ゴルフは経営そのもの。

昨日は今年初めてのゴルフに行った。

メンバーは、元アップルの前刀さん、素材系ベンチャーの取締役をしている蛭田さん、森ビルの川端さんと僕の4人。いつものメンバーである。既に、あと4回は予定されている。

スコアは、53+53=106 でガッカリ。

でも、ロングホール4つ中3つはドラコンを取り、最後のショートホールでは、アゲインストの151ヤードをピンそば80センチにつけ、難しい下りのスライスラインを沈めてバーディを取ったりと、ショットのキレはまずまずだった。

スコアが悪かったのは「戦略ミス」だ。

あるロングホールで僕は、キャディーさんにヤーデージの確認をした。

左のバンカーまでは130ヤード。右奥のバンカーまでは180ヤード。ピンまでは225ヤード。

アゲインストの風だったので2オンは諦め、手堅く3オン狙いにした。

しかし、僕が選択したクラブは自分の飛距離で「160ヤード」の6番アイアン。

こういう時に限って、ドローボールの力強い球が打てて、結果は、左手前のバンカーの「先にあるバンカー」につかまった。そこからのリカバリーができず(3オンできず)、左のブッシュに打ち込み、結果は「10打」の大叩きとなった。

その時の僕の心理状態は、こんな感じだった。

「130ヤードで刻むのは『何となく』嫌で、でも、右のバンカー手前を狙うのはミスショットした時にダメージが大きい。なので、その2つのバンカーの間のフェアウエイ(そこに落とすのが一番難しい)にボールが『飛んでくれれば・・・』」。

極めて「曖昧」な狙いのまま、ショットを打ったということだ。

6番アイアンのショットを打ってバンカーに入れた時、僕は、僕の弱点が分かった気がした。

その点、前刀さんは、そういう「中途半端」なミスは殆どしない。僕が言うのは生意気だが、技術的なミスはけっこうしている。でも、「可能性がある」と判断した時には、自分で打てる最高のショットを目指して、常にベストショットを試みる。だから、元祖ライブドアで一世を風靡し、一方、会社の倒産という挫折も経験し、次は、アップルコンピュータの日本代表という表舞台に復帰し、彼独自の戦略と実行力とで「iPod」を日本市場で不動のものにできたのだと思う。

話しを自分のことに戻すと、昨日は、8打が1回、9打が2回、10打が1回と、大叩きが4つもあった。その原因は、技術的なこともあるが、やはり、精神面での未熟さが大きいように思う。

前刀さんの前で「いいところ(いいスコア)」を見せようという変な自己顕示欲があるため、通常のゴルフができないのである。ある意味で、彼の「存在感の大きさ」とも言える。

昨夜はゴルフの後、ETICが主催するイベントで起業家志望の学生の方々に対して講演をした。

「成長とは何か?」という質問に対して、僕は「いろいろな面があると思うが、そのひとつは『精神的に成熟すること』だと思います」と答えた。前刀さん達とのゴルフの例も説明しながら。

どんな局面であれ、相手が誰であれ、常に「平常心」でいられるようになることが、経営者としてもゴルファーとしても、成長に繋がるのだと思う。

昨日は、そんなことを考えさせられた一日だった。