嬉しい出来事。

2月は「逃げる」、3月は「去る」と誰かが言っていたが、文字通り、今年も2月は目まぐるしく過ぎ去った。

ところで、今日は久しぶりに、セコムに勤務する吉田さんという人とランチをご一緒した。

彼とは、かれこれ10年ぐらいの付き合いになるが、僕が昔から仕事をお願いしているデザイナーの方の旧知の友人ということで、最初の会社を経営している時に紹介されたのが、きっかけだった。

吉田さんは、とてもバランス感覚に優れた方で、情熱を持って仕事に取り組み、組織の中でも新しい事にチャレンジしていっている方だが、同時に、家庭をとても大切にされており、特に「子育て」には熱心な方である。

その吉田さんが、僕のブログを読んでいると聞いて、ちょっと照れくさかった。

吉田さんの僕に対するイメージは「仕事人間」というもので、「3度目の起業」と「初めての子育て」いうタイトルは意外だったらしいが、「初めての子育て」というテーマを入れたことを嬉しく思ったという。そう言われて、僕もとても嬉しく思った。

今日は、もうひとつ、嬉しい出来事があった。

インテリジェンス出身の三原さんという方が創業された「派遣会社」で、ビー・スタイルというユニークなベンチャー企業がある。

三原さんとは、1ヵ月前に知り合ったばかりだが、ちょうど派遣社員の方を採用したいと思っていたので、こちらの要望を伝えたところ、とても迅速な対応をしていただき、早速、紹介してくれた。

先程、担当の方から登録スタッフの方をご紹介いただき、早速、明日から来ていただくことになった。

桜の季節の到来と共に、オフィスも華やいだ雰囲気になりそうである。

少しずつ、一歩ずつ、会社を成長させていけたら、とても嬉しく思う。

「他にやるべきことがある」。

今朝の日経新聞の国際面に、ゴア前アメリカ副大統領のコメントが載っていた。

ハリウッドで開かれたアカデミー賞の授賞式で、主演した「不都合な真実」がドキュメンタリー賞に輝いたゴア氏は、受賞後のインタビューで「2008年の大統領選に出馬する計画はない。他にやるべきことがある」と答えたそうだ。

ネットバブルの頃、世界の主要国でインターネット上で「米大統領選の擬似選挙」が行われたことがあるが、その時、ゴア氏を選ばなかったのは、アメリカだけだった。

今日の世界において絶大な影響力を誇る米国の大統領に誰が当選するかは、米国のみならず、世界中の利益に関わる問題である。あの時、フロリダの事件がなく、ゴアが大統領に当選していたなら、きっと、世界は変わっていただろう。

そのような影響力を持つ米大統領になるよりも「他にやるべきことがある」と明言してしまうゴアという人物は、物凄い人だ。個人の権力や名誉欲ではないところに、彼のモチベーションがあるのだろう。

出来ることなら、一度でいいから会って話しをしてみたい。

追伸:ノーベル平和賞候補にも名前が挙がっているらしい。

心が疲れるとき Part-2

以前にもこのタイトルでブログを書いたことがある。9ヶ月前のことだ。もっと前のことのような気がする。

その時とは心境は異なるが、やはり、人間の「心」も、たまには「ピットストップ」が必要なようだ。

CREED(最初の起業)の時もインタースコープの時も、2~3ヶ月ぐらいハイペースで仕事をしていると、だんだんと「精神的なスタミナ切れ」になってきた。「心」が「休息」を求めるようになる。

「心」の状態は、身体(肉体)の状態と非常に密接に関係していると思う。体力が無くなってくると、気力も無くなってくる。スポーツ選手の引退は、心と肉体が「極度の緊張感」に耐えられなくなる時なのだろう。

そういえば、プロゴルファーの青木選手だったと思うが、「心技体」ではなく、「体技心」だと言っていた。

どういうことかというと、「体力」がなければ「技」は磨けない(そのための鍛錬に耐えられない)し、自分の「技」に自信があれば「平穏な心(自然体)」でいられる(技がなければ心は動揺する)という意味だ。まさしく、そのとおりだと思う。

昨年末に「失敗を恐れて萎縮していた自分」から脱出し、年明けからハイペースで飛ばしてきたが、ここへ来て、身体(肉体)が悲鳴をあげているのを感じていた。

すると、呼応するように「心」も疲れてきて、ちょっと「ここらで一休み」したいという気持ちが生じてきた。

20代~30代の頃は、3ヶ月ぐらいのスパンだった気がするが、40代になった今は、2ヶ月ぐらいを目処に「身体と心の休息」が必要なようだ。

とは言いつつ、ようやく会社のエンジンがかかってきたところなので、ペース配分に気をつけつつ、なんとか4月末まで頑張って、ゴールデンウィークには、久しぶりに「南の島」に行こうと思っている。

「COO」という仕事。

ドリームビジョンを始めてそろそろ1年。人材紹介の事業を始めて4ヶ月。

少しずつではあるが、会社の「歯車」が噛み合ってきたと感じている。将来構想に繋がる話しも入ってきたりしている。

ところで、先日、あるベンチャー企業に「COO」をご紹介させていただいた。そういうポジションは数も少ないし、適任な方を探すのは極めて難しい。

ひとことで言えば「縁」かもしれないが、人材紹介を始めて数ヶ月の僕らが、そういう仕事をさせていただけたことに心から感謝をしている。

人間の身体に例えるなら、「CEO」が「脳」だとすれば、「COO」という仕事は「心臓」のようなものだと思う。

どちらだけでも機能しない。そんなポジションを紹介させていただいたことに「責任と喜び」を感じている。

「時価総額の意味」を考える。

先週の日経新聞に、セブン&アイ・ホールディングスが「ロフト(生活雑貨専門店)」を連結子会社化するという記事が掲載されていた。

正確には、セブン&アイ・ホールディングスの全額出資会社で「ロフト」の筆頭株主である「ミレニアムリテイリング」が「約100億円」を投じ、森トラストとイオンが保有する株式(計35%)を取得する。その結果、ミレニアムリテイリングはロフトの「70%超」の株主になる。

ロフトの2006年2月期は「売上:556億円」「経常利益:11億円(経常利益率:1.98%)」。今年2月期も「増収・増益」が見込まれているらしい。

新聞記事から計算したロフトの「時価総額」は「286億円」。

今年度(2007年2月期)の予想数値は掲載されていないので予想PER(株価収益率)は分からないが、2006年2月期の経常利益(11億円)から(実効税率50%で)計算すると、PERは「52倍」である。

因みに、主要な「流通系企業」の先週金曜日(2007.02.23)時点での「時価総額/PER/PBR(純資産倍率)」を見ると、以下のとおりである。

セブン&アイ・ホールディングス: 3兆7,646億円/38.58倍/2.08倍
イオン: 2兆325億円/64.13倍/2.7倍
ダイエー: 1,662億円/0.71倍/2.64倍

ローソン: 4,843億円/21.48倍/2.47倍
ファミリーマート: 3,263億円/22.93倍/1.92倍

伊勢丹: 5,129億円/27.39倍/2.66倍
高島屋: 5,477億円/24.27倍/2.06倍
三越: 2,910億円/30.98倍/1.8倍

ここから、ロフトはとても高く評価されていることが分かる。

次に、ネット系新興企業のそれらの指標をチェックしてみた(2007.02.23現在)。

楽天: 8,512億円/308.45倍/4.51倍
ディー・エヌ・エー: 2,072億円/132.1倍/17.24倍
サイバーエージェント: 792億円/18.36倍/2.47倍
オプト: 361億円/115.76倍/4.08倍
マクロミル: 435億円/42.72倍/10.27倍

因みに、経常利益(連結)が最もロフトに近いのは「マクロミル」と「オプト」で、マクロミル:16.5億円(売上:52億円/経常利益率:31.7%)、オプト:6.58億円(売上:294億円/経常利益率:2.24%)である。

ロフトの経常利益はオプトの「1.67倍」であるが、時価総額は「79%」である。同じPERで計算すると600億円となる。

業界の成長性の違いにより、ネット系の新興企業の方が「時価総額やPER」が高いのは理解できるが、その企業が持つ「社会的価値」は、はたして「時価総額」に連動するだろうか?

ロフトは「PBR(純資産倍率)」が出ていないので、その額は分からないが、ネット系企業と違い、店舗や在庫といった「現金化しやすい資産」を持っていることや「従業員数」および「取引先数」等を考えた場合、時価総額では計れない「社会的価値」があるように思う。

「時価総額」は、あくまで、株式市場に参加して「株の売買により利益を得たい人」にとっての「価値」であり、それイコールのその企業の「社会的価値」ではないと思う。

追伸:それにしても、DeNAの「PBR」には脱帽である。マクロミルも、時価総額がピークの時は、PBRが「20倍」を超えていた。

「幸せのちから」。

今朝は子供を保育園に預けた後、本当に久しぶりに映画を観にいった。最後に映画館に行ったのは、かれこれ2年近く前だと思う。妻の出産前のことだ。

六本木ヒルズにある旧バージンシネマ(現TOHOシネマ)で、10:30から「幸せのちから(the PURSUIT of HAPPYNESS/本当はHAPPINESS)」を観た。「不都合な真実」と人気を二分しているので、観に行った人も多いと思う。

この時間から映画を観たのは初めてのことだ。子供が出来てから、早起きになった。自宅でネット経由で指定席を予約して出掛けたが、さすがに空いていた。

「幸せのちから」を観て、色々なことを考えた。

映画に限らず、何事に対しても、人によってその受け止め方は異なるし、同じ人でも、どのような状況の時かによって感じるものは大きく違ってくるだろう。

自分自身のことを考えても、ドリームビジョンを始める前、あるいは、子供が生まれる前、あるいは、貧乏な生活をしたことがなかったとしたら、今日の映画を観て考えたことは違ったと思う。

このエントリーに書きたいことは色々あるが、敢えて要約するならば、それは田坂広志さんがしばしば言っているようなことになる気がする。

「起業家精神というものがハングリー精神(欠乏感)によってしか生まれて来ないとしたら、それはあまりにも哀しいことである。世界第二位の経済大国となり、路頭に迷う事すら難しい日本社会において、なぜ、我々はハングリー精神を持たなければならないのか? もうひとつの起業家精神があるように思う。それは、『感謝の心』から生まれてくる起業家精神であり、意志であり、活力ではないだろうか? そういうエネルギ-を我々は持ちたいと思う」。

住む家を失った父子が、一晩の「温かいベッド」を求めて教会に並ぶシーンが何度も出てくる。アメリカ社会には、そういう受け皿があるとみることも出来るが、そういう受け皿が必要な社会(貧富の差が激しい)だとみることも出来る。

僕はさすがにホームレス生活を余儀なくされるほどの貧乏は経験したことはないが、30代半ばにとても貧乏な生活をした。今の僕を支えているのは、その時の「苦労」のように思う。

あの時に諦めていたら、今の自分はなかった。

子供も生まれ、40才を過ぎて「3度目の起業」にも挑戦でき、こうして、朝から「六本木ヒルズ」で映画を観ることができているということを、とても「幸せ」なことだと思う。

「集中力」と「瞬発力」。

ここへきて、ようやく、人材紹介ビジネスの勘所のようなものが少しずつではあるが掴めてきた。

その一方、インタースコープを立ち上げた頃のような「体力」が無くなっていることを自覚すると共に、体力の衰えはイコール「集中力」が持続する「時間が短くなる」ことを痛切に感じている。

人間は差し迫った危機感がないと努力をしない傾向があるが、自分自身の変化もあり、一日もはやく「仕組み」で稼げるようにする必要を感じている。

前刀さんが言っていた「ビジネスは『集中力と瞬発力』」という言葉を思い出す。

「光陰矢のごとし。学成りがたし」。