村上ファンド

America Marketing Association 主催の「Marketing on the Internet」というカンファレンスに出席したことがある。2001年3月末から4月1日にかけて開催(だったと思う)されたもので、社団法人日本マーケティング協会が企画したツアーだった。

その時に一緒だったメンバーの何人かとは、今も親交が続いており、先日も、僕も「3度目の起業」をお祝いしてくれるということで、集まってくれた。

このメンバーで集まると、何かしら「記憶に残るフレーズや言葉」が出てくる。

「温かいお金、冷たいお金、ゆるいお金」というのが、先日の会合で生まれたキーワードだった。

インタースコープの時もそうだが、今回(ドリームビジョン)の起業に際しても、僕のことを応援してくれて、お金を出してくれるという人が何人かいる。とてもありがたいことだ。

ある日、その中のある人に、当然の礼儀として、道半ばにしてインタースコープを退任することになった理由を説明をした。眺望のよい日本料理レストランでランチを食べながら話しをした。

その時に彼に言われたことは、「平石さん、僕だけでなく、インタースコープに出資した人達(平石さん関係者)は、平石さんに『夢』を託したんですよ。ご理解されているとは思いますが、そのことだけは改めて言っておきます」いうことだった。そして、彼は今も尚、以前と変わらず、僕のことを支援してくれている。

何とも言えない(申し訳ない)気持ちでいっぱいになった。

さて、話しを今回のテーマである「温かいお金、冷たいお金、ゆるいお金」に戻そう。

その彼が出資してくれているのは間違いなく、「温かいお金」である。そのことの「重み」は、この先の人生を歩んで行くに際して、改めて考える必要があると思っている。2度と「不義理」をしてはいけない。絶対に。

では、「冷たいお金」というのは、どういうお金だろう?

話しは脱線するが、僕は「日本生命」のコマーシャル(現在、流れているもの)が好きだ。時々、涙が出てくる。「愛情はお金では買えませんが、お金に愛情を込めることはできます」と言ってたと思う。

ところで、「村上さん(ファンド)」の「お金」は、「温かい」のか?「冷たい」のか?、それとも、「ゆるい」のか?

「村上ファンド」に出資するには、最低金額が「10億円」だそうである。

ファンドの平均パフォーマンス(利回り)は、たしか、20~30%(期間は覚えていない)だったと思うので、10億円が12~13億円になって返ってくるということだ。悪くない話しである。株式やマーケットに関する知識が豊富でない人が、それだけの利益を上げることは簡単ではない。ましてや、10億円単位のお金となると、投資する銘柄によっては、マーケットに与える影響も出てくるだろうから、自分の行為が株価を上げることにもなってしまい、「安値で買って、高値で売る」ということが、簡単には出来なくなってしまうからだ。だから、大きなお金を動かす場合は、時価総額の大きな銘柄に投資して、尚かつ、「確実に」値上がりに結びつく情報を「事前に」入手できれば、大きな利益を上げられるわけである。それを、非合法な手段で行ってしまうとインサイダー取引になってしまう。意図的であるかないかに関らず。

あるパーティーで、村上さんのスピーチを聴いたことがある。自己紹介で自分のことを、「上場企業の『敵』と言われている村上です」と挨拶をしていた。問題は、彼が何故、「敵」と言われるのか?だと思う。

僕は不勉強で詳しくは知らないが、金融の世界にいる人であれば誰でも知っている「ウォーレン・バフェット」という人がいる。「バークシャー・ハサウェイ」という投資会社を経営している人物だ。

ある人から教わったことであるが、彼は「50年持つつもりがない会社の株は、5分たりとも持つな」と言っているそうである。同じ投資家でも、彼のことを悪く言う人はいないのではないだろうか?

また、彼は「周囲の人からそれなりの評判を得るには20年かかる。だが、その評判はたった5分で崩れることがある。そのことを頭に入れておけば今後の生き方が変わるはずだ」とも言っているそうである。

身につまされる話しである。