと、「間接的にしか民意を汲み上げられない今の政治システム」には、多くのことを期待せざるを得ない。

そのことを阿部首相は理解されているだろうか?