ブランド認知

昨日はETICが主催するインターンシップフェアがあった。

ETICとはインタースコープ時代からの付き合いで、かれこれ6年以上になるが、ドリームビジョンの事業スピードを加速するために優秀なスタッフを採用するべく、現在3名のスタッフ全員で参加した。

そこで、久しぶりにDeNAの南場さんと会った。

こちらから挨拶すると、いつもの明るいノリで、「あー久しぶりですね」と返事が返って来た。

僕が、インタースコープを退任して、新しいビジネスを始めたことを言うと、「えっ、そうだったんですか。社名を変えたのかと思っていました。今度は、どんなことをされるんですか?」という「想定外」のリアクションが返ってきた。

要するに、南場さんにとっては「平石郁生(記号性)=インターネットリサーチ(意味性)」という構造のままだったということだ。

ビジネスにおいて最もマーケティングコストが要るのが「認知と理解」の獲得であるが、そのことを身を以て感じた瞬間だった。

南場さんのところには、毎日それこそ物凄い量の情報が届くだろうから、そのひとつひとつを精読する時間はないだろう。日頃から南場さんと何らかの接点があれば別だが、そうでなければ、僕がインタースコープを退任し、ドリームビジョンを設立したというニュースが届いても、正確に理解しないことは不思議ではない。ロジカルに考えてみると「想定の範囲内」ということだ。

ドリームビジョンとしては初めてインターンシップフェアだったが、「認知と理解とマインドシェア(関心度)」という点では、大きな収穫もあった。

1社3分ずつの全体プレゼンの後、各社の個別ブースにて、興味を持ってくれた学生達と質疑応答をするわけだが、まず、そこに学生が来てくれたこと(正直、ほっとした)、そして、来てくれた学生は僕らが来て欲しい(採用したい)と思っているタイプの人達であり、ドリームビジョンという「知名度ゼロ」の会社のやろうとしていること(意味性)が理解され、興味を持ってもらえたということは、とても嬉しいことだった。

インタースコープの平石の頃から感じていることだが、学生という「マーケット」は「情報(起業家のビジョン)」に対して、極めてビビッドに反応を示す。

学生が興味を持つかもたないかは、「分かりやすい商品やサービス」 and/or 「起業家自身の魅力」の2つで決まる。

興味がない会社のブースには、人は来ない。自社と自分という「商品力」がシビアに試される瞬間である。

あの南場さんでさえ、「いくつになってもドキドキするなあ」と言っていたが、僕にとってもビジネス上のプレゼンテーションやスピーチよりも、大きなプレッシャーと緊張を感じる一日である。