「中学校」での講義。

来月の下旬に、相模原市のある中学校で「職業」に関する講義をすることになった。

大学や大学院で講義をしたことは何度もあるが、さすがに「中学校」での講義はしたことがない。講義というよりは、授業といった方がよいだろう。

その「授業」のテーマは、「何のために働くのか(生き方)」や「職業観を学ぶ」というものだそうである。確かに、ドリームビジョンのテーマである。

僕にこのことを依頼してきた方はウェブで検索してきたのだろうが、よく僕のような人間を見つけたものだと思う(笑)。

ところで、ドリームビジョンのオフィスを探している時に、渋谷の法務局の辺りを歩いたことがある。名前は忘れたが、法務局のすぐ近くに小学校がある。

その小学校の横を通り過ぎながら、自分を含めた日本社会(海外のことは知らないが)の大人達は、あまりに子供の教育に無関心ではないか?と思った。

たしかに、「お受験」のような関心を持っている人はたくさんいるようだが、自分自身が直接、教育の現場に関与しようという大人が少ないような気がする。

関与しようにも関与できる仕組みになっていないということもあるのだろうが、僕なりの理解では「お金にならない」という側面があるように思う。

「今」のお金を稼ぐことや、「自分」のお金を稼ごうということを考えると、子供の教育に時間を費やしても、直接的なインパクトはない。

単純な例で、僕が相模原の中学校に「30分」の講義に行くためには、往復の時間を入れれば、ほぼ半日の時間を要することになり、その時間を「今のビジネス」に投下すれば、いくらになるのか?ということである。

しかし、子供の教育に時間を使うということは「未来への投資」であり、結局は自分に返ってくる。その投資をしなければ、未来の「リターン(繁栄)」もあり得ないということになる。

これは、育児休暇や子育て支援といったことへの企業(経営者)の姿勢にも表れているように思う。

僕にとって「2度目の起業」にあたるインタースコープでは、初めての「産休社員」が生まれた。とても誇らしく思う。

米国企業のセールスフォース・ドットコムは、売上や利益の「1%」を社会に還元していたと記憶している。尚かつ、「お金」だけではなく、経営者や従業員の時間の「1%」を社会的活動に費やしていたと思う。

個々人が自分達の将来のために「貯金」をするのと同じように、社会全体の未来のために、ほんの少しの「投資」をする人が増えれば、世の中は大きく変わるだろう。

社会的影響力の大きい人ほど、そういう姿勢を持って欲しいと思う。